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「介護職を辞めてよかった」は本当?よくある5つのその後と後悔の分岐点

# 「介護職を辞めてよかった」は本当?よくある5つのその後と後悔の分岐点

「辞めたい気持ちは、もう固まりつつある。あとは、誰かの『辞めてよかった』という声に背中を押してほしい」——。そんな思いで検索して、このページを開いた方も多いと思います。

その気持ちに、きちんと応えたいと思います。ただし、この記事は「辞めれば全部解決します」とは言いません。「辞めてよかった」人がいる一方で、後悔した人もいるのが本当のところだからです。

この記事では、「辞めてよかった」と語られる5つのパターンを紹介します。あわせて、後悔しやすい3つのパターンと、両者を分けた分岐点も解説します。読み終わるころには、あなたが「よかった組」に入るための準備リストが手に入るはずです。

悩む介護士

「辞めてよかった」って本当?私も踏み出していいのかな。

ケアワーカーハブ編集部

「よかった」と感じる人には共通点があります。後悔する人との分かれ道もふくめて、正直にお話しします。

目次

結論:「辞めてよかった」人には、共通点がある

最初に、この記事の結論をお伝えします。

「介護職を辞めてよかった」という声は、実際に多く見られます。 ただしそれは、「辞めた人がみんな幸せになった」という意味ではありません。同じ「辞める」でも、よかった組と後悔組に分かれるのが現実です。

要点は次の3つです。

  • 「辞めてよかった」の中身は、給料・体・心・時間・家族の5つに整理できる
  • 一方で、勢いで辞めた人を中心に、後悔の声もある
  • 分かれ目は「辞めた理由の解像度」と「次の選び方」。どちらも、今から整えられる

「解像度」とは、ぼんやりした不満をどれだけ具体的な言葉にできているか、という度合いのことです。たとえば「なんとなくつらい」ではなく、「夜勤の回数が多くて眠れない」と言えるかどうか。この差が、辞めたあとの満足度を左右します。

根拠もお伝えします。介護労働安定センターの「介護労働実態調査」を見てみましょう。離職理由の上位には、「職場の人間関係」が入っています。

「法人・施設の理念や運営のあり方への不満」も上位の常連です。(出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査」

つまり、介護の仕事そのものより、「その職場」への不満で辞める人が多いのです。職場が理由なら、職場を変えれば解決する可能性があります。これが、「辞めてよかった」という声が生まれる基本の仕組みです。

はじめに:この記事の「体験談」の扱いについて

当メディアには、監修者(内容をチェックする専門家)がいません。だからこそ、事実の扱いには人一倍慎重でありたいと考えています。

この記事の「よくあるケース」は、次の3つの材料だけで組み立てています。

  • 介護労働安定センターや厚生労働省の公的データからの逆算
  • データをもとに編集部が作ったモデルケース(実在の人物ではありません)
  • SNSや口コミでよく見られる声の傾向(特定の投稿の引用や創作はしません)

「本物の体験談のように見せた創作」は載せません。この前提で、安心して読み進めてください。

「辞めてよかった」と語られる5つのパターン

ここからは、「辞めてよかった」の中身を5つに分けて見ていきます。各パターンに、よくあるモデルケースを添えました。自分の不満とどれが重なるか、照らし合わせてみてください。

パターン①:給料への納得感が変わった

介護労働安定センターの調査では、働くうえでの不満として「仕事内容のわりに賃金が低い」が最も多く挙げられています。まず、この賃金の悩みが解消されるパターンです。

数字でも見てみましょう。厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員の平均給与は月およそ33.8万円です(2026年時点)。手当やボーナス分を含む「額面」(税金などが引かれる前の金額)での数字です。

これは、全産業の平均より月6〜7万円ほど低い水準です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」

月6万円の差は、1年で72万円になります。たとえば家賃6万円の部屋なら、1年分の家賃に相当する差です。異業種へ移ると、この「業界ごとの給与水準の差」ごと変わる可能性があります。

よくあるモデルケース(Aさん・28歳)

