# 介護職の昇給はどのくらい?昇給しやすい職場と上げ方
「今年の昇給も、ほんの少しだけ」「この職場で、給料は本当に上がるのかな」——そんなモヤモヤから「介護 昇給」と検索した方も多いと思います。
その気持ちは、あなただけのものではありません。介護の仕事は社会に欠かせないのに、「昇給の実感がわかない」という声はとても多いです。でも、上げる道がまったくない、というわけでもありません。
この記事では、介護職の昇給の実際を、公的なデータをもとにやさしく解説します。「昇給はどのくらいか」「なぜ上がりにくいのか」を、まず整理します。そのうえで「昇給しやすい職場の見分け方」「自分で昇給を勝ち取る動き方」まで、順番に見ていきます。読み終わるころには、あなたが次に何をすればいいかがはっきりするはずです。

介護の昇給って、どのくらい上がるの?ほとんど上がらないって本当?

施設で大きく差が出ます。昇給の仕組みと、上がりやすい職場の見分け方をお伝えしますね。
結論:介護の昇給は「施設による差が大きい」。でも上げる道はある
最初に、いちばん大事な結論からお伝えします。
介護の昇給は、「施設によって差がとても大きい」のが実際です。毎年きちんと上がる職場もあれば、昇給がほとんどない職場もあります。だから「介護は昇給しない」と一言で決めつけるのは、正しくありません。
そのうえで、昇給につながる道は主に次の4つです。
- 資格を取る(初任者研修→実務者研修→介護福祉士とステップアップ)
- 役職に就く(リーダー・主任・サービス提供責任者など)
- 処遇改善加算を活かす(国が給料アップのために事業所へ出すお金)
- ベースアップの流れに乗る(給料の基本部分を底上げする政策)
昇給額や昇給率は施設ごとにバラバラです。そのため、この記事では「◯円上がる」といった断定はしません。
大切なのは、自分の職場の賃金規程(給料の決め方を書いたルール)を確認することです。そして、上がる仕組みのある職場を選ぶことです。では、順番にくわしく見ていきましょう。
そもそも介護の「昇給」ってどういう仕組み?
定期昇給とは
定期昇給とは、毎年決まった時期に給料が少しずつ上がる仕組みのことです。たとえば「毎年4月に基本給が見直される」といった形です。
一般企業ではよくある仕組みですが、介護では職場による差がとても大きいのが特徴です。同じ介護職でも、勤める施設によって昇給のあり方は大きく変わります。
なぜ介護は昇給しにくいと言われるのか
理由は、介護の収入の「もと」にあります。介護事業所の収入の多くは、介護報酬という公定価格(国や保険で決まる料金)です。
一般企業のように「売上を伸ばして給料に回す」ことがしにくい構造なのです。そのため、事業所が自由に使えるお金に上限ができやすくなります。結果として、大きな昇給が出しにくい傾向があります。
これはあなたの努力不足ではなく、業界全体の仕組みの問題です。くわしくは介護の給料が安いのはなぜ?でも解説しています。
「昇給がない」と感じたら、まず賃金規程を見る
「昇給がない」と感じたら、まず自分の職場の賃金規程を確認してみてください。賃金規程とは、基本給や手当、昇給のルールを書いた文書のことです。
これは就業規則(職場のルールブック)の一部です。事務所や職員用のシステムから見られることが多いです。
そこに「昇給は年◯回」「◯月に見直す」と書いてあれば、昇給の仕組みがある職場です。逆に、昇給の記載がまったくない場合は、少し注意が必要かもしれません。ここを見るだけで、「上がる職場か」の見当がつきます。
介護で昇給する主な4つの要因
ここからは、介護で昇給につながる主な4つの要因を、ひとつずつ見ていきます。どれも「明日いきなり」ではありませんが、動けば手が届くものばかりです。
まずは、4つの要因を1枚の表で見比べてみましょう。
| 昇給の要因 | かかる時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 資格を取る | 数か月〜数年 | 手当がつきやすく、一生ものの武器になる |
| 役職に就く | 数年〜 | 収入とキャリアが同時に上がる。責任も増える |
| 処遇改善加算 | すぐ〜 | 事業所選びが大事。区分が高いほど手厚い |
| ベースアップ | すぐ〜 | 政策しだい。反映のされ方は施設で差 |
「時間はかかるけれど確実なのが資格」、「職場選びで差がつくのが加算」というイメージです。それでは、ひとつずつくわしく見ていきます。
要因① 資格を取る(いちばん確実)
昇給にいちばん結びつきやすいのが、資格を取ることです。介護の資格は、大きく次の3ステップで上がっていきます。
| 資格 | かんたんな説明 |
|---|---|
| 初任者研修 | 介護の入門資格。130時間の講座で取る「スタートライン」 |
| 実務者研修 | 次のステップの資格。介護福祉士の受験に必要 |
| 介護福祉士 | 介護でただひとつの国家資格。給料アップに直結しやすい |
