# 認定介護福祉士とは?取り方・メリット・介護福祉士との違い
「介護福祉士を取ったけれど、この先はどこを目指せばいいんだろう」「ケアマネとは別の道はないのかな」——そんな気持ちから「認定介護福祉士」と検索して、このページにたどり着いた方も多いと思います。
名前は聞いたことがあっても、「介護福祉士と何が違うの?」「どうやって取るの?」がわかりにくい資格です。まだ数が少ないぶん、身近に持っている人がいない方がほとんどではないでしょうか。
この記事では、認定介護福祉士とは何かを、取り方(所定の研修)・メリット・介護福祉士との違いまで、資格のことがはじめての方でもわかるように解説します。読み終わるころには、「自分がこの資格を目指す道があるのか」がはっきりするはずです。

認定介護福祉士って、取るとどんないいことがあるの?

介護福祉士との違いと、取り方・メリットを正直に(自動で給料が上がるわけではない点も)解説します。
結論:認定介護福祉士とは「介護福祉士の上位」の民間資格
最初に結論からお伝えします。
認定介護福祉士とは、介護福祉士のさらに上に位置づけられた、現場のリーダーを育てるための資格です。国家資格である介護福祉士とは違い、民間の団体が運営する「民間資格」という点が大きな特徴です。
民間資格とは、国ではなく民間の団体が認めて発行する資格のことです。介護福祉士のように法律で定められた国家資格ではありませんが、「介護の実力を証明するもの」として業界内でつくられました。
覚えておいてほしい要点は次の3つです。
- 位置づけは「介護福祉士の上」。 介護福祉士を取った人が、さらにその先を目指す資格です
- 目的は「現場のリーダー育成」。 チームをまとめ、介護の質を高める役割を担う人を育てます
- 取るには所定の研修が必要。 試験一発ではなく、まとまった時間の研修を修了して認定されます
この3つを押さえたうえで、順番にくわしく見ていきましょう。
認定介護福祉士をくわしく解説
「民間資格」ってどういう意味?
認定介護福祉士のいちばんの特徴は、国家資格ではなく民間資格だということです。
介護福祉士は、法律にもとづいた「介護でただひとつの国家資格」です。一方の認定介護福祉士は、業界団体がつくった資格で、法律で「この仕事はこの資格がないとできない」と決められているわけではありません。
たとえるなら、介護福祉士が「国が発行する運転免許」なら、認定介護福祉士は「その道のプロが認める上級ライセンス」のようなイメージです。国の後ろだてはありませんが、「現場の実力者」という証明になります。
介護の資格全体の中でこの資格がどこに位置するのかは、こちらの記事で全体像を整理しています(介護の資格の種類まとめ)。
認定介護福祉士は「何をする人」?
認定介護福祉士に期待されているのは、チームのまとめ役としての働きです。自分が現場でお世話をするだけでなく、まわりの介護職を引っぱる立場になります。
たとえば、次のような役割です。
- 後輩や部下の指導・育成(なぜそのケアをするのか、根拠を教える)
- チーム全体の介護の質を上げる(バラつきをなくし、より良いやり方に整える)
- 多職種連携のかなめになる(看護師やリハビリ職など、他の専門職とつなぐ)
多職種連携とは、医師・看護師・リハビリの専門職・ケアマネなど、いろいろな職種が力を合わせて一人の利用者さんを支える仕組みのことです。認定介護福祉士は、その輪の中で「介護の立場」を代表して発言できる知識を身につけます。
なぜこの資格が生まれたの?
