# 介護の給料が安いのはなぜ?理由と上げる現実的な方法
「これだけ大変な仕事なのに、どうして給料はこんなに安いんだろう」。そう感じたことは、ありませんか。同じ思いから「介護 給料 安い」と検索して、このページにたどり着いた方も多いと思います。
体力も気もつかう仕事です。命をあずかる責任もあります。それなのに手取りは思うように増えない。そのモヤモヤは、あなたの努力不足のせいではありません。
この記事では、「なぜ介護の給料は安いといわれるのか」を解説します。介護報酬というしくみから、できるだけやさしい言葉でひもといていきます。
あわせて、給料の改善が今どこまで進んでいるかと、あなた自身が給料を上げるための現実的な方法もまとめました。読み終わるころには、「これから何をすればいいか」がはっきりするはずです。

介護って、どうして給料が安いの?頑張っても報われない気がして…。

介護報酬の仕組みに理由があります。改善の動きと、自分で上げる方法まで正直にお話しします。
結論:給料が安いのは「しくみ」のせい。でも上げる道はある
最初に結論からお伝えします。
介護の給料が安いといわれるいちばんの理由は、あなたのがんばりが足りないからではありません。給料のもとになるお金の「上限」が、国の決めたルールで決まりやすいからです。
そのうえで、大事なことが2つあります。
- 改善は少しずつ、着実に進んでいる。 国の政策で、介護の給料は年々上がってきています
- 個人の工夫で上げる余地は十分にある。 資格・役職・夜勤・職場選びで、手取りは変わります
「安い」という現実は隠しません。でも、「だから何もできない」というあきらめの話でもありません。まずはしくみを知って、そのうえで自分にできる一手を選んでいきましょう。
なぜ介護の給料は「安い」といわれるのか
まずは、いちばんの原因である「お金の出どころ」の話から始めます。ここが分かると、モヤモヤの正体がすっきりします。
介護報酬という「公定価格」で収入の上限が決まりやすい
介護報酬とは、介護サービスの「値段」を国がまとめて決めるしくみのことです。
たとえば、あなたの施設が利用者さんを1日お世話すると、そのサービスにいくら入るかは、施設が自由に決められません。国が「このサービスはいくら」とあらかじめ決めています。これを公定価格(こうていかかく=国が決めた値段)といいます。
ふつうのお店なら、人気が出れば値上げして、その分を給料に回せます。でも介護は、値段を勝手に上げられません。
つまり、施設に入ってくるお金の上限が、はじめから決まりやすいのです。入ってくるお金の天井が決まっていると、そこから払う給料の天井も決まりやすくなります。これが「安い」といわれる根っこの理由です。
財源は税金と介護保険料
では、その介護報酬のお金はどこから来るのでしょうか。
答えは、わたしたちが払う税金と、介護保険料です。介護保険料とは、40歳になると納め始める、介護のための保険のお金のことです。
サービスを使った利用者さんの自己負担は、原則1〜3割だけ。残りの大部分は、この税金と保険料でまかなわれています。
みんなのお金が財源だからこそ、値段は国が慎重に決めます。かんたんに値上げすると、国民全体の負担がふくらむからです。この「慎重さ」が、給料が急には上がりにくい背景にもなっています。
だから事業所も簡単には給料を上げられない
ここまでをまとめると、こうなります。
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| ① 値段 | 介護報酬(公定価格)で国が決める |
| ② 財源 | 税金+介護保険料。かんたんに値上げできない |
| ③ 事業所の収入 | 上限が決まりやすい |
| ④ 給料 | ③の中から払うので、天井ができやすい |
大事なのは、あなたの施設の経営者が意地悪だから安い、とは限らないということです。多くの施設は、決められた収入の中で、できるだけ給料を出そうと工夫しています。
問題は個人ではなく「しくみ」の側にある——まずはそう理解してください。自分を責めるのは、今日で終わりにしましょう。
くわしい給料の平均額や手取りの目安は、介護職の給料はいくら?平均と手取りの実態でまとめています。あわせて読むと、自分の位置が分かりやすくなります。
「人手不足なのに、なぜ自動で上がらないの?」
ここで、こんな疑問がわいた方もいるはずです。
「これだけ人手不足なら、給料を上げて人を集めればいいのに」。そう思いますよね。たしかにふつうの仕事なら、人が足りないと会社は給料を上げて募集します。
でも介護は、そう簡単にいきません。理由は同じで、入ってくるお金の上限が公定価格で決まりやすいからです。
いくら求人を出しても、事業所の収入の天井は決まっています。だから「上げたくても、上げる原資が足りない」という状況が起きます。
この「人手不足なのに、給料が自動では上がりにくい」というねじれこそが、介護ならではの事情です。だからこそ、あとで紹介する国の後押し(処遇改善加算など)が大切になってきます。
一方で、給料の改善は進んでいる
「じゃあ、ずっと安いままなの?」——そう不安になったかもしれません。でも、ここは公平にお伝えします。介護の給料は、この数年で確実に上がってきています。
