# 介護で正社員になるには?未経験・パートからのステップ
「今はパートだけど、そろそろ正社員として腰を据えて働きたい」「介護の経験はないけれど、正社員で採用してもらえるのかな」——そんな思いから「介護 正社員」と検索して、このページにたどり着いた方も多いと思います。
その気持ちは、とても自然なものです。介護は今、働く人が足りていません。だからこそ、未経験の方やパートの方でも、正社員を目指しやすい仕事のひとつです。
この記事では、介護で正社員になる方法を、未経験・パートそれぞれのステップにわけて解説します。はじめての方にもわかるよう、やさしくお伝えします。資格を使った近道や、面接での伝え方もまとめました。読み終わるころには、「自分が次に何をすればいいか」がはっきりするはずです。

パートや未経験からでも、介護で正社員になれるのかな…。何をすればいい?

なれます。介護は人手不足で正社員化しやすい分野です。近道になる資格やステップをお伝えしますね。
結論:介護は未経験・パートからでも正社員になりやすい
最初に結論からお伝えします。
介護は、未経験の方やパートの方でも、正社員になりやすい仕事です。 理由は、介護の現場が慢性的な人手不足だからです。
働きたい人1人に対して求人が何件あるかを示す「有効求人倍率」(ゆうこうきゅうじんばいりつ)という数字があります。介護の有効求人倍率は、全産業の平均よりも大幅に高い状態が続いています。
つまり介護は、施設側が「人に来てほしい」と思っている売り手市場です。売り手市場とは、働く人のほうが有利な状況のことです。
だから、次の3つを押さえれば、正社員への道はぐっと近づきます。
- 無資格・未経験OKの求人からまず入る。 そして働きながら資格を取る
- パートの人は「正社員登用制度」がある職場を選ぶ。 実績まで確認する
- 面接では「長く働きたい」という気持ちを、自分の言葉で伝える
この3つを軸に、順番にくわしく見ていきましょう。
まず知っておきたい、介護の正社員5つのメリット
「正社員とパート、そんなに違うの?」と感じる方もいるかもしれません。ここでは正社員になると変わることを、5つにわけて説明します。
① ボーナス(賞与)がもらえる職場が多い
正社員のいちばん大きな魅力は、ボーナスがもらえる職場が多いことです。ボーナス(賞与)とは、夏や冬に給料とは別に支払われるお金のことです。
パートや単発バイトでは、ボーナスがない働き方が一般的です。一方、正社員は年に2回のボーナスが出る職場が多くあります。
たとえば厚生労働省の調査を見てみましょう。月給で働く常勤の介護職員の平均給与は、手当やボーナス分を含めて月額およそ33.8万円でした。これは額面、つまり税金が引かれる前の金額です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)このなかのボーナス分は、パートにはなかなか出ない部分です。
② 昇給がある(毎年少しずつ給料が上がる)
正社員は、勤続年数や評価に応じて毎年少しずつ給料が上がる「昇給」(しょうきゅう)の仕組みがある職場が多いです。
パートの時給も上がることはあります。ただ、正社員のほうが上がり幅や見通しが立てやすい傾向があります。
5年、10年と働くほど、その差は積み重なっていきます。長く続けるつもりなら、大きな違いになります。
③ 社会保険がしっかりつく
正社員になると、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険といった「社会保険」に原則すべて加入します。
社会保険とは、病気やケガ、老後、失業など、いざというときにあなたを守る国の仕組みです。会社が保険料の半分を負担してくれます。
将来もらえる年金も、厚生年金に入っているぶん手厚くなります。ここは目に見えにくいですが、とても大きなメリットです。
④ 退職金が出る職場がある
正社員なら、辞めるときに「退職金」(たいしょくきん)が出る職場もあります。退職金とは、長く勤めた人に会社から支払われるお金のことです。
介護の職場では、「退職手当共済」に入っている法人があります。これは社会福祉施設などが加入する、退職金の共済制度のことです。
ただし、退職金は制度がある職場とない職場があります。金額も、勤続年数・給料・制度によって大きく差が出ます。気になる場合は、就業規則や退職金規程(会社のルールブック)で確認しておきましょう。
⑤ 雇用が安定して、キャリアの見通しが立つ
正社員は、契約期間の区切りがない「無期雇用」(むきこよう)が基本です。「来月も再来月も働ける」という安心感があります。
さらに、リーダーや主任、施設長といった役職への道も開けます。腰を据えて長く働き、キャリアアップを目指したい方には、正社員がいちばん向いています。
正社員とパートの主な違いを、表にまとめました。
| 項目 | 正社員 | パート |
|---|---|---|
| ボーナス | ある職場が多い | ない職場が多い |
| 昇給 | 見通しが立ちやすい | 職場による |
| 社会保険 | 原則すべて加入 | 勤務時間による |
| 退職金 | 出る職場がある | ほぼない |
| 雇用の安定 | 無期雇用が基本 | 契約更新のことも |
