研修のあとに感想文を頼まれて、何を書けばいいか分からない。そんな悩みを抱える介護職の人は、少なくありません。書き出しの一文が浮かばず、提出の期限が迫っても、1行も書けていない人もいるでしょう。
文章が苦手でも、型に当てはめれば書けます。感想文は、「学び」「仕事での気づき」「これからの行動」の3つを書けば、形になります。この記事では、書き方の型と、初任者研修や認知症など研修の種類別の例文5つをまとめました。字数別の配分表や、書き直しの作例、提出前のチェックリストもあり、読み終えるころには、今日にも書き始められます。

研修の感想文、何を書けばいいの?いつもありきたりになっちゃう…

3段の型と例文で、そのまま書き始められます。提出前のチェックリストもつけましたよ。
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感想文は学び・気づき・行動の3段で書く
「学び」「気づき」「行動」の3段で書けば、感想文(レポート)は400字でも800字でもまとまります。研修の内容を全部書く必要はありません。
3段の型と字数の目安
3段のうち、いちばん大切なのは2段目の「気づき」です。研修の説明ではなく、自分の仕事に引きつけた話を書きます。
| 段 | 書くこと | 400字のとき | 800字のとき |
|---|---|---|---|
| 1. 学び | 研修で印象に残った内容を1〜2点 | 100字 | 200字 |
| 2. 気づき | 自分の仕事の場面と結びつけた考え | 180字 | 400字 |
| 3. 行動 | 明日から実行する行動を1つ | 120字 | 200字 |
3段目の行動は、「頑張ります」ではなく、行動として見えるものにします。たとえば「声をかけてから体に触れる」のように、明日の勤務でできる形です。
書き出しと結びの言い換え
ありきたりな感想文に見える原因は、書き出しと結びの決まり文句です。次のように言い換えると、自分の言葉になります。
| よくある書き方 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 今回の研修でとても勉強になりました。 | 研修で、利用者の方の表情を見る大切さを知りました。 |
| 今後の業務に活かしたいと思います。 | 来週の入浴介助から、毎回、声をかけてから始めます。 |
| 大変貴重な機会をいただきました。 | 先輩の事例を聞き、自分の対応を見直すきっかけになりました。 |
具体的な場面を1つだけ入れる
感想文が深くなるコツは、仕事の場面を1つだけ入れることです。場面が1つあると、気づきが「自分の話」になります。
たとえば、「食事介助のときに、急いで次の一口を運んでしまった」という場面です。この場面が入るだけで、「ゆっくり待つことの大切さ」という学びが、実感のある言葉になります。場面は、大きな出来事でなくてかまいません。
書き始められないときの3ステップ
手が止まったら、いきなり文章にせず、メモ・絞り込み・3段の順に進めると、書き出せます。
| ステップ | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1. メモを出す | 印象に残った言葉や場面を、思いつくまま書き出す | 5分 |
| 2. 絞る | メモの中から、学び1つと場面1つを選ぶ | 3分 |
| 3. 3段に並べる | 学び・気づき・行動の順に、2〜3文ずつ書く | 10分 |
研修中のメモは、印象に残った言葉、自分の仕事の場面が浮かんだ瞬間、講師や先輩が話した具体例の3つだけで十分です。あとで感想文にするとき、この3つが材料になります。
研修別の例文5選
すべてモデルとして作った例文で、実際の体験談ではありません。初任者研修の1本は400字の完成形、ほかの4本は約200字の見本です。自分の体験に置き換えて使ってください。
研修の種類ごとの切り口を、先に選んでおくと書きやすくなります。
| 研修の種類 | 書きやすい切り口 |
|---|---|
| 初任者研修などの資格研修 | 演習で感じた気持ちと、現場での変化 |
| 認知症の研修 | 本人の言葉の背景に、気づいた点 |
