# 介護事務とは?仕事内容・資格・未経験からの始め方
「介護の仕事に関わりたい。でも、体を使う直接の介護は自信がない」「事務のスキルを活かして、長く安定して働きたい」——そんな思いから「介護事務」と検索して、このページにたどり着いた方も多いと思います。
介護事務は、介護施設や事業所を裏側から支えるデスクワークです。無資格・未経験からでも始められ、パソコンが少し使えれば挑戦できます。
この記事では、介護事務とはどんな仕事か、仕事内容・必要な資格・未経験からの始め方・給料の傾向・向いている人を、できるだけやさしい言葉でまとめました。読み終わるころには、「自分に向いているか」「何から始めればいいか」がはっきりするはずです。

体力的にきつくなってきた…。介護事務なら未経験でもできる?

仕事内容・資格・未経験からの始め方まで解説します。現場経験が活かせる選択肢ですよ。
結論:介護事務は無資格でも始められる「介護のデスクワーク」
最初に結論からお伝えします。
介護事務とは、介護施設や事業所で、お金の計算や書類の手続きを担当する事務の仕事です。 その中心になるのが「介護報酬請求(レセプト)」という毎月の請求業務です(くわしくは後で説明します)。
介護事務を選ぶうえで、まず知っておいてほしいポイントは次の3つです。
- 資格がなくても就ける。 介護事務は国家資格が必要な仕事ではありません。未経験からの募集も多くあります
- 体力より、こまかい作業を続ける力が大切。 直接の身体介護はほとんどなく、パソコンと書類が主な相手です
- 夜勤がなく、生活リズムを保ちやすい。 日勤中心で土日休みの職場も多く、家庭と両立しやすい働き方です
「介護に関わりたいけれど、ずっと立ち仕事は不安」という方にとって、介護事務は現実的な選択肢になります。それでは、仕事内容から順に見ていきましょう。
介護事務の仕事内容
介護事務の仕事は、大きく「お金にかかわる仕事」と「人にかかわる仕事」の2つに分けられます。ひとつずつ見ていきます。
いちばん大切な仕事「介護報酬請求(レセプト)」
介護事務の中心になるのが、介護報酬請求です。まず、この仕組みをかんたんに説明します。
介護サービスを受けた利用者さんは、かかった費用のうち1〜3割だけを事業所に支払います。残りの7〜9割は、介護保険から支払われます。この「残り7〜9割」を事業所が保険側に請求する手続きが、介護報酬請求です。
このとき提出する明細書のことを「レセプト(介護給付費明細書。誰にどんなサービスを何回提供したかをまとめた請求書)」と呼びます。
- レセプトは毎月まとめて作成する
- 提出先は「国保連(国民健康保険団体連合会。市区町村に代わって請求を受け付ける団体)」
- 提出の締め切りは毎月10日ごろと決まっている
たとえば、あるデイサービスに利用者さんが30人いれば、30人分のサービス記録を1件ずつ確認し、金額を計算してまとめます。ここを間違えると事業所に入るお金がずれてしまうため、正確さがなにより大切な仕事です。
今はほとんどの事業所で専用ソフトを使うので、手計算をするわけではありません。とはいえ、制度のルールを理解して入力・確認する力は必要になります。
利用者さんへの請求とお金の管理
保険への請求と並んで、利用者さん本人への請求も介護事務の仕事です。
- 利用者さんの自己負担分(1〜3割)の請求書・領収書を作る
- 入金を確認し、帳簿につける
- 施設によっては食費や日用品代などの実費の計算もする
こうしたお金の出入りを、1円のズレもなく管理するのが介護事務の腕の見せどころです。
受付・電話対応・書類づくり
介護事務は、事業所の「窓口」の役割も担います。
- 来客や利用者ご家族の受付・応対
- 電話の取り次ぎ、問い合わせ対応
- ケアマネジャー(利用者さんの介護の計画を立てる専門職)や介護職員が使う書類の作成・整理
- 備品の発注、シフト表づくりの補助など
たとえば、利用者さんのご家族から「今月の請求はどうなっていますか」と電話が来たとき、やさしく説明するのも介護事務の役目です。数字に強いだけでなく、人と話すのが苦にならないと働きやすい仕事です。
医療事務との違い
「介護事務」と「医療事務」は名前が似ているので、よく混同されます。ちがいを表にまとめます。
| 介護事務 | 医療事務 | |
|---|---|---|
| 働く場所 | 介護施設・事業所 | 病院・クリニック |
| 請求先 | 国保連(介護保険) | 審査支払機関(医療保険) |
| 請求のもと | 介護報酬 | 診療報酬 |
| 夜勤 | ほぼなし | 病院では夜間受付あり |
どちらも「保険のしくみを使って請求する事務」という点は同じです。介護事務は、そのなかでも介護保険を専門にあつかう仕事だと考えるとわかりやすいです。
