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介護職の手取りはいくら?額面との差と、手取りを増やす方法

# 介護職の手取りはいくら?額面との差と、手取りを増やす方法

「求人票には月32万円って書いてあったのに、通帳に振り込まれたのは25万円くらい。あの差は、いったいどこに消えたの?」——そんなモヤモヤから「介護 手取り」と検索して、このページにたどり着いた方も多いと思います。

その感覚は、勘違いでも計算ミスでもありません。給料は、額面(求人票に書いてある金額)から税金や保険料が引かれて、はじめて手取り(実際に使えるお金)になります。この「引かれる仕組み」を知らないと、いつまでも「なんだか損している気がする」というモヤモヤが残ってしまいます。

この記事では、介護職の手取りがいくらになるのか、そして額面と手取りの差がどうやって生まれるのかを、公的なデータをもとに、できるだけやさしい言葉で解説します。さらに、資格手当・夜勤・扶養・転職という4つの方法で手取りを増やすコツもまとめました。読み終わるころには、「自分の手取りが少ない理由」と「増やすための次の一歩」がはっきりするはずです。

悩む介護士

額面はそこそこなのに、手取りが少ない…。なんでこんなに引かれるの?

ケアワーカーハブ編集部

引かれる中身を分解して説明しますね。そのうえで、手取りを増やす具体的な方法までお伝えします。

目次

結論:介護職の手取りは、額面33.8万円なら27万円前後

先に結論からお伝えします。

厚生労働省の調査によると、月給で働く介護職員の平均給与は、月額およそ33.8万円です(手当やボーナス分を含んだ額面)。ここから税金と社会保険料が引かれるので、実際に手元に残る手取りは、およそ27万円前後になります。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」

つまり、額面と手取りの差はおよそ7万円。1か月あたり2割ほどが「引かれるお金」として消えている計算です。

  • 額面(給料の総支給額): 求人票やボーナスの案内に書いてある「もらえるはずの金額」。介護職員でおよそ月33.8万円
  • 手取り(差引支給額): 税金・保険料が引かれたあと、実際に振り込まれる金額。およそ月27万円前後
  • 差の正体: 「税金」と「社会保険料」。決して職場がピンハネしているわけではなく、法律で決まった天引き

この差は、あなたの職場だけの話ではありません。会社員として働く人なら、業種を問わず誰にでも起きていることです。大事なのは、「何が・いくら引かれているか」を知ったうえで、増やせる部分に手を打つこと。それでは、順番にくわしく見ていきましょう。

そもそも「額面」と「手取り」は何が違う?

額面=もらえるはずの金額、手取り=実際に使える金額

まず言葉を整理します。給与明細(毎月もらう給料の内訳が書いた紙・データ)には、大きく分けて3つのブロックがあります。

ブロック意味たとえると
支給(額面)基本給+各種手当の合計「もらえるはずの総額」
控除(こうじょ)税金・社会保険料など引かれるお金「天引きされる分」
差引支給額(手取り)支給ー控除の残り「実際に振り込まれる額」

たとえば、基本給21万円+夜勤手当5万円+処遇改善手当3万円+資格手当1万円+その他手当5万円なら、額面は35万円です。ここから控除で約8万円が引かれ、手取りは約27万円になる、というイメージです。

「控除」という言葉が難しく感じるかもしれませんが、要は「あなたの代わりに、会社が給料からまとめて払っておいてくれるお金」のことです。自分で役所や年金事務所に払いに行かなくていいぶん、天引きになっている、と考えるとわかりやすいです。

手取りは「額面のおよそ75〜80%」がざっくりの目安

細かい金額は人によって変わりますが、ざっくりした感覚として、手取りは額面のおよそ75〜80%と覚えておくと便利です。

  • 額面25万円 → 手取りおよそ20万円前後
  • 額面30万円 → 手取りおよそ23〜24万円前後
  • 額面35万円 → 手取りおよそ27万円前後
  • 額面35万円 → 手取りおよそ27〜28万円前後

