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介護夜勤の記録の書き方と例文20選|巡視・排泄・不穏時までそのまま使える

# 介護夜勤の記録の書き方と例文20選|巡視・排泄・不穏時までそのまま使える

深夜の巡視を終えて、記録の画面の前で手が止まる。やっと書いた記録は、先輩に「これじゃ様子がわからない」と直された——。そんな夜を過ごしていませんか。

夜勤の記録は毎回必ず書く仕事なのに、書き方をきちんと教わる機会はほとんどありません。迷うのは、あなたのせいではないのです。

この記事では、夜勤の記録にそのまま使える例文20本を、巡視・排泄・不穏・転倒などの場面別に紹介します。NG表現の言い換え表と、記録を早く書くコツもまとめました。

読み終わるころには、記録の前で手が止まる時間が、ぐっと減っているはずです。なお、夜勤の仕事全体の流れは「介護の夜勤とは」(介護の夜勤とは)で解説しています。

悩む介護士

夜勤の記録、何を書けばいいか手が止まる…。先輩にダメ出しされた。

ケアワーカーハブ編集部

記録には“型”があります。そのまま使える例文20選で、もう迷わなくなりますよ。

目次

結論:夜勤記録は「見たまま・聞いたまま・したこと」を時刻とセットで

最初に結論をお伝えします。夜勤記録の原則は、たった1つです。

見たまま・聞いたまま・したことを、時刻とセットで書く。 これだけです。

  • 書くのは4つ: 見たこと・聞いたこと・したこと・その結果
  • すべての記録に時刻: 「深夜」ではなく「2:15」と数字で
  • 書かないのは主観と推測: 「機嫌が悪そう」「たぶん眠れていない」はNG

イメージは、カメラで撮った映像をそのまま文字に起こすことです。あなたの感想や解釈は、記録には入れません。

この原則に場面別の「型」を足せば、もう迷いません。まずは原則を5つに整理します。

夜勤記録の基本原則5つ

原則① 客観的な事実を書く——「様子」の中身を具体的に

記録に書けるのは、誰が読んでも同じ意味に受け取れる事実だけです。たとえば「不穏な様子」と書いても、読んだ人には何も伝わりません。

  • NG:「不穏な様子あり」
  • OK:「廊下を行き来し、『家に帰る』と3回話す」

目と耳でとらえた情報に絞って書きます。日中も含めた記録の基本は「介護記録の書き方」(介護記録の書き方 完全ガイドで解説予定です。

原則② 時刻を必ず入れる

夜勤の記録は時刻が命です。「未明」「明け方ごろ」ではなく、「3:10」と数字で書きます。24時間表記にすると、朝と夜の取り違えも防げます。

時刻が大事な理由は2つあります。

  • 体調変化の経過を、看護師や医師が判断する材料になる
  • 事故が起きたとき、「いつ、何をしたか」の証明になる

原則③ ケアの根拠と結果をセットにする

「したこと」だけの記録は半分です。「なぜしたか」と「どうなったか」を足しましょう。

たとえば「咳き込みが2回あったため、ベッドの頭側を上げる。その後むせ込みなし」。理由と効果が一度に伝わります。

書く順番はいつも同じ、「気づいた→した→どうなった」です。

原則④ 読む人を意識する——読者は日勤者だけではない

介護記録はあなたの日記ではなく、チームへの伝達手段です。読む人は意外と多いのです。

  • 日勤者・看護師・ケアマネ: 次のケアを判断する材料にする
  • 本人・家族: 開示を求められて見せる場面がある
  • 行政: 運営指導(自治体が施設の運営を確認する仕組み)でチェックされる

施設内だけで通じる略語や、印象を悪くする表現は避けます。「誰に読まれても説明できるか」が合格ラインです。

原則⑤ 「法的な記録」だという意識を持つ

介護記録は、介護保険法にもとづく運営基準で、作成と保存が義務づけられた公的な記録です(2026年度時点)。

保存期間は「完結の日(その記録のサービスが終わった日)から2年」が国の基準です。自治体の条例で5年と定めている地域もあります。

そして事故や裁判のとき、記録は「適切なケアをしていた」ことを示す証拠になります。逆に記録がなければ、「していない」と扱われてしまうことさえあります。

裏を返せば、きちんと書いた記録は、利用者さんとあなたと施設を守ってくれるということです。

【場面別】夜勤の記録にそのまま使える例文20選

ここからは、夜勤でよくある8場面・例文20本です(すべて架空の例)。名前の書き方や文体は、施設のルールに合わせて調整してください。

先に、記録でよく使う言葉の意味です。

記録でよく使う言葉意味
臥床(がしょう)ベッドに横になること
開眼・閉眼目を開けている・閉じている
仰臥位(ぎょうがい)あおむけの姿勢
側臥位(そくがい)横向きの姿勢。右側臥位=右半身が下
体動寝返りなど、体の動き
発赤(ほっせき)皮膚の赤み
摂取(せっしゅ)食べること・飲むこと