1日の仕事の流れ(デイサービスの例)
イメージがわくように、ある日の流れを例として並べます。
1. 朝: 出勤、利用者さんの出欠確認、来客・電話対応
2. 午前: 前日のサービス記録の入力、請求データの確認
3. 昼: 休憩(職員と一緒に取れる職場が多い)
4. 午後: 書類作成、備品の発注、ご家族への連絡
5. 夕方: 1日の入金確認、翌日の準備をして退勤
月初め(1〜10日ごろ)はレセプトの提出があるため、いちばん忙しくなります。逆にそれ以外の時期は落ち着いていることが多い、というメリハリのある仕事です。
介護事務に資格は必要?無資格でもなれる理由
資格がなくても就ける
さきほども触れたとおり、介護事務に必須の資格はありません。 医師や介護福祉士のような国家資格は不要で、無資格・未経験からの募集もたくさんあります。
「介護の資格って、初任者研修(介護の入門資格。130時間の講座を受けて取る介護のスタートライン)から取らないとダメなの?」と不安になる方もいます。でも介護事務は直接介護をしないため、そうした資格がなくても応募できます。
ただし、まったく知識がないまま入ると、レセプトの意味がわからず苦労することもあります。そこで役に立つのが、次に紹介する民間資格です。
代表的な介護事務の民間資格
介護事務の勉強をしたことの証明になる、民間資格(国ではなく民間の団体が認定する資格)がいくつかあります。代表的なものを表にまとめます。
| 資格名 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 介護事務管理士 | 民間 | 知名度が高い。技能認定試験 |
| ケアクラーク | 民間 | 介護事務の実務知識を証明 |
| 介護報酬請求事務技能検定 | 民間 | レセプト実務に特化 |
| 介護事務実務士 | 民間 | 通信講座とセットが多い |
どれも国家資格ではないため、「持っていないと働けない」ものではありません。あくまで「勉強しました」という証明と、実務の予習という位置づけです。
どれを選ぶか迷ったら、通信講座で取れて知名度のあるものを1つ選べば十分です。複数を取る必要はありません。
資格を取るメリット
「必須ではないなら、取らなくていいのでは?」と思うかもしれません。取るメリットは主に3つです。
- 未経験でも「勉強した証明」になり、書類選考で有利になりやすい
- 入職後、レセプトの意味がわかっているのでスムーズに働ける
- 在宅の通信講座で、働きながら・子育てしながらでも取りやすい
たとえば、未経験の応募者が2人いて、片方だけが介護事務の資格を持っていたら、採用側は勉強してきた人を選びやすくなります。資格は「やる気の見える化」でもあるわけです。
介護事務の資格は、多くが通信講座(自宅に教材が届き、自分のペースで学ぶ学び方)で取れます。数か月・数万円で挑戦できるものが中心です。気になる講座があれば、まずは無料の資料請求で費用と期間を見比べてみるのがおすすめです。
介護には、介護事務のほかにもさまざまな資格があります。全体像を知りたい方は、介護資格の種類を一覧で解説した記事もあわせてご覧ください。
未経験から介護事務を始める4ステップ
ここからは、未経験の方が介護事務の仕事に就くまでの流れを、順番に説明します。
ステップ1:まず求人の相場を見てみる
いきなり資格を取る前に、住んでいる地域にどんな介護事務の求人があるかを見てみましょう。「介護事務 未経験 ○○市」で検索すると、募集の数や条件の雰囲気がつかめます。
つまずきポイント: 都市部は求人が多い一方、地方では数が限られます。数が少ない地域では、「介護職員兼事務」の募集を選択肢に入れると幅が広がります。
ステップ2:必要なら民間資格を取る
求人を見て「知識ゼロは不安だ」と感じたら、通信講座で民間資格を取っておくと安心です。働きながらでも数か月で取れるものが多く、面接でのアピール材料になります。
ステップ3:パート・派遣から始めるのもあり
「いきなり正社員はハードルが高い」という方は、パートや派遣で経験を積む道もあります。実務を覚えてから正社員を目指せば、未経験のハンデを小さくできます。
ステップ4:応募して面接を受ける
応募先が決まったら、履歴書と職務経歴書を用意して面接に進みます。事務経験やパソコンスキル、コツコツ続けられる性格は、しっかりアピールしましょう。
未経験からの転職の進め方全般は、別の記事でくわしく解説しています(→ 未経験から介護職への転職ガイド)。介護事務も基本の流れは同じなので、あわせて読んでみてください。
介護事務の給料の傾向
いちばん気になる給料の話をします。ただし、給料は施設の形態・地域・雇用形態で大きく差があるため、「必ずいくら」とは言えません。ここでは一般的な傾向をお伝えします。
