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福祉住環境コーディネーターとは?2級3級と活かし方

# 福祉住環境コーディネーターとは?2級3級と活かし方

「利用者さんの家に手すりをつけたいけど、どこに相談すればいいんだろう」「退院してくる家族のために、家をどう直せばいいのか分からない」——そんな場面に出会って、このページにたどり着いた方も多いと思います。

介護の現場では、体だけでなく「住まい」を整えることが、その人の暮らしを大きく変えます。その住まいの工夫を専門に学ぶのが、福祉住環境コーディネーターという資格です。

この記事では、福祉住環境コーディネーターとは何かを、民間検定である点を含めてやさしく解説します。2級・3級のちがい、学ぶ内容、介護の現場での活かし方まで、順番に見ていきましょう。読み終わるころには、「自分に必要な資格かどうか」がはっきりするはずです。

悩む介護士

福祉住環境コーディネーターって、介護の仕事に役立つの?

ケアワーカーハブ編集部

住まいの面から利用者さんを支える知識です。2級3級の違いと活かし方を説明しますね。

目次

福祉住環境コーディネーターとは?東京商工会議所の民間検定

最初に結論からお伝えします。

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障害のある人が暮らしやすい住まいを提案するための知識を学ぶ資格です。東京商工会議所(東京の会社が集まってつくる団体)が実施している検定試験です。

ここでいちばん大事なポイントがあります。この資格は国家資格ではなく「民間検定」だということです。民間検定とは、国ではなく民間の団体が独自に行う試験のことです。

要点を先に3つまとめます。

  • 主催は東京商工会議所。国家資格ではなく民間の検定
  • 級は3級・2級・1級の3つ。数字が小さいほど専門的
  • 住宅改修・福祉用具・バリアフリーの知識が身につく

つまり、「介護・建築・医療の3つをつなぐ通訳役」になれる資格だと考えてください。持っていると、利用者さんの住まいの相談に、より根拠をもって答えられるようになります。

なお、級ごとの受験資格・費用・合格率・試験の方式は、年度によって変わります。申し込みの前に、必ず東京商工会議所の公式サイトで最新の情報を確認してください。

どんな時に役立つ?住宅改修・福祉用具・バリアフリー

福祉住環境コーディネーターの知識が活きるのは、おもに次の3つの場面です。どれも介護の現場でよく出会う困りごとです。

① 住宅改修(手すりや段差の工事)

住宅改修とは、手すりをつけたり、段差をなくしたりする、家を直す小さな工事のことです。

たとえば、トイレに立ち座り用の手すりをつける。玄関の段差にスロープをつける。こうした工夫で、転倒(ころんでケガをすること)をぐっと減らせます。

介護保険には、この住宅改修の費用を一部補助する仕組みがあります。ただし、対象になる工事の種類や上限額は決められています。福祉住環境コーディネーターは、この制度をふまえて「どこをどう直すと安全か」を提案できます。

たとえば、同じ「手すりをつける」でも、位置が数センチ違うだけで使いやすさは変わります。立つ動作か、歩く動作かで、つける高さも向きも変わるからです。こうした細かな判断ができると、工事のやり直しやムダも減らせます。

② 福祉用具の選定

福祉用具とは、車いすや介護ベッド、歩行器など、生活を助ける道具のことです。

同じ車いすでも、体の状態や家の広さによって、合うものはまったく違います。合わない用具は、かえって事故のもとになります。

福祉住環境コーディネーターは、体の状態と住まいの両方を見て、「この人にはこの用具が合う」と考える力を学びます。この知識は、福祉用具専門相談員とは?仕事内容と資格の取り方の役割とも深く重なります。