  • 特養(長く住むタイプの介護施設)で4年働いたが、昇給の幅に将来が見えなかった
  • 住宅関連の営業職へ転職。がんばりが給料に反映される体系に変わった
  • 「同じだけ働いているのに」というモヤモヤが消えた、という典型例です

ただし、正直な注意点もあります。未経験の異業種では、最初の給料が今より下がる場合もあります。「数年後に上がりやすいか」という時間軸で判断するのが現実的です。

パターン②:体が楽になった(夜勤と腰痛からの解放)

夜勤のある生活は、体への負担が大きい働き方です。生活リズムが乱れ、疲れが抜けにくくなります。移乗介助(ベッドと車いすの間の移動を支える介助)による腰痛も、介護職に多い悩みです。

日勤だけの仕事に移ると、この2つの負担がまとめて軽くなります。SNSでは、「辞めてから体調が戻った」「夜に眠れるようになった」という趣旨の声がよく見られます。

よくあるモデルケース(Bさん・32歳)

  • 老健(家に帰る前にリハビリをする施設)で、夜勤のあるシフト勤務
  • 慢性的な腰痛と、眠りの浅い生活が続いていた
  • 日勤のみの倉庫管理へ転職。「毎日ぐっすり眠れる」だけで満足度が大きく変わった典型例です

パターン③:心が軽くなった(人間関係のリセット)

「介護労働実態調査」で、離職理由の上位に入るのが「職場の人間関係」です。ここには大事なヒントがあります。人間関係の悩みは「介護という仕事」ではなく、「その職場のメンバー」の問題だということです。

メンバーが変われば、悩みごと消えることがあります。だから人間関係が理由で辞めた人は、「辞めてよかった」と感じやすいグループだと考えられます。

よくあるモデルケース(Cさん・26歳)

  • グループホーム(認知症の方が少人数で暮らす施設)で勤務
  • 少人数の固定メンバーの中で、特定の先輩との関係に悩み続けた
  • 社員数の多い会社の事務職へ転職。「合わない人と距離を取れる」環境に変わった典型例です

パターン④:時間の自由が増えた(シフトからカレンダーへ)

シフト勤務では、土日や連休の予定が立てにくくなります。希望休を出すのに気をつかう職場も少なくありません。友人と予定が合わず、だんだん疎遠になる寂しさもあります。

土日休みの仕事に移ると、「先の予定を入れられる」生活に変わります。小さなことに見えて、暮らしの満足度への影響は大きい部分です。

よくあるモデルケース(Dさん・34歳)

  • 有料老人ホームで、早番・遅番・夜勤の混ざったシフト勤務
  • 平日日勤の製造業(品質チェックの仕事)へ転職
  • 「日曜の夜がゆううつ」という感覚から解放された、とよく語られるタイプの変化です

パターン⑤:家族との時間が増えた

夜勤や土日勤務は、家族と生活リズムがずれやすい働き方です。子どもの行事に出られない、夕食を一緒に食べられない、という悩みにつながります。

よくあるモデルケース(Eさん・38歳)

  • 特養で勤務。夜勤の日は、子どもと顔を合わせられなかった
  • 福祉用具(介護用ベッドや車いすなどの道具)を扱う会社の事務へ転職
  • 介護の知識がそのまま活き、毎日家族と夕食をとれるようになった「隣の業界」型の典型例です

5つのパターンを表で整理

パターン何が変わるかこんな不満の人に多い
① 給料業界ごとの給与水準の差ごと変わる賃金への不満が最大
② 体夜勤・腰痛の負担が軽くなる体調が崩れかけている
③ 心人間関係がリセットされる特定の相手に悩んでいる
④ 時間土日休み・予定の立つ生活になるシフトに疲れている
⑤ 家族生活リズムが家族とそろう家庭との両立がつらい

「辞めて後悔した」3つのパターンも、正直に紹介します

ここからは、目をそらしたくなる側の話です。ただ、後悔のパターンを先に知っておくことが、いちばんの後悔予防になります。

後悔①:勢いで辞めて、収入が途切れた

「もう限界」と、次を決めずに退職したケースです。収入が途切れると、貯金が減る焦りが生まれます。焦ると、条件をよく確かめずに次の職場を決めがちです。その結果、前より条件の悪い職場に移ってしまうことがあります。