| 事故防止・リスクマネジメント | 自分のヒヤリとした経験と、確認の工夫 |
| 看取りケア | 研修前の戸惑いと、自分にできる小さな関わり |
| 接遇・マナー | 言い換えを1つ決めて、実行した結果 |
| 虐待防止・身体拘束(例文なし) | 自分の声かけや対応を見直した点。3段の型で書く |
初任者研修の感想文(400字の完成形)
初任者研修は130時間と範囲が広いため、印象に残った1つに絞って書きます(厚生労働省の通知・2026年3月改正版)。
初任者研修で、いちばん心に残ったのは、生活支援技術の演習でした。車椅子への移乗の演習で相手役になったとき、声をかけずに動かされる怖さを知りました。体が動く前に、次に何が起きるかを教えてほしいと、強く感じたのです。
これまでの私は、手順を間違えないことばかり考えていました。先週も、食事の席へ案内するとき、急いで車椅子を押してしまったのです。利用者さんは何も言いませんでしたが、思い返すと、体をこわばらせているように見えました。
演習で怖さを味わったからこそ、無言の緊張に気づけたのだと思います。手順の正しさだけでなく、安心できる伝え方も、介助の大切な一部だと分かりました。
これからは、どの介助でも、動かす前に「これから車椅子を押しますね」と一言添えます。特に急いでいるときほど、声かけを飛ばさないようにします。研修で学んだ技術を、安心につながる関わりにして、日々の仕事で続けていきたいです。
この例文のポイント: 気づきの段に、自分の場面を1つだけ入れています。初任者研修(初任者研修とは)の感想文に使える型です。
認知症の研修の感想文
認知症の研修で、『帰りたい』という言葉の裏に、不安や寂しさが隠れていることがあると学びました。これまでの私は、『今は帰れませんよ』と言って、その場を収めることに必死だったのです。
研修のロールプレイで利用者役をしたとき、否定される言葉は想像以上に心に刺さりました。それからは、まず『そうですね、お家が気になりますね』と受け止めてから、話を聞くようにしています。
認知症のある方の言葉を、困った行動として見ない姿勢を、これからも大切にしたいです。
この例文のポイント: 「帰りたい」という具体的な言葉を1つ取り上げ、対応が変わった前後を対比した点が要です。
事故防止・リスクマネジメント研修の感想文
研修で、事故は個人の不注意だけで起きるのではなく、仕組みの見直しでも減らせると学びました。私にも、配膳のとき、名前の確認を飛ばしそうになった経験があります。
そのときは大事に至りませんでした。ただ、研修を受けて、あの一瞬が事故の入り口だったと気づいたのです。忙しい時間帯ほど、確認の手順は抜けやすいものです。
明日からは、配膳の前に、名札と献立表を指で差して確認します。小さな確認を積み重ねて、事故を未然に防いでいきます。
この例文のポイント: 自分のヒヤリとした経験を正直に書き、確認の方法(指で差す)まで示した点が強みです。ヒヤリハットの考え方は、ヒヤリハットの書き方の記事もどうぞ。
看取りケア研修の感想文
看取りの研修を受ける前は、最期の場面に立ち会うのが怖かったのです。研修では、看取りを、その人らしい日々の続きとして考える視点を教わりました。
先月、夜勤の見回りで、眠れずにいた方の昔話を10分ほど聞く機会がありました。本人が好きだった飲み物の話や、家族の思い出を聞くことも、大切なケアだと知ったのです。私にできるのは、目の前の方の話をゆっくり聞くことだと分かりました。
これからは、日々の会話の中で、その方が大切にしていることを知る努力をします。気づいたことは、チームにも共有していくつもりです。
この例文のポイント: 研修前の怖さを正直に書き、自分にできる小さな行動(話を聞く)へ着地させる書き方が参考になります。看取りの考え方は、看取りケアとはの記事もどうぞ。
接遇・マナー研修の感想文
接遇の研修で、『ちょっと待って』という言葉が、相手を不安にさせると学びました。私も、忙しいときに何度もこの言葉を使っていました。昨日も、居室から呼ばれたのに、『ちょっと待って』と答えて次の対応へ向かってしまったのです。
研修では、『少し時間をいただきますが、5分後に伺いますね』と伝える練習をしました。時間と約束を添えるだけで、相手の表情が和らぐことに驚きました。