| 働く時間 | フルタイム中心 | 選びやすい |
もちろん、パートには「時間を選びやすい」という大きな良さがあります。パートの働き方については、こちらの記事でくわしく解説しています(→ 介護のパートの働き方)。
未経験から正社員になる3ステップ
「介護をやったことがないけど、いきなり正社員は無理じゃない?」——そんな心配はいりません。介護は、未経験から正社員になれる数少ない仕事のひとつです。
ステップ1:無資格・未経験OKの求人に応募する
介護の求人には、「無資格・未経験OK」と書かれたものがたくさんあります。人手不足のため、まず人に来てほしい施設が多いからです。
最初は正社員ではなく、契約社員やパートからのスタートでもかまいません。大切なのは、まず現場に入ってみることです。
未経験からの転職のくわしい進め方は、こちらの記事にまとめています(→ 介護の未経験転職)。
ステップ2:働きながら資格を取る
現場で働きながら、介護の資格を取っていきましょう。最初の資格は「初任者研修」(しょにんしゃけんしゅう)です。
初任者研修は、130時間ほどの講座を受けて取る、介護の入門資格です。「介護のスタートライン」と呼べる資格で、これがあると任せてもらえる仕事が広がります。
資格を取ると、職場から「この人は本気だ」と見てもらえます。正社員への登用(引き上げ)も、ぐっと近づきます。
ステップ3:正社員登用や資格を武器に正社員へ
資格を取り、仕事に慣れてきたら、いよいよ正社員を目指します。方法は大きく2つあります。
- 今の職場で正社員に上げてもらう(正社員登用)
- 資格と経験を武器に、正社員の求人へ転職する
どちらを選ぶかは、今の職場が好きかどうかで決めればOKです。介護は人手不足なので、経験者の正社員はどこでも歓迎されます。
パートから正社員になるには「登用制度」を見る
すでにパートで介護をしている方は、正社員への道がさらに近いです。現場の経験があるからです。
正社員登用制度とは
「正社員登用制度」(せいしゃいんとうようせいど)とは、パートや契約社員を正社員に引き上げる、職場の仕組みのことです。
多くの介護施設が、この制度を持っています。「まずはパートで様子を見て、良ければ正社員に」という流れは、介護ではよくあるパターンです。
制度が「本当に使われているか」を確認する
ここで大事な注意点があります。「制度がある」ことと「実際に使われている」ことは、別だからです。
求人票に「正社員登用あり」と書いてあっても、実績がゼロなら意味がありません。次の点を確認しましょう。
- 過去に何人くらいが正社員になったか(登用の実績)
- 正社員になるための条件(勤続年数・資格・試験の有無)
- どれくらいの期間で登用されるのが一般的か
面接や見学のときに、「これまで、パートから正社員になった方はいらっしゃいますか?」と率直に聞いてみてください。具体的な人数が返ってくる職場は、信頼できます。
今の職場に制度がないときは
もし今の職場に登用制度がなかったり、実績がなかったりする場合は、正社員の求人へ転職するのもひとつの手です。
パートで積んだ経験は、そのまま強みになります。「現場を知っている即戦力」として、正社員で迎えてくれる職場はたくさんあります。
資格の取得が正社員への近道
正社員を目指すうえで、いちばん確実な近道が「資格を取ること」です。ここでは、資格のステップアップを順番に説明します。
初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士
介護の資格は、階段のように上がっていきます。
1. 初任者研修:130時間ほどの講座で取る入門資格。介護のスタートライン
2. 実務者研修(じつむしゃけんしゅう):初任者の次のステップ。介護福祉士の受験に必要
3. 介護福祉士(かいごふくしし):介護で唯一の国家資格。給料アップに直結する
介護福祉士は、介護でただひとつの国家資格です。持っていると、資格手当がついたり、正社員の採用で有利になったりします。
介護福祉士があると給料も上がりやすい
厚生労働省の調査では、介護福祉士の平均給与は月額およそ35万円でした。資格のない人より高い水準です。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
国家試験の合格率も、近年はおよそ7〜8割です。しっかり準備すれば十分に手が届きます(第37回・2025年は78.3%)。(出典:社会福祉振興・試験センター)
資格の取り方は、順番も費用も気になるところだと思います。こちらの記事で、ステップごとにくわしく解説しています(→ 介護資格の取り方)。
介護福祉士そのものについて知りたい方は、こちらもどうぞ(→ 介護福祉士とは)。
なお、研修にかかる費用や日数は、地域や実施する団体によって差があります。働きながら通える夜間・土日のコースもあるので、無理のない形を選べます。
面接で「長く働きたい」を伝えるコツ
正社員の採用で、施設がいちばん重視するのは「長く働いてくれそうか」です。すぐ辞めてしまう人を、正社員にはしたくないからです。
だからこそ、志望動機や面接では「腰を据えて長く働きたい」という気持ちを、しっかり言葉で伝えましょう。