たとえば、貯金が生活費1か月分しかない状態で辞めたとします。1か月以内に決めなければならず、「選ぶ転職」ではなく「拾ってもらう転職」になります。

後悔②:辞めてから、介護のやりがいの大きさに気づいた

利用者さんから直接「ありがとう」と言われる仕事は、世の中に多くありません。事務や工場の仕事に移ってから、「人と関わる実感」が恋しくなる人もいます。SNSでも、そうした趣旨の声は一定数見られます。

ただし、これは取り返しのつく後悔です。介護の有効求人倍率(働きたい人1人に対して求人が何件あるかの数字)は高い水準にあります。(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」)

人手を求める職場は常に多く、資格と経験は消えません。「戻る道がある」と知っているだけで、挑戦は怖くなくなります。

後悔③:転職先にも、同じ問題が待っていた

「人間関係がつらい」とだけ考えて辞めた場合に、起きやすいパターンです。人間関係の悩みには、2種類あります。「その職場が特別に合わなかった」場合と、「どの職場でも起きうるすれ違い」の場合です。

この切り分けをせずに職場を変えると、次の職場でも同じ悩みが再生されることがあります。「誰との」「どんな場面の」問題だったのか。辞める前にそこまで言葉にしておくことが、いちばんの予防策です。

よかった組と後悔組を分けた、3つの分岐点

ここまでの内容を、3つの分岐点に整理します。

分岐点よかった組に多い行動後悔組に多い行動
① 理由の解像度不満を具体的な言葉で書き出した「もう無理」で思考が止まった
② 辞める順番次を決めてから退職した退職してから探し始めた
③ お金の備え生活費数か月分を確保していた備えのないまま辞めた

※この表は統計ではありません。公的データと、よく見られる声の傾向をもとにした編集部の整理です。

分岐点①:辞めた理由を、具体的な言葉にできていたか

理由の解像度が高いと、不満を「次の職場の条件」に変換できます。たとえば「人間関係がつらい」で止めず、「少人数で閉じた人間関係が苦手」まで掘り下げたとします。すると、「ある程度人数の多い職場を選ぶ」という条件が手に入ります。

条件がはっきりすれば、求人選びも面接での質問も変わります。解像度は、そのまま転職の精度になるのです。

分岐点②:次を決めてから辞めたか

在職中に転職活動を進めるのが基本です。収入が途切れないので、焦らずに比較できます。内定をもらってから退職を伝える順番なら、無収入の期間も生まれません。

ただし、大事な例外があります。心や体がすでに限界なら、次を決めるより先に離れてください。健康より大事な内定はありません。

分岐点③:生活費の備えがあったか

編集部としては、生活費3か月分を目安にすることをおすすめします。たとえば1か月の生活費が18万円なら、目安は54万円です。備えがあるだけで、「焦って妥協する転職」を避けやすくなります。

あなたはどっち?辞める前チェックリスト10問

今のあなたが「よかった組」にどれだけ近いか、10問で確かめてみましょう。「はい」の数を数えてください。

1. 辞めたい理由を、具体的な言葉で3つ以上書き出せる

2. その理由が「今の職場」の問題か、「介護の仕事そのもの」の問題か区別できている

3. 異動の相談など、今の職場でできる手は試した(または試せない事情がはっきりしている)

4. 次の仕事に求める条件に、優先順位をつけられる

5. 転職先の候補になる業界や職種を、2つ以上イメージできている

6. 生活費3か月分の蓄えがある(または在職中に転職活動をする予定だ)

7. 家族やパートナーがいる場合、辞めたい気持ちを話せている

8. 「介護に残る・いつか戻る」という選択肢も、検討したうえで辞めたい

9. 辞めたい気持ちが、3か月以上続いている

10. 心身の不調は、まだ限界までは来ていない

「はい」の数の目安

  • 8〜10個: 準備はかなり整っています。次の章の「選び方」に進みましょう
  • 4〜7個: 方向性は悪くありません。「いいえ」の項目から埋めていきましょう
  • 0〜3個: 今辞めると後悔パターンに近づきます。まず理由の言語化からです