今日からは、待っていただくときに、そのつど戻る時間を伝えます。信頼される言葉づかいを、身につけていきたいです。
この例文のポイント: 言葉づかいの反省を「言い換えの1例」に絞り、行動まで具体化するのがコツです。
伝わる感想文と避けたい書き方
伝わる感想文は、研修の要約ではなく、自分の仕事の場面と行動が書かれています。避けたいのは、内容の説明だけの文章と、他人事の文章です。
| 避けたい書き方 | 改善の方向 |
|---|---|
| 研修の内容をそのまま並べる | 印象に残った1点に絞り、理由を書く |
| 「人手不足で難しい」など、他人事になる | 自分にできる小さな行動に置き換える |
| 「頑張ります」で終わる | いつ、何をするかまで書く |
たとえば「認知症のある方への対応を学びました」だけでは、何を学んだのかが分かりません。「『帰りたい』という言葉の背景にある不安を知りました」と書くと、学んだ中身が伝わります。
職場や上司への不満を書くのも、避けたほうが無難です。改善したいことがある場合は、「自分ができること」の形にして書くと、前向きな印象です。
書き直しの例(作例)を、次の表に示します。説明のために作った例で、実際の体験談ではありません。薄い感想文は、場面と行動を足すだけで変わります。
| 書き直し前 | 書き直し後 |
|---|---|
| 事故防止の研修で、確認の大切さを学びました。今後の業務に活かしたいと思います。 | 事故防止の研修で、確認は「忙しいときほど抜ける」と学びました。私も先日、配薬の名前確認を急いでしまいました。明日から、名前を声に出して確認します。 |
提出前のチェックリスト
3段・場面・行動・個人情報の4点が入っていれば、提出前の確認はほぼ済みます。次の8項目で、抜けを確かめてください。
| 確認すること | 直し方の目安 |
|---|---|
| 3段(学び・気づき・行動)がそろっている | 足りない段を1〜2文で足す |
| 研修の説明が、全体の3割程度までに収まっている(この記事の目安) | 説明を削り、気づきに字数を回す |
| 仕事の場面が、1つ入っている | 最近の出来事を1文だけ書く |
| 行動が、いつ・何をするかまで書かれている | 「明日から」「入浴介助のとき」を足す |
| 利用者さんが特定される情報がない | 名前・病名・家族の事情は、書かない |
| 職場や同僚への批判になっていない | 「自分ができること」に言い換える |
| 決まり文句だけの文がない | 左の文を、具体的な文に置き換える |
| 誤字・脱字と字数を確認した | 声に出して読み直す |
よくある質問
まとめ
介護研修の感想文は、「学び」「気づき」「行動」の3段で書けます。仕事の場面を1つ入れると、ありきたりな文章から抜け出せます。例文は型の見本なので、自分の体験に置き換えて使ってください。まずは、最近の勤務で心に残った場面を1つ、メモに書き出してみましょう。
- 字数が足りないときは、どうすればよいですか?
-
研修の説明を増やすのではなく、2段目の「気づき」に、場面を1つ足します。場面の様子と、そのときの自分の気持ちを2文ずつ書くと、200字ほど増えます。
- 研修で新しい発見がなかったときは、何を書けばよいですか?
-
知っていたことの中で、再確認できた点を書けば十分です。「知っていたのに、忙しいとできていなかった」という気づきは、立派な感想になります。
- 例文をそのまま使ってもよいですか?
-
そのままの提出は、おすすめしません。例文は、型の見本です。自分の場面と行動に置き換えると、あなた自身の感想文になります。
- 認知症介護実践者研修のレポートも、同じ書き方でよいですか?
-
実践者研修のレポートは、課題や様式が都道府県や研修機関で異なります。まず研修機関の指示に従い、書き方は認知症介護実践者研修とはの記事も参考にしてください。
- 感想文とレポートは、何が違いますか?
-
感想文は、自分の気づきや気持ちが中心の文章です。レポートは、課題に沿って事実を整理し、考えをまとめる文章です。提出先の指示にどちらかが書かれているので、先に確かめてください。
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