背景にあるのは、「介護福祉士のさらに上の目標がなかった」という事情です。
これまで、介護福祉士を取ったあとのキャリアは、ケアマネ(利用者さんの介護の計画を立てる専門職)を目指すか、施設の管理職を目指すか、といった道が中心でした。「介護の実践を極める」ための資格は、長いあいだ用意されていなかったのです。
そこで、介護の質を引き上げるリーダーを育てる目的で、比較的最近になってつくられたのが認定介護福祉士です。運営しているのは、業界団体である認定介護福祉士認証・認定機構という組織です。
認定介護福祉士の取り方(所定の研修を受ける)
認定介護福祉士になるには、「受講の条件を満たす」→「認定介護福祉士養成研修を修了する」→「認証・登録する」という流れをたどります。試験一発ではなく、まとまった研修を受け切るのが基本です。
ステップ1:受講の条件を満たす
研修はだれでもすぐ受けられるわけではありません。おもな条件は次のとおりです。
1. 介護福祉士の資格を持っていること(まずここが大前提です)
2. 介護福祉士を取ってからの実務経験がおおむね5年以上あること
3. 介護職を対象とした研修(現任研修)を一定時間受けていること
現任研修とは、すでに働いている職員向けに、職場や研修機関がおこなう学び直しの講座のことです。日ごろから研修に参加している人ほど、条件を満たしやすくなります。
介護福祉士そのものの取り方や合格のしやすさが気になる方は、こちらもあわせてご覧ください(介護福祉士の合格率と難易度)。
ステップ2:認定介護福祉士養成研修を修了する
条件を満たしたら、いよいよ研修を受けます。研修は大きく「Ⅰ類」と「Ⅱ類」の2段階に分かれていて、合計でおよそ600時間ほど(実施する団体によって異なります)と、かなりのボリュームがあります。
- Ⅰ類: 医療・リハビリ・福祉用具・認知症など、幅広い分野の知識を深める段階
- Ⅱ類: チームのマネジメントや、他職種との連携を学ぶ、よりリーダー寄りの段階
たとえば「なぜこの利用者さんにこのケアが必要か」を、医療やリハビリの知識まで踏まえて説明できるようにする——それがⅠ類のイメージです。Ⅱ類では、それをチームに広げる力を磨きます。
ステップ3:認証を受けて登録する
研修をすべて修了すると、認定介護福祉士として認証・登録され、正式に名乗れるようになります。
ここで正直にお伝えしておきたいのが、費用と期間の負担です。研修は働きながら受ける人が多く、修了まで1年半〜2年ほどかかることも珍しくありません。受講料も実施団体によって幅がありますが、決して安くはありません。
そのため、いきなり飛び込むより、「まず介護福祉士をしっかり取る」「その先の選択肢として情報を集めておく」という順番がおすすめです。自分に合う資格・研修の情報は、複数の資料を取り寄せて比べるのが近道です。
認定介護福祉士の4つのメリット
「そこまで時間とお金をかけて、何が得られるの?」という疑問は当然です。おもなメリットを4つに整理しました。
1. 現場リーダーとしての実力を証明できる——「介護の質を高められる人」という客観的な裏づけになります
2. キャリアアップの選択肢が広がる——教育担当やユニットリーダー、管理職への足がかりになりえます
3. 多職種連携で対等に話せる——医療やリハビリの知識がつき、他職種との会話に自信が持てます
4. 後輩育成の力がつく——根拠を持って教えられるようになり、職場から頼られる存在になります
ただし、ひとつ正直にお伝えしておきます。この資格を取れば自動的に給料が上がる、という保証はありません。 民間資格で歴史が浅く、まだ持っている人も少ないため、資格手当の仕組みが整っていない職場も多いのが実際です。
とはいえ、「介護の質を高めるリーダー」を求める職場は確実に増えています。目先の手当より、長い目で見たキャリアの土台をつくる資格、と考えるのが実態に近い受け止め方です。
認定介護福祉士と介護福祉士の違い(比較表)
「介護福祉士と何が違うの?」がいちばんの疑問だと思います。名前が似ていて紛らわしいですよね。
いちばんの違いは、介護福祉士が「国家資格」なのに対し、認定介護福祉士は「その上に立つ民間資格」という点です。表で整理してみましょう。
| 項目 | 介護福祉士 | 認定介護福祉士 |
|---|---|---|
| 資格の種類 | 国家資格 | 民間資格 |
| 位置づけ | 介護の実践の基本となる資格 | 介護福祉士のさらに上位 |
| おもな役割 | 現場で介護を実践する | 現場のリーダー・まとめ役 |
| 取り方 | 国家試験に合格する | 所定の研修を修了して認証を受ける |
| 前提 | 実務者研修+実務経験など | 介護福祉士+実務経験おおむね5年以上 |
| 持っている人の数 | 多い(広く普及している) | まだ少ない(これから増える段階) |
どちらが上・下という単純な話ではありません。認定介護福祉士は、介護福祉士の実践力を土台にして、そこに「チームを率いる力」を積み上げる資格、と考えるとわかりやすいはずです。
なお、介護福祉士の合格のしやすさは、こちらでくわしくまとめています(介護福祉士の合格率と難易度)。
データで見る:認定介護福祉士のリアルな現状
「資格を取ったら、給料はどのくらい変わるの?」は、いちばん気になるところだと思います。ここは客観的な数字とあわせて、正直にお伝えします。
まず前提となる介護福祉士の給料です。厚生労働省の調査によると、月給で働く介護職員のうち、介護福祉士の平均給与は月およそ35万円(手当・ボーナス分を含んだ額面)となっています。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