たとえば「今より額面が2万円高い職場」に移っても、手取りで増えるのは1万5,000円くらい、というのはこのためです。求人票の金額を見るときは、「この8割くらいが手元に来る」と頭の中で変換するクセをつけると、転職のときに「思ったより増えなかった」というガッカリを防げます。

給料から引かれるものの内訳(税・社会保険料)

ここが、この記事のいちばん大事なところです。額面と手取りの差=約7万円の正体を、「社会保険料」と「税金」の2グループに分けて、ひとつずつ見ていきます。

なお、ここで紹介する料率(パーセント)は2026年度時点のおおよその目安です。住んでいる地域や年度によって少しずつ変わります。

グループ①:社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険)

社会保険料とは、病気・老後・失業など「もしも」のときに自分や家族を守るための、みんなで出し合うお金のことです。引かれる金額はいちばん大きく、額面のおよそ15%前後を占めます。

引かれるものざっくりの料率何のためのお金か
健康保険料額面の約5%前後病院での自己負担が3割で済むための保険。会社と折半
厚生年金保険料額面の約9.15%老後や障害時に年金をもらうための積み立て。会社と折半
雇用保険料額面の約0.6%前後失業したときの給付や育休手当のための保険
介護保険料(40歳以上)額面の約0.9%前後将来自分が介護を受けるための保険。40歳から天引き開始

ポイントは2つあります。

1つめは、健康保険と厚生年金は「会社と半分ずつ(労使折半)」という点です。たとえば厚生年金は本来18.3%ですが、そのうち半分の9.15%を会社が払ってくれています。給料から引かれているのは、あなたが負担する残り半分だけ、というわけです。

2つめは、40歳になると介護保険料が新しく引かれ始めるという点です。介護職として働くみなさんが、将来は介護を受ける側にもなる——その備えとして、40歳の誕生日の月から自動的に天引きが始まります。「40歳になったら急に手取りが少し減った」と感じるのは、これが理由です。

グループ②:税金(所得税・住民税)

税金は、社会保険料を引いたあとの金額をもとに計算されます。大きく分けて2種類です。

  • 所得税: 国に納める税金。1年間の所得(もうけ)が多いほど税率が上がる仕組み(累進課税といいます)。介護職の給与水準だと、税率5%前後のことが多いです
  • 住民税: 住んでいる市区町村と都道府県に納める税金。前の年の所得のおよそ10%が目安。前年の収入をもとに計算されるので、入職した年は引かれず、2年目から本格的に天引きが始まるのが特徴です

ここで知っておきたいのが、住民税の「タイムラグ」です。たとえば新卒や未経験で介護職に入った1年目は、前年の収入がゼロ(または少ない)ため住民税がほとんどかかりません。ところが2年目になると、1年目の収入をもとにした住民税が加わり、額面が同じでも手取りが少し減ります。「2年目になったら手取りが減った気がする」というのは、気のせいではなく住民税のせいなのです。

額面別・手取りの早見表

ここまでの内訳をまとめて、額面ごとの手取りの目安を表にしました。あくまで目安(独身・扶養なし・40歳未満・住民税ありを想定したざっくり計算)ですが、自分の給与明細と見比べる参考にしてください。

額面(月)引かれる合計の目安手取りの目安
20万円約4万円約16万円
25万円約5万円約20万円
30万円約6.5万円約23.5万円
32万円約7万円約25万円
35万円約8万円約27万円

「引かれるのはもったいない」と感じるかもしれません。でも、健康保険のおかげで病院代が3割で済み、厚生年金のおかげで老後にお金が受け取れます。天引きは、未来の自分への仕送りでもあるのです。とはいえ、今の生活も大事。次の章では、手取りそのものを増やす具体的な方法を見ていきます。

介護職が手取りを増やす4つの方法

手取りを増やす道は、大きく4つあります。「今日からできること」から「腰を据えて取り組むこと」まで並べたので、自分の状況に合うものから試してください。

① 資格を取って「資格手当」をつける

いちばん王道なのが、資格を取って毎月の手当を増やす方法です。多くの職場では、持っている資格に応じて「資格手当」が額面に上乗せされます。

  • 介護福祉士(介護でただひとつの国家資格): 手当は月5,000〜2万円ほどが目安。基本給そのものが上がる職場も多い
  • 実務者研修(介護福祉士の受験に必要な資格): 手当がつく職場や、初任者研修より時給が高くなる職場がある