③ バリアフリーの提案

バリアフリーとは、段差や不便をなくして、誰もが暮らしやすくすることです。

新しく家を建てる時や、リフォームの時に、「将来、車いすになっても暮らせる家」を考える。こうした先を見た提案も、この資格の知識が活きる場面です。

たとえば、廊下を少し広くしておく。スイッチの位置を低めにしておく。今は元気でも、10年後の暮らしまで考えた住まいづくりができるようになります。

3級・2級・1級のちがい

福祉住環境コーディネーターには、3級・2級・1級の3つの級があります。数字が小さいほど、内容は専門的になります。

大まかなイメージを表にまとめました。ただし、くわしい受験資格や難しさは、主催団体の情報で確認してください。

ざっくりの位置づけこんな人向け
3級入門レベル。基礎を広く学ぶ制度や用語をはじめて学ぶ人
2級実務レベル。現場で使える知識仕事に活かしたい介護職・相談職
1級応用レベル。まちづくりの視点も提案・企画まで踏み込みたい人

多くの人がまず目指すのは2級です。介護の仕事に直接役立つ知識がまとまっているからです。3級から順に受ける人もいれば、いきなり2級を受ける人もいます。

1級は、個人の住まいだけでなく、地域や建物全体のバリアフリーまで考える、いちばん専門的な級です。受ける人の数はぐっと少なくなります。

くり返しになりますが、それぞれの級の受験資格・費用・合格率・試験日は、年度で変わります。申し込み前に、東京商工会議所の公式情報を必ず確認してください。断定できる数字は、この記事ではあえて書いていません。

福祉住環境コーディネーターで学ぶ内容

では、実際にどんなことを学ぶのでしょうか。ざっくり言うと「体・住まい・道具・制度」の4つがつながって出てきます。

高齢者・障害のある人の体と生活

年をとると体にどんな変化が起きるか。病気や障害で、どんな不自由が生まれるか。まずはここを学びます。

たとえば、ひざが痛いと、和式トイレはとてもつらくなります。目が見えにくくなると、暗い廊下は危険が増えます。こうした「なぜ困るのか」を理解するところがスタートです。

住まいの工夫とバリアフリー

次に、その不自由を住まいでどう補うかを学びます。手すりの高さ、廊下の幅、床の材料など、具体的な工夫がたくさん出てきます。

「なんとなく手すりをつける」のではなく、「この人のこの動作を助けるために、ここにつける」と考えられるようになります。

福祉用具の知識

車いす、介護ベッド、入浴用のいす。こうした福祉用具の種類と、選び方を学びます。

道具を「知っている」だけでなく、「その人に合わせて選べる」ようになるのが目標です。

制度とお金の仕組み

最後に、介護保険の住宅改修や福祉用具レンタルなど、費用を支える制度を学びます。「良い提案」を「実際に使える提案」に変えるための知識です。

どんなに良いアイデアでも、お金の裏づけがないと実現しません。そこを学べるのが、この資格の実用的なところです。

この4つを合わせて学ぶことで、住まいの相談にまるごと答えられるようになります。介護の資格全体の中での位置づけは、介護の資格の種類を一覧でわかりやすく解説の記事もあわせて読むと整理しやすいです。

介護の現場での活かし方(介護・建築・医療の橋渡し)

福祉住環境コーディネーターの最大の魅力は、「橋渡し役」になれることです。

住まいの相談には、いろいろな専門職が関わります。介護職やケアマネ(利用者さんの介護の計画を立てる専門職)。大工さんや建築士。そして医師や理学療法士(リハビリの専門職)です。

ところが、それぞれ使う言葉も、見ている所も違います。介護職は生活を、建築士は工事を、医療職は体を見ています。話がかみ合わないことも珍しくありません。

そこで、両方の言葉が少し分かる人がいると、話がスムーズに進みます。福祉住環境コーディネーターは、まさにその「通訳役」です。

具体的には、こんな場面で力を発揮します。

  • 退院前のカンファレンス(関係者の話し合い)で、家の改修案を出す
  • ケアマネと一緒に、住宅改修の書類づくりを手伝う
  • 家族に「なぜこの工事が必要か」をやさしく説明する