一方、認定介護福祉士について、「取ると月いくら上がる」という全国共通の数字はありません。民間資格で歴史が浅く、資格手当を出す職場もあれば、出さない職場もあるのが実情だからです。
だからこそ、収入への効き方は「役職に就けるか」で大きく変わります。リーダーや教育担当といった役職に就き、その役職手当が加わることで、結果的に年収が上がっていくケースが現実的な姿です。介護福祉士の年収の伸ばし方は、こちらで具体的に整理しています(介護福祉士の年収とキャリアパス)。
なお、介護業界は人手不足が続き、働きたい人1人あたりの求人数が全産業の平均よりずっと多い「売り手市場」です。そのなかで「チームを引っぱれる人材」の価値は高く、認定介護福祉士はその証明になりえます。
モデルケース: 特養(長く住む介護施設)で介護福祉士として8年働いてきたCさん(33歳)を考えます。日ごろから後輩の指導を任されており、「教えることが好き」と気づいたとします。Cさんが認定介護福祉士を目指し、修了後にユニットリーダーへ昇格できれば、役職手当のぶん月収が上がる見込みです。資格そのものより、「役職につながる実力の裏づけ」として活きるのがこの資格の使い方です。
認定介護福祉士に向いている人・向いていない人
すべての人におすすめの資格ではありません。相性を正直に整理しておきます。
向いている人
- 人に教えるのが好きな人——後輩育成が役割の中心なので、指導にやりがいを感じる人に向きます
- 現場の介護を極めたい人——管理職や事務より、あくまで「介護の質」を追いたい人にぴったりです
- 多職種と関わるのが得意な人——看護師やリハビリ職と話す機会が増えるので、調整役が苦にならない人に合います
- 今の職場に長く腰を据えたい人——時間とお金をかけるぶん、じっくり働ける環境がある人ほど元が取れます
少し立ち止まったほうがいい人
- 今すぐ給料を上げたい人——即効性のある資格ではないので、目的が「今月の収入」ならほかの手段が現実的です
- 管理・事務の道に進みたい人——経営や相談援助が目標なら、ケアマネや社会福祉士のほうが近道な場合があります
- 転職を控えている人——研修は年単位でかかるため、腰を落ち着けてから取り組むほうが無理がありません
大切なのは、「まわりが取っているから」ではなく、「自分が現場でどんな役割を担いたいか」で判断することです。あなたの目指す方向に合っているかを、いちど落ち着いて考えてみてください。
よくある質問
まとめ:認定介護福祉士は「現場のリーダー」を目指す資格
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 認定介護福祉士とは、介護福祉士の上位に位置づけられた民間資格(国家資格ではない)
- 目的は現場のリーダー育成。後輩指導・チームの質向上・多職種連携がおもな役割
- 取るには介護福祉士+実務経験+所定の研修(Ⅰ類・Ⅱ類)の修了が必要
- 資格だけで自動的に給料は上がらないが、役職やキャリアの土台として長く活きる
認定介護福祉士は、「介護の実践を続けながら、まわりを引っぱる立場になりたい」という気持ちに応えてくれる資格です。時間もお金もかかるぶん、あなたの目指す方向とじっくり照らし合わせて選ぶことが大切です。
まずは、その前提となる介護福祉士やその先の学びについて、情報を集めるところから始めてみましょう。資料を取り寄せて比べるだけなら、今日からでもできます。
- 認定介護福祉士は国家資格ですか?
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いいえ、民間資格です。国が法律で定めた国家資格は介護福祉士のほうで、認定介護福祉士は業界団体(認定介護福祉士認証・認定機構)が認定する資格です。国家資格ではありませんが、「介護の実力を証明するもの」として業界内でつくられました。
- 介護福祉士を持っていなくても取れますか?
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取れません。介護福祉士の資格と、そのあとの実務経験(おおむね5年以上)が前提になります。まずは介護福祉士をしっかり取ることが、認定介護福祉士への第一歩です。順番としては、実務者研修→介護福祉士→認定介護福祉士、という流れになります。
- ケアマネと認定介護福祉士、どちらを目指すべきですか?
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目指す方向で変わります。介護保険の計画づくりや相談・調整の道に進みたいならケアマネ、現場で介護の質を高めるリーダーになりたいなら認定介護福祉士が向いています。「机の仕事」か「現場の実践」か、で分けて考えるとわかりやすいです。どちらが上ということはありません。
- 働きながらでも取れますか?
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取れます。研修は働きながら受ける人が多いですが、合計でおよそ600時間ほどとボリュームがあり、修了まで1年半〜2年かかることも珍しくありません。費用も安くはないため、無理のない時期を選んで、計画的に取り組むのがおすすめです。
- 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」
- 一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構「認定介護福祉士について」
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