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精神保健福祉士の年収は約404万円|勤務先別・介護福祉士との比較

「精神保健福祉士の年収って、実際どのくらいなんだろう」——介護の現場で次のステップを考えるとき、いちばん気になるのはお金の話ではないでしょうか。

精神保健福祉士の平均年収は約404万円です(令和元年の額面)。社会福祉振興・試験センターの調査では、勤務先や役職によって300万円台前半から500万円台まで幅がありました。この記事では、公的な調査をもとに、勤務先別・年代別の年収を整理します。あわせて、介護福祉士との比べ方と、介護職から目指すときの注意点も取り上げます。

読み終えるころには、資格を取る価値があるかを、自分の状況に合わせて判断できるはずです。

悩む介護士

精神保健福祉士って、年収は介護福祉士より高いの?資格を取る価値はあるのかな…

ケアワーカーハブ編集部

公的な調査の数字で、勤務先別・年代別に整理します。判断のポイントもお伝えしますね。

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目次

精神保健福祉士の平均年収は約404万円

令和元年(2019年)の精神保健福祉士の平均年収は404万円で、男女で約86万円の差があります。年代別と資格手当まで見ると、自分の立ち位置がつかめます。

全体と男女別の平均年収

男性は463万円、女性は377万円で、男女の差は86万円です。社会福祉振興・試験センターは、令和2年(2020年)11〜12月に調査対象の67,564人へ調査票を送り、35,577人から回答を得ました。

福祉・介護・医療の分野で働く人は26,744人です。このうち年収を答えた人の平均が、令和元年(2019年)で404万円でした(令和2年度 就労状況調査結果(速報版))。金額は税や社会保険料を引く前の額面で、賞与と諸手当を含みます。手取りではありません。1年間働き通していない人は、年収を記入しない決まりでした。

区分対象人数平均年収
全体26,744人404万円
男性8,040人463万円
女性18,686人377万円

表の人数は、年収の集計の対象になった、福祉・介護・医療の分野で働く人の数です(年収を答えなかった人を含みます)。回答者の約7割は女性なので、同じ年代どうしの差は、次の年代別で確認できます。

年代別に見る年収の伸び

年収は年齢とともに上がり、男女とも50代がピークです。この調査では、男女を合わせた年代別の平均は公表されていないため、男女別に並べます。

年代男性女性
20代325万円311万円
30代420万円351万円
40代492万円399万円
50代541万円451万円
60代以上407万円321万円

20代のうちは男女とも300万円台前半で、差は14万円です。差が開くのは30代以降で、50代では90万円になります。たとえば30代の女性なら、平均は351万円です。いまの年収がこれを大きく下回るなら、見直しの目安になります。

資格手当がある人は3人に1人

精神保健福祉士の資格手当が「ある」と答えた人は34.8%で、平均は月12,227円でした。たとえば月12,227円なら、12か月分で約14.7万円になります。年収の差に直結する金額です。

「ない」と答えた人は64.0%でした。手当のない職場も多いので、応募先で有無を確かめておくと安心です。

勤務先・職種・勤務年数で変わる年収

年収は、勤務先の分野で約206万円、表に載せた職種で約224万円開きます。いまの職場での勤務年数が長い人ほど高い傾向も出ています。

勤務先の分野別の平均年収

令和元年の分野別の平均年収は、司法関係の521万円がもっとも高く、学校教育関係の315万円が最も低い結果でした。差は206万円。ただし、この2つは対象が少なく、学校教育関係は294人、司法関係は128人の平均にすぎません。

勤務先の分野平均年収
司法関係521万円
行政機関485万円
生活保護関係455万円
地域福祉関係431万円
児童・母子福祉関係416万円
医療関係396万円
高齢者福祉関係394万円
障害者福祉関係386万円
就業支援関係384万円
生活困窮者自立支援関係351万円
学校教育関係315万円

年収の集計に入っているのは、福祉・介護・医療の分野で働く26,744人だけです。人数が多いのは、障害者福祉関係の27.8%、医療関係の26.5%、高齢者福祉関係の17.2%となっています。数値の出典は、試験センターの令和2年度調査の確定版報告書(精神保健福祉士編)86〜87ページと90ページです。

介護に近い職場の平均年収は、次のとおりでした。カッコ内は人数で、年収を答えなかった人も含む数です。

  • 介護老人福祉施設(927人): 420万円
  • 介護老人保健施設(397人): 391万円
  • 地域包括支援センター(1,121人): 398万円
  • 精神科病院(3,988人): 384万円