平均は月およそ33.8万円まで来ている
国の調査で、月給で働く介護職員の平均給与を見てみましょう。
出典は厚生労働省の「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」です。それによると、平均給与は月額およそ33.8万円(手当やボーナス分を含んだ額面)でした。ここから税金や保険料が引かれるので、手取りはおよそ27万円前後になります。
さらに、国家資格である介護福祉士(介護でただひとつの国家資格)を持つ人だと、平均は月およそ35万円まで上がります。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
もちろん、これはあくまで平均です。あなたの給料がこれより低くても、おかしいわけではありません。地域や施設、経験で差が出るからです。
ただ、「介護=手取り15万円で一生上がらない」というような古いイメージは、今の数字とはズレてきています。
処遇改善加算という「給料アップ専用のお金」
改善を引っぱってきた主役が、処遇改善加算(しょぐうかいぜんかさん)です。
これは、介護で働く人の給料を上げるために、国が事業所へお金を上乗せするしくみのことです。名前はむずかしいですが、中身は「介護職の給料アップ専用の予算」だと思ってください。
大事なポイントは、このお金は介護職員の給料に使うことがルールで決められているという点です。会社の設備や社長の給料には回せません。ここから支払われるのが処遇改善手当です。
つまり、処遇改善加算にしっかり取り組んでいる施設ほど、手当が上乗せされて手取りが増えやすい、ということです。
このしくみの中身や、手当がいくらくらいになるかは、処遇改善手当とは?もらえる条件と金額の目安でくわしく解説しています。
ベースアップ等の政策も続いている
処遇改善加算に加えて、近年はベースアップを後押しする政策も続いています。ベースアップとは、一時的な手当ではなく、毎月の基本給そのものを底上げすることです。
一時金だと、その月だけで終わってしまいます。でも基本給が上がれば、ボーナスや退職金の計算のもとも上がるので、じわじわと効いてきます。
これらの政策のおかげで、介護の平均給与は、ゆっくりと右肩上がりで動いてきました。「がんばっても一円も変わらない」時代からは、確実に前へ進んでいます。
自分の給料を上げる現実的な4つの方法
ここからが本題です。しくみの話をしても、今日の手取りはすぐには変わりません。そこで、あなた自身の行動で給料を上げる方法を4つ、現実的なものだけ紹介します。
① 資格を取る(介護福祉士がいちばん効く)
いちばん確実なのが、資格を取ることです。
理由はシンプルで、多くの施設が資格に応じて手当を出しているからです。とくに国家資格の介護福祉士は効果が大きく、前述のとおり平均で月およそ35万円と、資格なしより高い水準になります。
資格手当が実際いくら増えるかは職場で差がありますが、月数千円〜数万円上乗せされるところが多いです。目安は資格手当は月いくら?種類別の相場と条件でまとめています。
- 未経験の方: まずは入門資格の「初任者研修」から。次に「実務者研修」、そして介護福祉士へ
- 経験のある方: 介護福祉士の受験資格(実務3年+実務者研修)を確認して、合格を目指す
介護福祉士の合格率は、近年おおむね7〜8割です(第37回・2025年は78.3%)。しっかり準備すれば、決して届かない資格ではありません。(出典:社会福祉振興・試験センター)
② 役職・リーダーを目指す
2つめは、役職に就くことです。
チームのリーダーや、フロアのまとめ役、サービス提供責任者などになると、役職手当がつくのが一般的です。責任は増えますが、その分だけ給料に反映されやすい道です。
「まだ自信がない」という方も、焦らなくて大丈夫です。日々の仕事を丁寧に続け、後輩の面倒を見るところから、少しずつリーダーへの信頼はたまっていきます。
③ 夜勤に入る
3つめは、夜勤に入ることです。
夜勤には夜勤手当がつきます。さらに、深夜(夜10時〜翌朝5時)に働く時間には、法律で25%以上の割増賃金を払うルールがあります(労働基準法)。
そのため、夜勤の回数を増やすと、同じ月でも手取りがまとまって変わります。「体力的にきつくない範囲で、月に数回だけ入る」という調整でも効果があります。
ただし、無理は禁物です。体をこわしては元も子もありません。生活リズムと相談しながら、続けられるペースで取り入れてください。
④ 処遇改善が手厚い職場へ転職する
4つめは、職場を変えることです。
ここまで見てきたとおり、給料は同じ介護職でも施設によって差が出ます。とくに、処遇改善加算にしっかり取り組んでいる施設は、手当が厚くなりやすいです。
「今の職場で努力しても、天井が低い」と感じるなら、天井の高い職場へ移るのは、まっとうな選択肢です。
しかも、介護は有効求人倍率が、全産業の平均よりかなり高い状態が続いています。有効求人倍率とは、働きたい人1人に対して求人が何件あるかの数字です。数字が高いほど、働く側が選びやすい「売り手市場」だといえます。
転職で給料を上げるコツは介護の給料を上げる具体的な方法に、年収を大きく伸ばす道すじは介護職で年収500万円は目指せる?にまとめています。
