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認知症介護基礎研修とは?義務化・受け方・eラーニングを解説

# 認知症介護基礎研修とは?義務化・受け方・eラーニングを解説

「介護の仕事を始めたら、”認知症介護基礎研修を受けてね”と言われたけれど、それって何?」「資格もないのに研修なんて、むずかしそう」——そんな気持ちで、このページにたどり着いた方も多いと思います。

はじめての言葉に不安になるのは、とても自然なことです。でも安心してください。この研修は、介護の資格を持っていない人が「認知症の方との関わりの、いちばん最初の一歩」を学ぶための、やさしい入り口です。

この記事では、認知症介護基礎研修とは何かを、公的な制度をもとに、できるだけかんたんな言葉で解説します。義務化された理由、eラーニング(パソコンやスマホの動画で学ぶ方法)での受け方、費用や時間の目安、修了後にできることまでまとめました。読み終わるころには、「自分は何を、どう受ければいいのか」がはっきりするはずです。

悩む介護士

認知症介護基礎研修って義務って聞いたけど…。無資格の私も受けなきゃいけないの?

ケアワーカーハブ編集部

対象や受け方(eラーニング)を一から説明します。むずかしくないので、安心してくださいね。

目次

結論:無資格で介護に携わる人のための「認知症ケアの入り口」の研修

最初に結論からお伝えします。

認知症介護基礎研修とは、介護の資格を持たずに介護の現場で働く職員が、認知症の方と関わるための基本を学ぶ研修です。 名前に「基礎」とついているとおり、認知症ケアの学びの、いちばん土台になる部分を扱います。

大切なポイントは、次の3つです。

  • 対象は「無資格」の介護職員。介護福祉士や初任者研修などの資格をすでに持っている人は、対象から外れる場合があります
  • 国のルールで、受けることが義務づけられている。準備期間(経過措置)を経て、今では原則すべての対象者が受けることになりました
  • eラーニングで受けられる形が広がっている。自宅のスマホやパソコンで、すきま時間に学べる仕組みが用意されています

「資格がないと介護の仕事はできないのでは?」と心配する方もいますが、そうではありません。無資格でも介護の現場で働くことはできます。そのうえで、認知症の方に安心して関わるための最低限の知識を、この研修で身につける——そういう位置づけです。それでは、順番にくわしく見ていきましょう。

認知症介護基礎研修とはどんな研修か

何を学ぶ研修なのか

認知症とは、脳の働きが少しずつ低下して、覚える・考える・判断するといった力に支障が出てくる状態のことです。介護の現場では、認知症のある方と接する場面がとても多くあります。

この研修では、そうした方に「どう向き合えばいいのか」の基本を学びます。たとえば、認知症とはどういうものか、なぜ同じことを何度も聞いてしまうのか、どんな言葉かけや接し方が本人の安心につながるのか——といった内容です。

むずかしい専門知識をつめこむ研修ではありません。「認知症の方の気持ちを想像し、その人らしさを大切にする関わり方」の入り口を知ることが、いちばんの目的です。ですから、介護を始めたばかりの人でも、無理なく受けられる内容になっています。

対象になるのは「無資格で介護に直接携わる人」

この研修を受ける対象は、介護の資格を持たずに、利用者さんの介護に直接たずさわる職員です。

「直接たずさわる」とは、たとえば食事や入浴、トイレのお手伝いなど、利用者さんの体に触れる介助をする仕事のことです。介護保険サービス事業所(介護保険を使ってサービスを提供する施設や事業所)で、こうした業務をする無資格の人が主な対象になります。

一方で、事務だけの職員や、調理・清掃など介護に直接かかわらない職種の人は、対象にならないのが一般的です。ただし、細かい線引きは働く事業所やサービスの種類によって違うことがあります。自分が対象かどうかは、勤め先の担当者に確認するのがいちばん確実です。

認知症の研修は「4つの段階」でできている

認知症介護の研修は、この基礎研修だけで終わりではありません。学びを深めていける段階(ステップ)が用意されています。

段階研修の名前ざっくりした位置づけ
1段目認知症介護基礎研修無資格の人が受ける「入り口」
2段目認知症介護実践者研修現場での実践力を高める
3段目認知症介護実践リーダー研修チームをまとめる立場向け
4段目認知症介護指導者養成研修人に教える立場向け

まずは1段目の基礎研修から。経験を積むにつれて、2段目の認知症介護実践者研修へとステップアップしていけます。「今は入り口だけれど、ちゃんと道が続いている」と知っておくと、少し気持ちが楽になるかもしれません。

認知症介護基礎研修が「義務化」された背景と対象

なぜ受けることが義務になったのか

「なぜわざわざ義務にするの?」と思う方もいるでしょう。理由はシンプルです。

介護の現場では、認知症のある方と接する機会がとても多くあります。そこで国は、認知症ケアの最低限の知識を全員が持つべきだと考えました。資格の有無にかかわらず、です。それが義務化の出発点になりました。