資格手当のいいところは、一度取れば毎月ずっと上乗せされ続ける点です。たとえば月1万円の手当でも、1年で12万円、10年で120万円。軽自動車が1台買えるくらいの差になります。しかも資格は転職しても持ち運べるので、「自分に貼りつく値札」を上げるイメージです。

「働きながら資格を取れるの?」と不安な方も多いですが、夜勤明けや公休を使って通える講座や、費用を事業所が補助してくれる制度もあります。資格の取り方は別の記事でくわしく解説しています。

② 夜勤に入って「夜勤手当」を増やす

すぐに額面を増やしたいなら、夜勤(夜勤手当)がいちばん効きます。夜勤1回あたりの手当は職場によりますが、まとまった額がつくため、月に入る回数で手取りが大きく変わります。

  • 夜勤の回数を月1回増やすだけでも、額面で数千円〜1万円以上のプラスになることが多い
  • 夜勤手当は残業代とは別枠でつくので、「働いた時間ぶん」が素直に反映されやすい

ただし注意点もあります。夜勤は体への負担が大きく、無理を重ねると本業のパフォーマンスや健康を崩しかねません。「手取りは増えたけど体を壊した」では本末転倒です。夜勤手当の相場や、体調を守りながら回数を組むコツは、専門の記事も参考にしてください。

③ 扶養・控除の制度を使って「引かれる額」を減らす

収入そのものを増やさなくても、「引かれる額」を減らせば手取りは増えます。カギになるのが控除(税金を計算するときに、収入から差し引ける仕組み)です。おもなものを挙げます。

制度どんな人向けか手取りへの効果
配偶者控除・扶養控除収入の少ない配偶者や家族を養っている人所得税・住民税が下がる
iDeCo(個人型確定拠出年金)老後資金を積み立てたい人積んだ額が全額控除され税金が下がる
生命保険料控除・医療費控除保険に入っている・医療費が多い人年末調整や確定申告で税金が戻る
ふるさと納税実質2,000円で返礼品がほしい人住んでいる自治体への税が別の自治体分に置き換わる

たとえば、配偶者を扶養に入れると配偶者控除が使え、所得税と住民税が下がって手取りが増えます。年末調整(会社が年末に税金を精算してくれる手続き)のときに、保険の証明書を出し忘れないだけでも、払いすぎた税金が戻ってくることがあります。「難しそう」と後回しにしがちですが、書類を1枚出すだけで数千円〜数万円戻ることもあるので、もったいないです。

④ 転職して「基本給・処遇改善手当の手厚い職場」に移る

いちばんインパクトが大きいのが、給料の土台そのものを上げる=転職です。同じ「介護職」でも、職場によって基本給や手当の設計は大きく違います。

とくに注目したいのが処遇改善手当(介護職員の給料を上げるために、国が事業所へお金を上乗せする仕組みから支払われる手当)です。2024年度から「介護職員等処遇改善加算」に一本化されましたが、手当が実際にいくら支払われるかは事業所の裁量で、職場によって差があります。同じ仕事でも、この加算をしっかり給料に反映している職場を選ぶだけで、額面が数万円変わることもあります。

  • 求人票で「基本給」「処遇改善手当」「夜勤手当」の内訳を必ず確認する
  • 「月給◯◯万円」の表記だけで判断せず、手当を含めた内訳と昇給の有無を見る
  • 自分では聞きにくい年収・手当の実態は、転職エージェント(無料で求人紹介や条件交渉をしてくれるサービス)に代わりに確認してもらう

「今の職場でこれ以上あがる気がしない」と感じているなら、まずは求人を見比べて、自分の市場価値(いくらで採用されるか)を知るところから始めてみてください。

データで見る:介護職の手取りのリアル

「そもそも、なんでこんなに手取りが少なく感じるんだろう」と思っている方のために、客観的な数字とモデルケースを紹介します。

前述のとおり、厚生労働省の調査では、月給で働く介護職員の平均給与は月額およそ33.8万円(額面)、手取りにするとおよそ27万円前後です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」