転職前に「賃金規程」をチェックする
転職や、今の職場での昇給を考えるとき、ぜひ見てほしい書類があります。それが賃金規程(ちんぎんきてい)です。
賃金規程とは、就業規則の一部で、給料や手当のルールをまとめた文書のことです。基本給の決め方、昇給の有無、資格手当や夜勤手当の金額などが書かれています。
- 定期昇給はあるか、あるとしたら年にどのくらいか
- 資格手当・役職手当・処遇改善手当はいくらか
- 夜勤手当は1回いくらか
これらは職場によって大きく差が出ます。求人票だけでなく、労働条件通知書や賃金規程で、入る前にしっかり確認しておきましょう。「思っていた手当がつかなかった」という後悔を防げます。
現場のリアル:数字で見るモデルケース
最後に、これまでの方法を組み合わせると手取りがどう変わるか、モデルケースで見てみましょう。数字は分かりやすくするための一例です。
Bさん(28歳)の場合
- スタート:初任者研修のみ・夜勤なし・手取りおよそ22万円
- 変化①:働きながら実務者研修を受け、3年目に介護福祉士に合格 → 資格手当がつく
- 変化②:月に4回ほど夜勤に入る → 夜勤手当と深夜割増がつく
- 変化③:処遇改善が手厚い施設へ転職 → 手当が上乗せ
この3つを積み重ねた結果、Bさんの手取りは、スタート時よりまとまって増えました。国の平均(月およそ33.8万円)にも近づいていきます。
ここで大事なのは、一度に全部やろうとしないことです。まず資格の勉強を始める。次に夜勤を月1回だけ試す。そんなふうに、小さな一歩を積み重ねるほうが、結局は長続きします。
そして、「自分の努力で給料は動かせる」という感覚そのものが、明日からの仕事を少し軽くしてくれるはずです。
よくある質問
まとめ:しくみを知れば、打ち手は見えてくる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 給料が安いといわれるのは、介護報酬という公定価格で収入の上限が決まりやすいから
- その財源は税金と介護保険料なので、値段はかんたんには上がらない
- 一方で、処遇改善加算やベースアップで、平均は月およそ33.8万円まで改善してきた
- 個人でできる打ち手は資格・役職・夜勤・職場選びの4つ
「安い」という現実は、あなたのせいではありません。でも、その中で手取りを動かす方法は、たしかにあります。
まずは、いちばん効く資格の勉強を始める。あるいは、条件のいい求人を1つ調べてみる。どんなに小さくても、その一歩が、これからの働き方を変えていきます。
- 介護の給料はこれからも上がっていきますか?
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未来を断言はできませんが、近年は処遇改善加算やベースアップ等の政策で、平均給与が上がってきたのは事実です。国全体で介護の人手が足りていないため、待遇を改善する流れは当面続くと見られています。制度は年度で変わるので、最新の情報は厚生労働省の発表で確認してください。
- 資格を取っても、本当に給料は上がりますか?
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多くの施設が資格に応じた手当を用意しているため、上がる可能性は高いです。とくに国家資格の介護福祉士は効果が大きく、平均で月およそ35万円という数字が出ています。ただし手当の額は職場で差があるので、求人票の「資格手当」の欄を必ず確認してください。
- 夜勤なしでも給料を上げる方法はありますか?
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あります。資格を取る、リーダーなどの役職を目指す、処遇改善が手厚い職場へ移る、という3つは夜勤なしでも取り組めます。体力や家庭の事情で夜勤が難しい方は、まず資格取得から始めるのがおすすめです。
- 転職すれば必ず給料は上がりますか?
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「必ず」ではありません。ただ、施設によって給料や手当に差があるのは事実で、条件のよい職場に移れば上がる可能性は十分あります。介護は求人が多い売り手市場なので、複数の求人を比べてから選ぶと失敗が減ります。焦って決めず、労働条件をよく確認しましょう。
- 給料が安いのは自分の能力が低いからでしょうか?
-
いいえ。介護の給料が安いといわれる大きな理由は、介護報酬という公定価格でお金の上限が決まりやすいという「しくみ」の側にあります。個人の能力の問題ではありません。そのうえで、資格・役職・夜勤・職場選びという、あなたにできる打ち手があると考えてください。
- 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」
- 社会福祉振興・試験センター
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善」関連資料
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