伝わりやすい言い方の例
- 「利用者さんと長くかかわりたいので、正社員として働きたいです」
- 「資格を取ってステップアップし、この職場で長く貢献したいです」
- 「未経験ですが、一から学んで長く続けるつもりで応募しました」
大切なのは、「なんとなく」ではなく「ここで長く働きたい理由」を、自分の言葉にすることです。
やってしまいがちな伝え方に注意
反対に、「とりあえず正社員なら何でも」「給料が良ければどこでも」という印象は避けましょう。
給料を気にするのは当然のことです。ただ、それだけを前面に出すと、長く働くイメージが伝わりにくくなります。
志望動機の作り方は、例文つきでこちらにまとめています(→ 介護の志望動機)。
データで見る:介護は正社員を目指しやすい
「本当に未経験でも正社員になれるの?」と半信半疑の方のために、客観的な数字も紹介します。
介護の有効求人倍率は、全産業の平均より大幅に高い状態が続いています。これは、働く人にとって圧倒的に有利な「売り手市場」だということです。(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」)
給料の面でも、正社員として資格を取っていくと、収入は着実に上がっていきます。月給で働く常勤の介護職員の平均給与は、手当・ボーナス込みでおよそ33.8万円。介護福祉士になると、およそ35万円まで上がります。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
モデルケース:Bさん(32歳・未経験)の場合を見てみましょう。
- 無資格・未経験で、契約社員として入職
- 半年後に初任者研修を修了
- 1年後、勤務態度と資格を評価され、正社員に登用
- 3年目に実務者研修を修了し、介護福祉士の受験へ
このように、「未経験で入る → 資格を取る → 正社員になる → さらに上の資格へ」という流れは、介護ではごく自然なキャリアです。あなたにも十分に描ける道です。
よくある質問
まとめ:介護は、あなたのペースで正社員を目指せる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 介護は人手不足の売り手市場。未経験・パートからでも正社員になりやすい
- 未経験なら「無資格OKの求人 → 働きながら資格 → 正社員」の流れが王道
- パートなら「正社員登用制度」がある職場を、実績まで確認して選ぶ
- 資格(初任者 → 実務者 → 介護福祉士)は、正社員への確実な近道
- 面接では「長く働きたい」という気持ちを、自分の言葉で伝える
正社員になることは、ゴールではなくスタートです。安定した土台の上で、あなたらしいキャリアをゆっくり育てていけます。
まずは「無資格OKの求人を見てみる」「今の職場の登用制度を確認する」——できそうな一歩から始めてみてください。
自分に合う職場を効率よく探したいときは、介護に特化した転職エージェントを使うのも一つの方法です。転職エージェントとは、求人の紹介や面接の相談を無料でしてくれるサービスのことです。複数のサービスを比べて、相性のいい担当者を見つけてみましょう。
- 介護は本当に未経験でも正社員になれますか?
-
なれます。介護は人手不足で、無資格・未経験OKの求人が多いためです。まずは現場に入り、働きながら初任者研修などの資格を取ると、正社員への道がぐっと近づきます。未経験からの進め方は、こちらもどうぞ(→ 介護の未経験転職)。
- パートから正社員になるには何が必要ですか?
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「正社員登用制度」がある職場を選ぶことが第一歩です。加えて、勤続年数や資格が条件になることが多いです。面接で「これまで何人が正社員になったか」を聞き、実績を確かめておくと安心です。
- 資格がなくても正社員になれますか?
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なれる職場もあります。ただし、資格があると採用で有利になり、資格手当もつきやすくなります。まず初任者研修から取り、実務者研修、介護福祉士へと進むのが王道の近道です(→ 介護資格の取り方)。
- 正社員とパート、どちらがいいですか?
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「安定・ボーナス・キャリアアップ」を重視するなら正社員が向いています。「時間の自由」を重視するならパートが向いています。パートで始めて、生活が落ち着いたら正社員を目指す方も多いです(→ 介護のパート)。
- 面接で給料のことを聞いてもいいですか?
-
聞いても大丈夫です。ただし、給料の話ばかりだと「長く働く気があるのかな」と思われがちです。「長く働きたい」という気持ちを先に伝えたうえで、条件を確認するのがおすすめです。
- 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」
- 社会福祉振興・試験センター
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