※10問目だけ「いいえ」だった方へ。その場合は、準備よりも心身を守ることが最優先です。受診や休職も含めて、まず自分を守る選択をしてください。

「辞めてよかった」に近づく、辞め方と次の選び方

最後に、「よかった組」に入る確率を上げる4つのステップです。

ステップ1:不満を「次の条件」に翻訳する

紙でもスマホのメモでもかまいません。不満を全部書き出し、1つずつ裏返して条件に変えます。たとえば「夜勤がつらい」なら「日勤のみの仕事」。「休みが読めない」なら「土日祝休み」。この条件リストが、転職活動の地図になります。

ステップ2:在職中に、転職のプロを味方につける

働きながらの転職活動は、時間との勝負です。転職エージェント(求人紹介から面接対策まで無料で手伝ってくれるサービス)を使うと、求人探しを任せられます。

「介護しか知らない」ことは、恥ずかしいことではありません。異業種の給与相場や求人の見方こそ、プロに聞くのが近道です。

ステップ3:介護経験を「強み」の言葉に変換する

介護で身についた力は、異業種でも通用します。たとえば、相手の小さな変化に気づく観察力。看護師やケアマネジャー(介護の計画を立てる専門職)と連携してきた調整力。ご家族への説明で鍛えた、わかりやすく伝える力。

これらは営業・事務・接客で、そのまま強みになります。自己PRへの落とし込み方は、別記事でくわしく解説しています。(介護職から転職する人の強み10選

ステップ4:円満退職の段取りを整える

退職を伝える時期、引き継ぎ、有休の使い方には段取りがあります。辞め方で職場ともめると、気持ちよく次へ進めません。転職先の探し方も含めた全体の流れは、ガイド記事にまとめています。(介護職からの転職おすすめ異業種10選

よくある質問

まとめ:「辞めてよかった」は、準備した人がたどり着く場所

最後に、要点をまとめます。

  • 「辞めてよかった」の中身は、給料・体・心・時間・家族の5つ
  • 後悔パターンは、勢い退職・やりがいの再認識・同じ問題の再発の3つ
  • 分かれ目は、理由の解像度・辞める順番・お金の備え。すべて今から整えられる
  • 介護は戻れる業界。だから外への挑戦は、取り返しのつく選択

「辞めてよかった」は、運のいい人だけの言葉ではありません。理由を言葉にして、順番を守って動いた人が、あとからそう振り返っているだけです。同じ手順を踏めば、あなたもそこに近づけます。

まずは今夜、辞めたい理由を3つ、書き出すところから始めてみてください。

ネットの「辞めてよかった」という声は、どこまで信じていいですか?

参考にはなりますが、偏りがある前提で読んでください。うまくいった人ほど発信しやすく、後悔した人は黙りがちだからです。他人の声は材料にとどめましょう。この記事のチェックリストで、自分の状況を整理するほうが確実です。

「辞めてよかった」と思える転職先は、どう選べばいいですか?

辞めたい理由の「裏返し」を条件にするのが基本です。たとえば夜勤がつらいなら日勤のみ、人間関係が理由なら職場の人数や雰囲気を重視します。選び方の全体像は、介護職からの転職ガイドで解説しています。(介護職からの転職おすすめ異業種10選

一度介護を離れて、あとから戻ることはできますか?

できます。介護は有効求人倍率が高く、人手を求める職場が常に多い業界です。資格と経験は消えません。「いつでも戻れる」と知っておくと、外の世界に挑戦する怖さはぐっと小さくなります。

辞めたい気持ちはあるのに、罪悪感が消えません。

利用者さんや同僚を思っての罪悪感は、あなたが誠実に働いてきた証拠です。ただ、あなたの人生の責任は、職場ではなくあなた自身が持っています。気持ちの整理から始めたい方は、「介護職を辞めたい」の記事も参考にしてください。(介護職を辞めたいあなたへ

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