多くの職場では、資格に応じて資格手当(資格を持つ人に払う手当)がつきます。金額は施設で差がありますが、資格は一度取れば一生ものです。
国の調査でも、介護福祉士の平均給与は全体の平均より高めです。具体的には、介護福祉士が約35万円、介護職員全体が約33.8万円です(手当・賞与込みの額面)。
資格手当のくわしい相場は介護の資格手当はいくら?にまとめています。
要因② 役職に就く
リーダーや主任などの役職に就くと、役職手当がついて昇給につながります。介護の役職には、たとえば次のようなものがあります。
- ユニットリーダー・フロアリーダー: 現場のまとめ役
- サービス提供責任者(サ責): 訪問介護の予定・調整をする現場リーダー
- 主任・管理者: 施設運営の中心
役職に就くには、経験や資格に加えて「まわりから信頼されること」が大切です。責任は増えますが、そのぶん収入とキャリアの両方が前に進みます。
要因③ 処遇改善加算を活かす
処遇改善加算とは、介護で働く人の給料を上げるために、国が事業所へお金を上乗せする仕組みです。このお金は、介護職員の給料や手当として支払われることになっています。
大事なのは、この加算をきちんと取得している事業所を選ぶことです。加算には区分があります。上の区分を取っている事業所ほど、給料に回せるお金が多くなります。
くわしくは処遇改善手当とは?で解説しています。
要因④ ベースアップの流れに乗る
ベースアップとは、基本給そのものを底上げすることです。近年は、国がベースアップを後押しする政策を進めています。これにより、業界全体として給料が少しずつ改善する流れがあります。
ただし、これも施設によって反映の仕方に差があります。「うちの職場はベースアップが反映されているか」を、賃金規程や給与明細で確認してみてください。
施設の種類によっても昇給の傾向は変わる
昇給のしやすさは、施設の種類によっても変わってきます。ここでも「どこが必ず高い」という断定はできません。でも、傾向を知っておくと職場選びの参考になります。
一般に、夜勤のある入所施設(特養や老健など)は、夜勤手当のぶん収入が高くなりやすい傾向です。一方、デイサービスのように日勤中心の職場もあります。生活リズムは整いやすい反面、夜勤手当がつかないぶん総額は控えめになりがちです。
ただし、これはあくまで「傾向」です。同じ種類の施設でも、賃金規程や処遇改善加算の区分しだいで、昇給の中身は大きく変わります。施設形態ごとの給料の違いは介護職の給料の全体像でも整理しています。
昇給しやすい職場の見分け方
「これから転職するなら、昇給しやすい職場を選びたい」という方へ。求人票や面接で、次の3つを確認するのがおすすめです。
1. 賃金規程に昇給のルールが書いてあるか
「昇給 年1回」などの記載があるかを見ます。求人票になければ、面接で質問してOKです。
2. 過去の昇給実績を聞く
「実際に毎年どのくらい上がっていますか」と具体的に聞きます。答えをためらう職場は要注意です。
3. 処遇改善加算の区分を確認する
上の区分を取っている事業所ほど、給料に回せるお金が多い傾向です。
さらに、次のような職場は昇給しやすい傾向があります。
- 資格取得の支援制度(費用の補助・受講の融通)がある
- 役職やキャリアの段階(キャリアパス)がはっきりしている
- 職員が長く定着していて、離職率が低い
面接で待遇の質問をすると「お金の話ばかり」と思われないか不安な方もいます。でも、労働条件を確認するのは、働く人の当然の権利です。
聞き方は「長く働きたいので、キャリアと昇給の仕組みを教えてください」とすると好印象です。
面接でそのまま使える、質問の例も挙げておきます。
- 「昇給は年に何回、どのくらいの時期にありますか」
- 「処遇改善加算は、どの区分を取得していますか」
- 「資格を取ると、手当やキャリアはどう変わりますか」
- 「入職してから役職に就いた方は、どのくらいいますか」
これらは待遇の確認であると同時に、「長く働きたい」という前向きな姿勢としても伝わります。答えが具体的な職場ほど、働く人を大切にしている可能性が高いです。
昇給しやすい職場への転職については介護の給料を上げるには?もあわせて読んでみてください。
自分で昇給を勝ち取る動き方
「今の職場で、自分から昇給に近づきたい」という方へ、現実的な動き方を紹介します。
まず、資格取得を計画的に進めることです。初任者研修→実務者研修→介護福祉士と、次の資格を1つずつ目標にします。働きながらでも取れるので、職場の支援制度が使えないかも確認しましょう。
次に、役職やリーダーの声がかかったら前向きに受けることです。責任は増えますが、収入とキャリアの両方が動きます。「まだ自信がない」と思っても、任されること自体が評価の証です。
そして、評価面談を上手に使うことです。多くの職場には、年1〜2回の面談があります。そこで「資格を取ったこと」「担当した役割」を具体的に伝えると、評価につながりやすくなります。