人数の少ない施設ほど、数値は大きくぶれやすくなります。

職種と雇用形態による違い

令和元年の職種別では、施設長や相談部門の長が500万円台、現場の相談員や支援員は300万円台と、役職で大きく分かれます。表は主な職種の抜粋です。

職種平均年収
施設長・事務所管理者524万円
主任・相談部門の長502万円
医療ソーシャルワーカー401万円
地域包括支援センターの社会福祉士388万円
精神保健福祉相談員378万円
障害者相談支援専門員373万円
ケアマネジャー(介護支援専門員)365万円
精神科医療機関の精神保健福祉士356万円
相談員345万円
支援員321万円
介護職員(ホームヘルパー含む)300万円

雇用形態の差も大きく、全体平均の404万円を上回る人は、正規職員で約49%、契約職員で約12%、パートタイム職員で約4%でした。精神保健福祉士として働く人の80.6%は正規職員です。

いまの職場での勤務年数別の年収

令和元年の年収は、いまの職場での勤務年数が長い人ほど高くなっています。1年以上3年未満では300万円台前半でも、20年以上になると500万円を超えます。1年未満の人は、集計に入っていません。

勤務年数高齢者福祉関係医療関係
1年以上3年未満317万円316万円
3年以上5年未満327万円339万円
5年以上10年未満368万円380万円
10年以上15年未満417万円419万円
15年以上20年未満465万円469万円
20年以上30年未満506万円505万円
30年以上537万円556万円

この平均は、同じ職場で長く働く人の数字で、転職後の年収を示すものではありません。転職するときは、これまでの経験がどう評価されるかを、求人票や面接で確認しておきましょう。

介護福祉士・社会福祉士と比べた年収

同じ調査で比べると、精神保健福祉士は社会福祉士とほぼ同水準で、介護福祉士より約110万円高い結果です。ただし、この差は働き方の構成の違いで、資格そのものの価値の差とは言えません。

同じ調査で3つの資格を比べる

精神保健福祉士は404万円、社会福祉士は403万円、介護福祉士は292万円です。同じ調査・同じ年(令和元年)の額面年収で並べました。

資格平均年収資格手当がある人の割合手当の平均額(月)
精神保健福祉士404万円34.8%12,227円
社会福祉士403万円37.4%10,827円
介護福祉士292万円62.9%9,055円

精神保健福祉士と社会福祉士は1万円しか違いません。社会福祉士の年収は、社会福祉士の年収の記事で職場別に整理しています。

介護福祉士との差は、働き方の構成の違いによるものです。介護福祉士は、訪問介護員などの介護の仕事に就く人が53.2%です。パート勤務は23.9%、正規職員は65.4%でした。精神保健福祉士は、正規職員が80.6%で、パート勤務は9.5%です(令和2年度 就労状況調査結果(速報版))。

月給ベースの別の調査で見る介護の現場

月給の調査は、年収と直接は比べられません。介護の現場で見ると、介護福祉士の資格をもつ介護職員は、資格なしの職員より月約6万円高い結果でした。勤続年数の差も含む数字です。

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査は、令和6年10月に行われ、令和6年9月分の給与を集計しました。対象は、処遇改善加算を取得した事業所の常勤の職員で、有効回答は8,180施設・事業所です(調査結果のページ)。

令和5年9月と6年9月の両方に在籍した人が対象で、介護福祉士の資格をもつ介護職員の平均給与は月350,050円でした。

この月額は、基本給に手当と一時金を加えたもので、深夜・休日などの手当を含みます。保有資格なしの介護職員は月290,620円で、差は月59,430円でした。ただし、平均勤続年数は保有資格なしが5.8年、介護福祉士が10.4年と違います。

社会福祉士との併有は約6割

試験センターの令和2年度調査では、精神保健福祉士の資格をもつ人の60.9%が、社会福祉士の資格も持っていました。回答者は35,577人です。上の比較表の2つの年収は、重なった集団どうしの数字です。

両方取る人が多いので、進みたい分野に合わせて、取る順序を決めてください。資格の中身は社会福祉士とはや精神保健福祉士になるにはの記事で解説しています。

介護職から目指すときに知っておきたいこと

介護の仕事の経験は、精神保健福祉士の受験に必要な実務経験には、数えにくいのが実情です。目指すなら、養成施設か大学で学ぶルートが基本になります。

介護の経験は実務経験に数えにくい

試験センターの案内では、実務経験として認められるのは、精神障害のある人への相談援助の業務です。年間の業務時間の概ね5割以上をこの業務に使い、常勤で働くことが条件です(常勤の職員のおおむね4分の3以上働く人を含みます)。「病棟における食事の介助や入浴の介助等の看護業務」は、認められないと明記されています(試験センター「相談援助業務(実務経験)」)。