介護職としてこの知識があると、「この人は住まいのことまで見てくれる」と、利用者さんや家族からの信頼が深まります。ケアマネや相談員を目指す人にとっても、強みのひとつになります。

似ている役割とのちがい(福祉用具専門相談員・ケアマネ)

「福祉用具専門相談員やケアマネと、何が違うの?」と迷う方も多いです。かんたんに整理しておきます。

福祉用具専門相談員は、車いすやベッドなどの福祉用具を、利用者さんに合わせて選ぶ専門職です。福祉用具のレンタルや販売の事業所で働くために必要な資格です。

ケアマネは、利用者さんの介護全体の計画(ケアプラン)を立てる専門職です。住まいのことも含めて、暮らし全体を見わたす役割です。

これに対して福祉住環境コーディネーターは、「住まいそのもの」を深く見る知識に強みがあります。役割の重なりを表にまとめました。

資格・職種主に見るところ立ち位置
福祉住環境コーディネーター住まいの工夫・改修住まいの提案・橋渡し
福祉用具専門相談員福祉用具の選定道具のプロ
ケアマネ介護全体の計画暮らしの司令塔

大切なのは、どれか1つだけが正解ではない、ということです。これらを組み合わせて持つと、住まいから暮らし全体まで、一貫して支えられるようになります。

たとえば、福祉用具専門相談員として道具にくわしい人が、この資格で住まいの知識を足す。すると「道具と部屋の両方から、いちばん安全な形」を提案できます。組み合わせで強みが増えるのが、この資格の面白いところです。

現場のリアル:資格は「掛け算」で活きる

福祉住環境コーディネーターは、それ単体で仕事が決まる資格ではありません。介護福祉士やケアマネ、福祉用具専門相談員などと「掛け算」で活きるのが特徴です。

介護の仕事はいま、働き手が足りない状態が続いています。介護分野の有効求人倍率(働きたい人1人に対して何件の求人があるかの数字)は、全産業の平均より大きく高い水準です。つまり、資格や知識で自分の強みを増やすほど、選ばれる側から選ぶ側に回りやすくなります。

モデルケース:特養(長く住む介護施設)で働くBさんは、利用者さんの自宅退所を担当することになりました。福祉住環境コーディネーターで学んだ知識をもとに、玄関の手すりの位置を提案。ケアマネや建築士との打ち合わせでも話がかみ合い、「相談してよかった」と家族から感謝されました。

このように、資格そのものより「学んだ知識を現場でどう使うか」が大切です。数字の面(合格率や費用)にとらわれすぎず、自分の仕事にどう役立つかで考えてみてください。

これからの介護と住まいの支え

日本では、高齢の人が増えていく社会が続きます。できるだけ長く、住み慣れた自宅で暮らしたいと願う人も増えています。

国も、施設だけでなく「自宅で暮らし続ける」ことを支える方向を進めています。そのためには、住まいを安全に整える知識がますます大切になります。

福祉住環境コーディネーターで学ぶ内容は、この流れとぴったり重なります。すぐに給料へ直結するタイプの資格ではありませんが、これからの介護に長く役立つ土台になります。

たとえば、地域包括支援センター(地域の高齢者を支える相談窓口)があります。リフォーム会社や福祉用具の会社もそうです。活かせる場は、少しずつ広がっています。

介護の現場から一歩、視野を広げたい人にとって、良いきっかけになる資格です。「体のケア」と「住まいのケア」の両方ができる人は、これからますます頼りにされます。

福祉住環境コーディネーターの取り方

ここからは、受けてみたい人のための手順です。難しく考えず、次の順番で進めれば大丈夫です。

1. 公式サイトで最新情報を確認する:東京商工会議所の検定サイトで、級・日程・受験料・申込方法を調べます。ここがいちばん確実です

2. 受ける級を決める:仕事に活かすなら、まず2級が定番です。基礎から固めたいなら3級から始めます

3. 公式テキストと問題集を用意する:主催団体が出している教材が基本です。独学でも十分に取り組めます

4. 申し込む:申込期間は、年に決まった時期があります。締め切りに注意してください

5. 勉強して受験する:試験の方式(会場かオンラインかなど)は年度で変わることがあります。最新の案内に従いましょう

勉強のコツは、暗記だけにしないことです。「この人のこの困りごとに、どう応えるか」と、現場を思い浮かべながら読むと頭に入りやすくなります。介護の経験がある人は、その経験がそのまま強い味方になります。