さらに長い目で見れば、上位の資格や職種を目指す道もあります。たとえばケアマネジャー(利用者さんの介護計画を立てる専門職)です。ここは一歩大きなキャリアアップですが、収入の土台を引き上げやすい選択肢になります。あせらず、まずは目の前の資格と役割から積み上げていきましょう。
それでも上がらない場合の、正直な話もお伝えします。何年働いても賃金規程に昇給の仕組みがなく、加算も低い区分のまま——という職場もあります。そういう職場では、いくらがんばっても昇給が出にくいのが現実です。
その場合は、転職も立派な昇給の手段です。介護は人手不足で、働きたい人1人に対して求人が多い「売り手市場」です。資格と経験があれば、より条件のよい職場に移れる可能性は十分にあります。
数字で見る:介護の給料と昇給のリアル
最後に、客観的な数字とモデルケースを紹介します。
厚生労働省の調査では、月給で働く介護職員の平均給与は月およそ33.8万円です(手当・賞与込みの額面)。ここから税金や保険料が引かれるので、手取りはおよそ27万円前後になります。
そして、介護福祉士の平均はこれより高めの約35万円です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」、2026年時点)
この差は、「資格を取ると給料の土台が上がりやすい」ことを表しています。
モデルケース: 無資格で入ったBさん(25歳)。働きながら初任者研修→実務者研修と進み、5年目に介護福祉士に合格しました。資格手当がつき、その後はフロアリーダーも任されるようになりました。
統計上の平均を目安にすると、入職時から給料の土台が着実に上がっていったイメージです。もちろん昇給の幅は施設で差があります。それでも「資格を取る」「役割を担う」という動きが昇給に結びつきやすいことは、このケースからも見えてきます。
その入り口となる介護福祉士の合格率は、近年およそ7〜8割です。しっかり準備すれば、十分に手が届きます(第37回・2025年は78.3%)。(出典:社会福祉振興・試験センター)
自分の職場の賃金規程を確認しながら、できることから始めてみてください。
よくある質問
まとめ:まずは賃金規程を開くところから
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 介護の昇給は施設による差がとても大きい。「昇給しない」と決めつけない
- 昇給の道は資格・役職・処遇改善加算・ベースアップの4つ
- 昇給しやすい職場は賃金規程・昇給実績・加算の区分で見分ける
- 今の職場で上がらないなら、転職も立派な昇給の手段
昇給は、待っているだけではなかなか動きません。でも、資格を取る、役割を担う、職場を見直す——どれも今日から準備できることです。
まずは自分の職場の賃金規程を開いて、「昇給のルール」を確認するところから始めてみてください。
- 介護の昇給は年にどのくらいですか?
-
昇給額・昇給率は施設によって差がとても大きく、一概には言えません。毎年きちんと上がる職場もあれば、ほとんど上がらない職場もあります。まずは自分の職場の賃金規程を確認し、昇給のルールがあるかを見てみましょう。
- 昇給がない職場は、どう見分ければいいですか?
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賃金規程に「昇給 年◯回」などの記載があるかを確認します。記載がまったくない、または過去の昇給実績を聞いても答えをためらう職場は要注意です。求人選びの段階で、面接で率直に質問しておくと安心です。
- 資格を取ると本当に昇給しますか?
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多くの職場では、資格に応じて資格手当がつきます。国の調査でも、介護福祉士の平均給与は介護職員全体の平均より高めです。金額は施設で差がありますが、資格は一度取れば一生ものの武器になります。
- 処遇改善加算やベースアップは、自分の給料に反映されていますか?
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給与明細や賃金規程で確認できます。処遇改善加算は介護職員の給料・手当に充てられる仕組みで、上の区分を取る事業所ほど手厚くなります。反映が見えにくいときは、職場に確認してみましょう。
- 今の職場で昇給しないとき、転職はありですか?
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賃金規程に昇給の仕組みがなく、加算も低い区分のままなら、転職も立派な昇給手段です。介護は人手不足の売り手市場なので、資格と経験があれば条件のよい職場に移れる可能性は十分あります。まずは今より昇給しやすい職場を、落ち着いて探してみてください。
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