巡視の例文4本(異常なし・入眠中・覚醒・不在)

巡視とは、夜間に利用者さんの部屋を順番に回って、安全を確かめる仕事です。

例文1|定時巡視・変わったことがないとき

  • NG:「23:00 巡視。異常なし」
  • OK:「23:00 巡視。閉眼し、呼吸は規則的。体動なし。布団は肩まで掛かっている」

ポイント: 「異常なし」で終わらせず、何を見て大丈夫と判断したかを書きます。

例文2|眠っているとき

  • OK:「1:00 巡視。仰臥位で閉眼、寝息が規則的に聞こえる。表情は穏やか」

ポイント: 眠っているかは断定できないので、「閉眼・呼吸規則的」と見たままを書きます。

例文3|目を覚ましていたとき

  • OK:「2:00 巡視時、開眼しており『目が覚めた』と話す。トイレへ誘導し排尿少量。2:30 再訪室時は閉眼している」

ポイント: 覚醒→対応→その後どうなったか、までを1セットで書きます。

例文4|ベッドにいなかったとき

  • OK:「3:00 巡視時、ベッドに不在。トイレ内で排尿中を確認。終了後、ふらつきなく自力でベッドへ戻る」

ポイント: 「不在」で終わらせず、どこで何をしていたかと、安全確認の結果まで書きます。

排泄介助・オムツ交換の例文3本(量・性状の書き方)

排泄の記録は「量」と「性状(色やかたさなどの状態)」が主役です。量は「少量・中等量・多量」など、施設で統一された言葉を使います。

例文5|オムツ交換(尿)

  • NG:「1:00 オムツ交換済み」
  • OK:「1:00 オムツ交換。尿失禁多量、色は淡黄色。陰部洗浄しパッド交換。皮膚に発赤なし」

ポイント: 尿は量と色を書きます。皮膚の状態は、床ずれ予防に直結する情報です。

例文6|オムツ交換(便)

  • OK:「4:30 オムツ交換時、軟便中等量、茶褐色。臀部に発赤なし。陰部洗浄実施」

ポイント: 便は「量・かたさ・色」の3点セットで。臀部(でんぶ)=おしりのことです。

例文7|就寝前のトイレ誘導

  • OK:「22:00 就寝前のトイレ誘導。手引き歩行で移動し、排尿中等量。パッドを交換し臥床される」

ポイント: 移動の方法(手引き・車いすなど)も書くと、日中との違いに気づけます。

体位変換の例文2本

体位変換とは、床ずれを防ぐために、寝ている向きを定期的に変えるケアのことです。

例文8|向きを記録する

  • OK:「0:00 体位変換。仰臥位から右側臥位へ。背中と両ひざの間にクッションを入れる」

ポイント: 「どの向きから、どの向きへ」を書けば、次の人が正しく続けられます。

例文9|皮膚チェックとセットで

  • OK:「2:00 体位変換で左側臥位へ。仙骨部に発赤なし。かかとの下にクッションを入れて浮かせる」

ポイント: 仙骨部(おしり中央の骨のあたり)は床ずれの要注意部位。向きを変えるたびに皮膚も見て記録します。

ナースコール対応の例文2本

例文10|トイレ希望のコール

  • OK:「1:30 ナースコールあり訪室。『トイレに行きたい』とのこと。車いすで誘導し排尿多量。ふらつきなし」

ポイント: コールの内容(訴え)→対応→結果、の順で書きます。

例文11|コールが何度も続くとき

  • OK:「3:00〜3:40 ナースコール4回。いずれも『眠れない』との訴え。そのつど訪室し話を聞く。4回目に温かいお茶を提供し、4:10 閉眼を確認」

ポイント: 回数が多い夜は時間帯と回数をまとめ、訴えの言葉はそのまま残します。

不穏・帰宅願望・大声の例文3本(対応と経過の書き方)

不穏とは、そわそわして落ち着かない状態を指す業界用語です。ただし記録に「不穏」とは書きません。人によって思い浮かべる状態が違うからです。

例文12|帰宅願望(「家に帰りたい」という訴え)