働きながら取る人がほとんどです。通信講座やスクールの講座を使う方法もあります。自分に合った資格の選び方や取り方は、介護資格の取り方|未経験からの進め方もあわせて参考にしてください。

なお、受験料や合格に必要な勉強時間は、人や年度によって幅があります。「これくらい」と断定できる数字は、公式情報でその都度たしかめるのがいちばん安全です。

福祉住環境コーディネーターが向いている人

どんな人にこの資格が向いているかをまとめます。あてはまるものが多いほど、学ぶ価値が大きい資格です。

  • 利用者さんの「家での暮らし」まで気にかけたい人
  • 住宅改修や福祉用具の相談を受けることがある人
  • ケアマネや生活相談員など、相談の仕事を目指したい人
  • 訪問系のサービス(訪問介護など)で働いている人
  • 家族の介護で、自宅のバリアフリーを考えている人

とくに、訪問の現場で働く人には相性のよい資格です。利用者さんの家に上がる仕事だからこそ、「ここに手すりがあれば」と気づく場面が多いからです。

反対に、「今すぐ給料を上げたい」という目的だけなら、この資格単体では効果が見えにくいかもしれません。その場合は、まず給料や役職に直結しやすい資格から考えるのも一つの手です。

大事なのは、目的に合わせて選ぶことです。「住まいから利用者さんを支えたい」という気持ちがあるなら、学んで損のない資格だといえます。

よくある質問

まとめ:住まいから利用者さんの暮らしを支える

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 福祉住環境コーディネーターは、東京商工会議所の民間検定(国家資格ではない)
  • 3級・2級・1級があり、仕事に活かすならまず2級が定番
  • 学ぶのは住宅改修・福祉用具・バリアフリー・制度の4つ
  • 介護・建築・医療をつなぐ橋渡し役として現場で活きる
  • 級・費用・合格率は年度で変わるので、公式情報で最新を確認

住まいを整えることは、その人がその人らしく暮らし続けることに直結します。体のケアだけでなく「住まい」まで見られるようになると、介護の仕事はもっと奥深く、やりがいのあるものになります。

まずは公式サイトをのぞいて、どんな内容か確かめるところから始めてみてください。

福祉住環境コーディネーターは国家資格ですか?

いいえ、国家資格ではありません。東京商工会議所という民間の団体が行う民間検定です。国家資格ではありませんが、住まいの提案を学べる資格として、介護や福祉、建築の現場で広く知られています。

3級と2級、どちらから受ければいいですか?

仕事に活かしたいなら2級が定番です。介護の現場で使える知識がまとまっているからです。制度や用語をはじめて学ぶ人や、基礎から固めたい人は3級から始めても構いません。いきなり2級を受ける人もいます。

受験資格や費用、合格率はどのくらいですか?

級ごとに異なり、年度によっても変わります。この記事ではあえて数字を断定していません。正確な受験資格・受験料・合格率は、東京商工会議所の公式サイトで最新の情報を確認してください。

介護の仕事に本当に役立ちますか?

住宅改修や福祉用具の相談が多い職場では、とくに役立ちます。ケアマネや相談員、福祉用具専門相談員を目指す人にとっても、強みのひとつになります。ただし、この資格だけで転職が決まるというより、他の資格や経験と組み合わせて活きるタイプの資格です。

働きながらでも取れますか?

はい、働きながら取る人がほとんどです。公式テキストでの独学のほか、通信講座やスクールの講座を使う方法もあります。自分の生活リズムに合わせて、無理のない範囲で進めてください。

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