背景には、認知症のある高齢者が増えていることもあります。誰もが安心して介護を受けられるように、現場のすべての人に「認知症を理解する土台」を持ってもらう。それが、この研修の義務化のねらいです。

いつから完全に義務になったのか

この研修は、2021年度(令和3年度)の制度の見直しで導入されました。とはいえ、いきなり「全員すぐに受けてください」となると現場が対応しきれません。

そこで、しばらくのあいだ準備のための猶予期間(経過措置といいます。新しいルールにすぐ対応できないとき、しばらく待ってもらう期間のこと)が設けられました。その期間を経て、2024年度(令和6年度)からは原則として完全に義務化されています。(参考:厚生労働省 認知症施策

つまり今は、対象になる無資格の職員は、原則としてこの研修を受ける必要がある、という状態です。新しく介護の仕事を始めた方は、入職してからなるべく早いうちに受けるよう案内されることが多いです。

すでに資格を持っている人は対象外になる場合がある

ここが、よく質問されるところです。すでに一定の資格や研修を修了している人は、この基礎研修の対象から外れる場合があります。

たとえば、次のような方です。

  • 介護福祉士(介護でただひとつの国家資格)を持っている人
  • 実務者研修や初任者研修(介護の入門・基礎の資格)を修了している人
  • 看護師など、医療・福祉の一定の国家資格を持っている人
  • 認知症介護実践者研修など、上位の研修をすでに修了している人

こうした人は、認知症ケアの基本をすでに学んでいるとみなされ、あらためて基礎研修を受けなくてよいとされることがあります。ただし、どの資格が対象外になるかは制度の細かい定めによります。自己判断せず、勤め先や都道府県の案内で確認してください。

介護の資格全体の位置づけを知りたい方は、介護資格の種類まとめもあわせて読むと、自分がどのあたりにいるのかが見えてきます。

認知症介護基礎研修の受け方(eラーニング中心)

誰が実施しているのか

この研修を実施しているのは、都道府県(や、都道府県から指定を受けた機関)です。地域によって、申し込みの窓口や進め方が少しずつ違います。

近年は、全国共通で使えるeラーニング(インターネットの動画で学ぶ方法)の仕組みが整えられ、多くの地域でパソコンやスマホから受講できるようになりました。会場に足を運ばなくても、自宅で受けられる形が広がっているのが、今の大きな特徴です。

申し込みから修了までの流れ

受け方は地域や実施機関によって差がありますが、eラーニングの場合、おおまかには次のような流れになります。

1. 勤め先または都道府県の窓口で、受講の案内・申し込み方法を確認する(多くは事業所を通して申し込みます)

2. 受講に必要な登録をして、ログインの情報を受け取る

3. 動画の講義を視聴する(すきま時間に少しずつ進められる形が一般的)

4. 各項目の確認テストに答える(内容を理解できているかのチェック)

5. すべて終えると「修了」となり、修了を示す書類が発行される

つまずきやすいのは、最初の「どこから申し込むか」の部分です。個人で直接申し込むのか、事業所がまとめて手続きするのかは地域によって異なります。まずは職場の担当者に「どう進めればいいですか?」と聞くのが、いちばんの近道です。

時間・費用の目安(団体・都道府県で差があります)

いちばん気になる「どれくらい時間がかかって、いくらかかるのか」ですが、ここは正直にお伝えします。実施する都道府県や機関によって差があり、ひとつの決まった金額・時間には言い切れません。

  • 研修時間: eラーニングは、動画と確認テストを合わせて、まとまった時間を分けて視聴していく形が中心です。何日もかかる長い研修ではなく、比較的短い時間で修了できるように設計されているのが一般的です
  • 費用: 無料〜数千円程度の範囲で案内されることが多いですが、地域や機関で差があります。勤め先が費用を負担してくれるケースもあります

大切なのは、金額の数字そのものより「自分の場合はいくら・どれくらいか」を正しく知ることです。必ず、勤め先または受講する都道府県の最新の案内で確認してください。 制度や運用は年度によって変わることもあるため、古い情報をうのみにしないのが安心です。

修了後にできること・研修の意味

修了すると何が変わるのか

研修を修了すると、認知症ケアの基本を学んだ職員として、安心して介護の現場に立てるようになります。義務づけられた研修を終えることで、事業所としても「必要な学びを受けた職員がそろっている」状態になります。

とはいえ、この研修は「これで認知症のことは全部わかった」という到達点ではありません。あくまで入り口です。実際の現場では、一人ひとり違う利用者さんと向き合いながら、経験を通して学び続けていくことになります。

そのときに役立つのが、日々の関わり方の具体的なコツです。認知症のある方への接し方をもっと知りたい方は、認知症の方への対応の基本もあわせて読んでみてください。研修で学んだことと、現場での実際の関わりが、きっとつながって見えてきます。