  • NG:「23:30 帰宅願望あり、不穏」
  • OK:「23:30 廊下で『家に帰る。娘が待っている』と繰り返し話す。否定せずに話を聞き、温かいお茶を勧める。0:10 自室で臥床、0:30 閉眼を確認」

ポイント: 発言はカギカッコでそのまま書き、落ち着くまでの経過を時刻つきで残します。

例文13|大声が聞こえたとき

  • NG:「2:15 大声で騒ぐ」
  • OK:「2:15 居室から『おーい』と大きな声。訪室すると『トイレの場所がわからない』と話す。誘導後は声なく、2:40 閉眼している」

ポイント: 「騒ぐ」ではなく、声の内容を書きます。原因が見えて、次の夜の対策につながります。

例文14|落ち着かず歩き回るとき

  • OK:「1:45 廊下を何度も往復して歩き、『仕事に行かないと』と話す。隣に付き添って話を聞く。2:20 『疲れた』と話し、自室で臥床。2:50 寝息を確認」

ポイント: 無理に止めずに付き添った、という職員の対応も必ず書きます。

発熱・体調変化・オンコール報告の例文3本(バイタル数値の書き方)

バイタルサイン(バイタル)とは、体温・脈拍・血圧など体の基本データのことです。オンコールとは、夜間に看護師へ電話で報告し、指示をもらう仕組みを指します。

数値の書き方は、次の形が基本です。

項目書き方の例一般的な目安
体温体温38.2度(KT38.2)36度台
脈拍脈拍96回/分(P96)おおむね60〜100回/分
血圧血圧130/78(BP130普段の値と比べる
SpO2(血中の酸素の割合)SpO2 96%普段の値と比べる

目安は一般論で、正常かどうかの判断は看護師と医師の役割です。介護職は「正確に測り、正確に書き、施設の連絡基準に従う」に徹します。KTなどの略語も施設のルールに合わせてください。

例文15|発熱に気づいたとき

  • NG:「3:00 熱があるみたい」
  • OK:「3:00 巡視時、顔が赤く息づかいが速い。体温38.2度、脈拍96回/分、血圧130/78。呼びかけに開眼し、はっきり返答あり」

ポイント: 「気づいたきっかけ→測った数値」の順で。数値は単位まで書きます。

例文16|オンコールで報告したとき

  • OK:「3:10 看護師へ電話報告。クーリングと1時間後の再検温の指示を受ける。3:15 両わきを保冷剤で冷やす。4:15 再検温37.4度」

ポイント: 「誰に報告・受けた指示・実施・結果」までがワンセット。クーリング=保冷剤などで体を冷やすことです。

例文17|嘔吐があったとき

  • OK:「1:20 ナースコールで訪室。ベッド上で嘔吐あり、量は少量で食物残渣混じり。体を横向きにする。体温36.8度、脈拍80回/分。看護師へ電話報告」

ポイント: 吐いた物も量と中身を書きます。食物残渣(ざんさ)=消化されていない食べ物のかす。窒息予防で横向きにしたことも大事な記録です。

転倒発見時の例文2本(事故記録につながる初動)

例文18|床に倒れている人を見つけたとき

  • NG:「2:40 転倒していた」
  • OK:「2:40 巡視時、ベッド右側の床に横になっているところを発見。呼びかけに返答あり。『トイレに行こうとして滑った』と話す。見える範囲に外傷なく、痛みの訴えなし」

ポイント: 倒れる瞬間を見ていないなら「転倒した」とは書きません。「床に横になっているところを発見」が、見たままの事実です。

例文19|発見後の経過観察

  • OK:「2:45 看護師へ電話報告。バイタル測定と経過観察の指示。体温36.4度、血圧138/82、脈拍78回/分。頭部に打撲の痕なし。3:15、3:45、4:15 訪室し、閉眼・呼吸規則的を確認」

ポイント: 転倒後は「観察を続けた事実」そのものが重要な記録です。事故報告書やヒヤリハット(事故になりかけた出来事の報告)の元になります。報告書の書き方は「ヒヤリハットの書き方」(介護のヒヤリハットとはで解説予定です。