対象施設の一覧にも、特別養護老人ホームなどの介護施設は載っていません。介護保険法の施設で載っているのは、地域包括支援センターだけです。自分の職場と業務が対象かは、試験センターへ事前に確認してください。

受験資格のルートと費用の目安

第29回(令和9年2月6日・7日)の受験資格は、大きく4つのルートです。養成施設への入学の条件は、学歴と相談援助の実務経験で決まります(第29回の試験概要)。

ルート内容
大学4年制大学で指定科目を修めて卒業する
短大等+実務短期大学等で指定科目を修め、指定施設で1〜2年の相談援助業務に就く
短期養成施設6か月以上の課程を修了する(福祉系大学等で基礎科目を学んだ人や社会福祉士などが対象)
一般養成施設1年以上の課程を修了する(学歴や相談援助の実務経験が入学の条件)

受験手数料は、精神保健福祉士のみの受験で28,910円です。養成施設の学費は施設ごとに違い、公的な統一の数字はありません。募集要項では、学費・期間・実習の有無・入学の条件を見ておきます。

取る価値があるかの判断の目安

年収だけを理由に資格を選ぶと、期待外れになることがあります。同じ調査でも、職種や雇用形態の構成が違い、単純には比べられないからです。目的を整理してから決めると、遠回りを避けられます。

あなたの目的合う選択肢
精神科医療や障害福祉の相談職に移りたい精神保健福祉士
認知症ケアの知識を深めたい認知症介護実践者研修
介護の現場で給料を上げたい介護福祉士(保有資格なしとの月給差は約6万円。勤続年数の差を含む別調査)

精神保健福祉士を取ったあとの収入の増え方は、公的な調査にありません。応募したい求人の年収と、いまの年収の差を使って、次のように試算します。

  • 取り戻せる額: (取得後の想定年収 − いまの年収)× 働く年数
  • かかる額: 学費 + 受験手数料 + 通学中に減る収入

たとえば、いまの年収が320万円、応募先の想定年収が380万円(仮の数字です)なら、差は年60万円です。かかる額を60万円で割ると、取り戻すまでの年数の目安になります。

求人票で年収を確認するチェックリスト

平均の数字より大切なのは、応募する職場の条件です。次の6項目を確認すると、年収の中身を見落としません。

確認すること聞き方の例この記事の目安
年収の内訳基本給・手当・賞与は、それぞれいくらですか調査の年収は賞与・諸手当を含む額面
雇用形態正規職員の募集ですか平均を上回る人は、正規で約49%、パートで約4%
資格手当精神保健福祉士の手当は、月いくらですかある人の平均は月12,227円
役職主任や相談部門の長には、何年目ごろからなれますか主任・相談部門の長は502万円
経験の評価前の職場での勤務年数は、給与に反映されますかいまの職場で10〜15年なら、高齢者福祉で417万円
勤務先の分野同じ分野の平均と比べて、高いですか医療396万円、高齢者福祉394万円、障害者福祉386万円

求人票に書かれていない項目は、面接で聞いてかまいません。たとえば手当の項目は、資格手当がないと答えた人が3人に2人ほどいる項目です。

よくある質問

まとめ

精神保健福祉士の平均年収は、令和元年の調査で約404万円でした。勤務先の分野や職種、いまの職場での勤務年数によって、300万円台から500万円台まで幅があります。介護福祉士との差は、働き方の構成の違いが大きく、単純には比べられません。年収だけで資格を選ばず、移りたい分野があるかで判断してください。まずは、気になる勤務先の求人票で、資格手当と役職の有無を確かめてみましょう。

精神保健福祉士の年収は、社会福祉士より高いですか?

ほぼ同じ水準です。同じ調査(令和元年の年収)で、精神保健福祉士は404万円、社会福祉士は403万円でした。

もっと新しい年収の調査はありますか?

試験センターの就労状況調査で公表されている最新は、令和2年度の調査です。2026年9月21日時点の結果一覧ページには、これより新しい調査は載っていません。

手取りはいくらになりますか?

調査の年収は、税や社会保険料を引く前の額面です。手取りは家族構成や住む地域で変わるため、調査に手取りの数字はありません。給与明細の控除額で確かめてください。

精神保健福祉士の試験には、今から申し込めますか?

第29回(令和9年2月実施)の受験申込みは、令和8年9月3日から10月2日までです。ただし受験には、養成施設や大学の卒業(見込み)などの資格が必要です(受験資格のルート)。介護職から目指す場合は、実務経験の範囲をまず確認しましょう。

介護の求人を探している方へ

常勤・非常勤・派遣など、希望する働き方に合う求人を確認できます。募集状況や紹介条件は地域・経験によって異なります。

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