次のステップ:実践者研修へ

基礎研修を終えて、介護の経験を積んでいくと、次のステップである認知症介護実践者研修が見えてきます。これは、現場でのより実践的な力を高めるための研修です。

「入り口の基礎研修 → 実践者研修 → 実践リーダー研修 → 指導者養成研修」と段階が上がっていく道のりの、まさに最初の一歩を、あなたは踏み出そうとしています。無理に先を急ぐ必要はありませんが、「この先にちゃんと道が続いている」と知っておくと、学ぶ意味を実感しやすいはずです。

現場のリアル:未経験から介護を始める人にとっての位置づけ

「資格もないのに、いきなり研修?」と身構える方は少なくありません。でも、現場の実際を知ると、見え方が変わってきます。

介護の仕事は、有効求人倍率(働きたい人1人に対して何件の求人があるかを示す数字)が全産業の平均よりかなり高い、いわゆる「人手を求めている」分野です。つまり、未経験・無資格からでも入りやすい仕事です。そのぶん、入ってから学ぶ仕組みが整えられていて、この基礎研修もそのひとつと言えます。

モデルケース: たとえば、これまで別の仕事をしていたBさんが、無資格で特別養護老人ホーム(長く住む介護施設)に入職したとします。入職後、勤め先の案内でeラーニングの基礎研修を受け、すきま時間に動画を見て、確認テストに答えて修了。「認知症の方が同じ話を繰り返すのには理由がある」と知れたことで、現場でイライラせず落ち着いて関われるようになった——こうした声は、介護を始めた多くの人に共通します。

研修は「やらされるもの」ではなく、あなた自身が現場で困らないための、心強い準備です。未経験からの介護への一歩について不安がある方は、未経験から介護へ転職する方法や、資格をとる順番をまとめた介護資格の種類まとめも参考にしてください。

よくある質問

まとめ:まずは「入り口の一歩」から、安心して始めよう

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 認知症介護基礎研修は、無資格で介護に直接たずさわる職員のための、認知症ケアの入り口の研修
  • 準備期間(経過措置)を経て、今は原則すべての対象者が受ける義務になっている
  • すでに介護福祉士・初任者研修などの資格を持つ人は、対象外になる場合がある
  • 受け方はeラーニング(動画で学ぶ方法)が中心で、すきま時間に受けられる
  • 費用・時間は都道府県や機関で差があるので、必ず最新の案内で確認する

「資格もないのに研修なんて」と不安に思う必要はありません。この研修は、あなたが現場で困らないための、やさしい準備です。まずは入り口の一歩を、安心して踏み出してみてください。その先には、実践者研修へと続く、あなたのペースで歩める道がちゃんと用意されています。

認知症介護基礎研修は、無資格でも受けられますか?

はい、むしろ無資格で介護に直接たずさわる職員こそが、主な対象です。資格がない状態で受ける前提の研修なので、専門知識がなくても大丈夫です。認知症ケアの基本を、いちばんやさしいところから学べる内容になっています。まずは勤め先で受講の案内を確認してみてください。

介護福祉士や初任者研修を持っていても受ける必要がありますか?

すでに介護福祉士・実務者研修・初任者研修などの資格を持っている人は、対象から外れる場合が多いです。看護師など一定の国家資格を持つ人や、上位の認知症研修を修了した人も同様です。ただし線引きは制度の細かい定めによるので、自己判断せず、勤め先や都道府県の案内で確認しましょう。

eラーニングは、どうやって受けるのですか?

多くの地域では、パソコンやスマホでインターネットにつなぎ、動画の講義を見て、各項目の確認テストに答える形です。すきま時間に少しずつ進められるので、仕事や家庭と両立しやすいのが利点です。申し込みは事業所を通して行うことが多いため、まずは職場の担当者に進め方を聞くのが確実です。

費用や研修時間はどのくらいかかりますか?

費用も時間も、実施する都道府県や機関によって差があり、ひとくちには言えません。費用は無料〜数千円程度で案内されることが多く、勤め先が負担してくれる場合もあります。時間は、何日もかかる長い研修ではなく、比較的短くまとまっている形が一般的です。正確な金額・時間は、必ず最新の案内で確認してください。

基礎研修の次は、どんな研修に進めますか?

次のステップは「認知症介護実践者研修」です。現場でのより実践的な力を高める研修で、経験を積んでから進むのが一般的です。その先には「実践リーダー研修」「指導者養成研修」と段階が続きます。まずは基礎研修から始めれば大丈夫です。くわしくは認知症介護実践者研修の記事をご覧ください。

出典
  • 厚生労働省 認知症施策
  • 都道府県・指定機関が実施する「認知症介護基礎研修」の案内(受講方法・費用・時間は各実施機関の最新情報を確認)
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