起床・朝食の例文1本

例文20|起床から朝食まで

  • OK:「6:30 声かけで開眼し起床。着替えはそで通しのみ介助。顔色良好。7:30 朝食は主食10割・副食8割摂取、むせ込みなし」

ポイント: 食事量は「主食◯割・副食◯割」で書きます。夜間の記録とつながり、日勤帯のケアの手がかりになります。

「これじゃわからない」を卒業するNG表現の言い換え表

先輩に直されやすい表現を10個まとめました。共通点は、あいまいなラベルを具体的な事実に置き換えることです。

NG表現何が問題か言い換えの例
不穏思い浮かべる状態が人によって違う「廊下を行き来し『家に帰る』と繰り返す」
暴言あり何を言われたのか不明「『さわるな』と大きな声で言われる」と発言のまま
暴力あり何をされたのか不明「介助の手を払いのける」と行動を書く
様子観察何を観察したのか不明「30分ごとに訪室し、呼吸と顔色を確認」
変わりなし何と比べたのか不明「食事量・睡眠とも普段と同じ」
傾眠がち程度があいまい「声かけで開眼するが、すぐ閉眼する」
拒否あり場面と反応が不明「服薬を勧めると『いらない』と手で押し返す」
元気がない書き手の主観「返答が一言のみ。夕食摂取3割(普段は8割)」
徘徊行動が不明で、印象も悪い「廊下を往復して歩く」+本人の発言
〜と思われる推測事実だけを書き、推測は申し送りで口頭補足

※傾眠(けいみん)=うとうとした状態。徘徊(はいかい)=あてもなく歩き回ること。申し送り=次の勤務者への引き継ぎです。

これらの言葉は「使ったら即アウト」ではありません。ただ、具体的に書き換えられるようになると、記録の伝わり方が一段変わります。

夜勤の記録を早く書く3つのコツ

例文を覚えても、書く時間がなければ記録はたまる一方です。スピードを上げるコツは3つあります。

コツ① 場面別の「マイ定型文」を持つ

この記事の例文20本を、自分の施設の書式と文体に直してストックしましょう。夜勤のたびに変わるのは、時刻・量・発言くらいです。

電子記録なら、定型文(テンプレート)の登録機能が使えます。紙の施設なら、文の「型」だけを自分のメモ帳に控えます。利用者さんの名前などの個人情報は、私物のメモには絶対に書きません。

コツ② その場で「時刻+単語」だけメモする

記憶に頼ると、時刻がずれたり発言が変わったりします。その場で、時刻と単語だけメモしましょう。

たとえば「2:15 コール 眠れない お茶 2:40閉眼」とメモしておけば、あとで例文11の型へ流し込むだけです。時刻だけは、その場で必ず書き留めてください。

コツ③ 「気づいた→した→どうなった」の順で書く

書き出しに迷ったら、原則③の時系列テンプレに戻ります。

  • 気づいた: 巡視時、顔が赤い
  • した: 検温し、看護師へ電話報告
  • どうなった: クーリング後、37.4度まで下がった

順番が決まっていれば、手は止まりません。長い経過も、この順で時刻を並べれば、そのまま経過記録になります。

よくある質問

まとめ:迷ったら「見たまま・聞いたまま・したこと+時刻」

最後に、この記事の要点です。

  • 夜勤記録の原則は「見たまま・聞いたまま・したことを、時刻とセットで
  • 主観・推測・あいまいなラベル(不穏・変わりなし等)は、具体的な事実に置き換える
  • バイタルは数値と単位、排泄は量と性状まで書いて、はじめて情報になる
  • 転倒は「発見した状況」を書く。観察を続けた事実も記録に残す
  • 介護記録は法令で義務づけられた公的な記録。あなたと利用者さんと施設を守ってくれる

今夜の勤務から、まず巡視の記録だけでも例文1の型に変えてみてください。型が1つ身につくと、ほかの場面にも自然に応用が利くようになります。

夜勤そのものの流れに不安がある方は、「介護の夜勤とは」(介護の夜勤とは)もあわせてどうぞ。

文体は「です・ます」と「だ・である」のどちらで書きますか?

施設のルールに合わせて、混在させないのが基本です。決まりがなければ、短く書ける「だ・である」調(常体)が夜勤向きです。この記事の例文も常体で書いています。

書き間違えたら、修正テープを使ってもいいですか?

使いません。介護記録は公的な記録なので、消した跡が残らない直し方は改ざんを疑われる原因になります。紙なら二重線を引いて訂正印、電子なら修正履歴が残る操作で直します。細かい方法は施設の規定に従ってください。

何も起きなかった夜は、書くことがありません。どうすれば?

「何もなかった」ことを、事実で書けば大丈夫です。例文1・2の型で、巡視の時刻と確認した内容を残します。静かな夜の記録は、体調が変化したときに「いつもとの違い」を示す比較データにもなります。

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出典
  • 厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」ほか各サービスの運営基準(記録の整備に関する規定)
  • 記録の保存年限に関する自治体の条例
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