介護事務は、世の中の一般的な事務職と近い水準になりやすい仕事です。夜勤がない分、夜勤手当のつく介護職員に比べると、月収は控えめになる傾向があります。
参考までに、介護の現場で働く介護職員(直接介護をする職員)の平均給与は、厚生労働省の調査で月およそ33.8万円(手当・ボーナス込みの額面)です。この額には夜勤手当などが含まれているため、日勤のみの介護事務はこれより控えめになりやすい、と考えておくと現実的です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
- 正社員: 月給制。賞与(ボーナス)がある職場も多い
- パート: 時給制。地域の一般事務とおおむね同じ水準
- 経験・資格: 実務経験を積むと待遇が上がることもある
モデルケース: 40代のBさんは、子育てが一段落したのを機に、未経験から通信講座で介護事務の資格を取得しました。地元のデイサービスにパートとして採用され、平日9〜16時の日勤で働き始めます。「夜勤がなく、家族との時間を保ちながら介護に関われるのがうれしい」と話します。給料そのものは介護職員より控えめでも、生活リズムの安定という価値を選んだ形です。
給料の相場を他の職種と比べたい方は、介護職全体の給料をまとめた記事(→ 介護職の給料はいくら?)もあわせてご覧ください。
介護事務に向いている人・向いていない人
向き不向きを整理します。あてはまる数が多いほど、介護事務と相性がよいと考えてください。
向いている人
- こまかい作業をコツコツ続けるのが好きな人
- 数字やお金の計算をていねいに扱える人
- パソコンの基本操作(入力・表計算)ができる人
- 人と話すのが苦にならない人(受付・電話があるため)
- 介護に関わりたいが、直接の身体介護には自信がない人
向いていないかもしれない人
- 毎月の締め切りに追われるのが強いストレスになる人
- 同じ作業のくり返しが極端に苦手な人
- 数字のこまかいチェックがどうしても苦痛な人
ただし、「向いていないかも」に当てはまっても、慣れで解決することは多いです。たとえばパソコンが苦手でも、専用ソフトの操作は入職後に覚えられます。最初から完璧を求めなくて大丈夫です。
よくある質問
まとめ:介護事務は「介護×事務」で長く働ける仕事
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 介護事務は、介護報酬請求(レセプト)を中心とした介護のデスクワーク
- 無資格・未経験でも就ける。民間資格は「必須ではないが有利になる予習」
- 夜勤がなく生活リズムを保ちやすい。給料は日勤の事務職に近い傾向
- 未経験なら、求人チェック→(必要なら)資格取得→パート・派遣→応募の順で進める
介護事務は、「介護に関わりたい気持ち」と「事務のスキル」の両方を活かせる仕事です。体力に自信がなくても、長く安定して介護の世界にたずさわれます。
まずは、どんな資格や講座があるのかを知ることから始めてみましょう。無料の資料請求なら、費用も期間も気軽に見比べられます。
- 介護事務は本当に無資格・未経験でもなれますか?
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なれます。介護事務に必須の国家資格はなく、未経験歓迎の求人も多くあります。ただし、まったく知識がないと入職後に苦労しやすいため、民間資格の勉強をしておくと安心して働き始められます。
- 介護事務と医療事務、どちらがいいですか?
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働きたい場所で選ぶのがおすすめです。介護施設で働きたいなら介護事務、病院やクリニックで働きたいなら医療事務が向いています。どちらも「保険を使って請求する事務」という基本は同じで、学んだ知識は近い分野で活きます。
- パソコンが得意でなくても大丈夫ですか?
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文字入力と、かんたんな表計算ソフトが使えれば十分にスタートできます。レセプトは専用ソフトを使うので、入職後に操作を覚えれば問題ありません。心配な方は、事前に基本操作に慣れておくとより安心です。
- 介護事務の資格はどれを取ればいいですか?
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迷ったら、知名度が高く通信講座で取れるものを1つ選べば十分です。複数を取る必要はありません。まずは無料の資料請求で、講座ごとの費用・期間・サポート内容を見比べてみてください。
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