この額面には、基本給だけでなく夜勤手当やボーナス、処遇改善手当などが含まれています。だからこそ、「基本給は20万円ちょっとなのに、額面は32万円」ということが起こります。裏を返せば、手当をどれだけ積めるかで、同じ介護職でも手取りは大きく変わるということです。

モデルケース: 特養(長く住む介護施設)で働くBさん(30歳・介護福祉士)。基本給21万円+夜勤手当5万円(月4回)+処遇改善手当3万円+資格手当1万円+その他2万円=額面32万円。ここから社会保険料と税金で約7万円引かれ、手取りは約27万円。もしBさんが夜勤を月1回増やし(+1.2万円)、iDeCoで毎月1万円積み立てて税金を少し下げれば、手取りベースで月1万円ほど改善します。年間にすると約12万円、家族旅行が1回いけるくらいの差です。

大切なのは、「手取りが少ない」と感じる原因が、あなたの働きぶりのせいではないと知ることです。仕組みを理解すれば、打てる手は必ずあります。

よくある質問

まとめ:仕組みを知れば、手取りは増やせる

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 介護職の額面はおよそ月33.8万円、手取りはおよそ27万円前後。差の約7万円は「税金」と「社会保険料」
  • 手取りは、ざっくり額面の75〜80%が目安。求人票の金額は「8割が手元に来る」と変換する
  • 引かれるのは、健康保険・厚生年金・雇用保険・介護保険(40歳〜)と、所得税・住民税
  • 手取りを増やすなら、資格手当・夜勤・扶養や控除・転職の4つ。すぐ効くのは夜勤、長く効くのは資格と転職

手取りが少なく感じるのは、あなたの努力不足ではなく、仕組みを知らなかっただけかもしれません。給与明細を一度ゆっくり眺めて、「何がいくら引かれているか」を確かめるところから始めてみてください。そのうえで、資格や転職という「土台を上げる一手」を、あせらず一つずつ試していきましょう。

介護職1年目の手取りが、思ったより多かったのはなぜですか?

1年目は、前の年の収入をもとに計算される住民税がほとんどかからないためです。2年目からは1年目の収入をもとにした住民税が天引きされるので、額面が同じでも手取りは少し下がります。「2年目に手取りが減った」と感じても、給料が下がったわけではなく、住民税が加わっただけのことが多いです。

額面25万円だと、手取りはいくらくらいですか?

独身・扶養なし・40歳未満の場合、手取りはおよそ20万円前後が目安です。額面のおよそ8割、と覚えておくと感覚がつかめます。ただし扶養している家族がいる人や、40歳以上で介護保険料がかかる人は、引かれる額が変わるため多少前後します。

40歳になったら手取りが減りました。何かの間違いですか?

間違いではありません。40歳になると、給料から介護保険料(額面の約0.9%前後)が新しく引かれ始めます。将来、自分が介護を受けるときのための保険料です。金額としては数千円ほどですが、「急に手取りが減った」と感じる原因はこれであることが多いです。

手取りを一番手っ取り早く増やす方法はどれですか?

すぐに効くのは夜勤の回数を増やすことです。ただし体への負担が大きいので、無理は禁物です。中長期でいちばん効くのは、介護福祉士などの資格を取って資格手当をつけるか、手当の手厚い職場へ転職することです。一度上げた土台はずっと続くので、余裕があるときに仕込んでおくと、あとがラクになります。

パートで働くと社会保険料は引かれませんか?

勤務時間や収入によります。週の労働時間や月収が一定の条件を超えると、パートでも社会保険への加入義務が発生し、保険料が天引きされます。逆に、配偶者の扶養に入れる範囲で働けば、自分では社会保険料を払わずに済みます。どちらが得かは世帯の状況によるので、扶養の範囲を意識して働き方を決めるのがおすすめです。

出典
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