# ショートステイの仕事内容・給料・特養との違いを解説
「ショートステイの求人を見つけたけど、どんな仕事なんだろう」「特養とは何が違うの?」——そんな疑問から、このページにたどり着いた方も多いと思います。
ショートステイは、名前だけだと中身が見えにくい仕事です。利用者さんが数日で入れ替わるという、ほかの施設にはない特徴もあります。だからこそ「自分に合うのか」が気になりますよね。
この記事では、ショートステイの仕事内容・給料・特養との違いを、はじめての方でもわかるようにやさしく解説します。夜勤や向いている人まで具体的にまとめました。読み終わるころには、「自分に合いそうか」がはっきりするはずです。

ショートステイの仕事って、特養と何が違うの?大変って聞くけど…。

利用者さんの出入りが多いのが特徴です。仕事内容・給料・向いてる人を整理しますね。
結論:ショートステイは「短い期間だけ泊まる人」を支える仕事
最初に結論からお伝えします。
ショートステイ(正式には「短期入所生活介護」)とは、要介護の方が数日〜1週間ほど施設に泊まって、介護を受けるサービスです。 その利用者さんを支えるのがショートステイの仕事です。
短期入所生活介護とは、「短い期間だけ入所(施設に泊まること)して、生活の介護を受ける」という意味の言葉です。名前がそのまま中身を表しています。
ポイントを先に3つだけ挙げておきます。
- 仕事内容そのものは、ほかの施設と同じ。食事・入浴・排泄などの介助が中心です
- 利用者さんの出入りが多いのが最大の特徴。数日で顔ぶれが変わります
- 特養が併設されていることが多く、夜勤もあります
この3つを押さえておけば、以下の解説がぐっとわかりやすくなります。それでは順番に見ていきましょう。
ショートステイとは?なぜ利用されるのか
「家で介護している家族」を支える仕組み
ショートステイを利用するのは、ふだんは家で暮らしている要介護の方です。その方が、数日だけ施設に泊まりにきます。
なぜ泊まるのか。理由はいろいろあります。たとえば、次のようなケースです。
- 介護している家族が、旅行や冠婚葬祭で家を空ける
- 家族が体調をくずして、一時的に介護できない
- 家族の休息(レスパイト)のために、定期的に預ける
- 特養などへの入所を待つあいだの「つなぎ」として使う
つまりショートステイは、利用者さん本人だけでなく、家で介護している家族を支える仕組みでもあります。
「レスパイト」という言葉を覚えておこう
レスパイトとは「休息」という意味の言葉です。介護の世界では、家族が介護から少し離れて休むことを「レスパイト」と呼びます。
家族が倒れてしまうと、在宅介護そのものが続かなくなります。ショートステイは、その手前で家族を支える大事な役割を持っています。
どんな施設にあるの?
ショートステイは、特養(特別養護老人ホーム。長く住むための介護施設)に併設されていることが多いです。ほかに、老健や専用の施設で行われることもあります。
「特養の中に、ショートステイ用の部屋がいくつかある」というイメージが近いです。特養そのものの仕事が気になる方は、特養(特別養護老人ホーム)の仕事内容もあわせて読んでみてください。
ショートステイの仕事内容
ここからは、実際の仕事内容を見ていきます。基本の介助はほかの施設と共通ですが、ショートステイならではの業務もあります。
基本の介助(三大介助が中心)
まず、介護の中心になるのが次の3つです。これは「三大介助」とも呼ばれます。
| 介助 | 内容 |
|---|---|
| 食事介助 | 食事の準備・見守り・食べるお手伝い |
| 入浴介助 | お風呂の介助。着替えや洗身のサポート |
| 排泄介助 | トイレの誘導・おむつ交換 |
このほかに、着替え(更衣介助)、移動のお手伝い、レクリエーション(体操やゲームなどの活動)なども行います。
ショートステイならではの仕事
ここがショートステイの特徴です。利用者さんが数日で入れ替わるため、次の業務がとても多くなります。
1. アセスメント(利用者さんの状態を知ること)
アセスメントとは、「その人がどんな状態か」を確認して把握することです。歩けるか、食事の形態は何か、持病はあるか、といった情報を確認します。
ショートステイでは、初めて来る利用者さんが毎日のようにいます。だから、アセスメントの回数がとても多くなります。
2. 申し送り(スタッフ同士の情報の受け渡し)
申し送りとは、「この利用者さんはこういう状態です」という情報を、次のスタッフに引き継ぐことです。
利用者さんが入れ替わる分、覚えることも変わります。だから申し送りの内容も濃くなり、回数も増えます。
3. 受け入れと送り出しの対応
利用者さんが来る日(入所日)と帰る日(退所日)の対応も大切な仕事です。荷物の確認、持ち物へのお名前チェック、家族への様子の報告などを行います。
たとえば、来たときに持ってきた薬や着替えを、帰るときに間違えず全部お返しする。こうした細かい確認が、毎日発生します。
1日の流れ(一例)
イメージがわくように、日勤の1日の流れの例を挙げます。施設によって差はありますが、だいたいこんな感じです。
- 朝:起床の介助、朝食、口腔ケア(口の中を清潔にすること)
- 午前:入浴介助、新しく来た方のアセスメント
- 昼:昼食、服薬のお手伝い、休憩
- 午後:レクリエーション、おやつ、記録の入力
- 夕方:退所する方の送り出し、申し送り
このように、介助のあいだに「受け入れ」「送り出し」「アセスメント」が入り込むのが、ショートステイの日常です。
ショートステイと特養の違い
「特養と何が違うの?」は、いちばん多い疑問です。ここをはっきりさせておきましょう。
いちばんの違いは「泊まる期間」
最大の違いは、利用者さんが施設にいる期間です。
- 特養:原則、ずっと住む場所。「終のすみか」として長く暮らす
- ショートステイ:数日〜1週間ほどの短期。また家に帰る
特養は「長く住む介護施設」、ショートステイは「短く泊まる場所」。この違いがすべての土台になります。
違いをまとめた表
| 項目 | ショートステイ | 特養 |
|---|---|---|
| 泊まる期間 | 数日〜1週間ほど | 原則ずっと |
| 利用者の入れ替わり | 多い(毎日のように変わる) | 少ない(顔なじみ) |
| アセスメント・申し送り | 頻繁 | 落ち着いている |
| 関係づくり | 短期間で信頼を築く | 時間をかけて築ける |
| 夜勤 | あり | あり |
「顔なじみ」になれるかの違い
特養は、同じ利用者さんと長く関わります。だから、時間をかけてゆっくり関係を築けます。
一方ショートステイは、利用者さんが数日で帰ります。次に会うのが1か月後、ということもあります。
そのため、「短い時間で相手を知り、信頼してもらう力」がより求められます。ここが向き不向きの分かれ目になりやすい点です。
老健(家に帰る前にリハビリをする施設)との違いが気になる方は、老健の仕事内容もチェックしてみてください。施設ごとの役割の違いが見えてきます。
ショートステイの給料の傾向
「給料は特養と比べてどうなの?」も気になるところですよね。ここは正直にお伝えします。
基本は「介護職の平均」と大きく変わらない
ショートステイは特養に併設されていることが多く、同じ法人の中で給料の基準を共有していることがよくあります。
そのため、給料の水準は介護職全体の平均と大きくは変わらない、と考えておくのが現実的です。
参考までに、国の調査による介護職員の給料の目安を挙げておきます。
厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」によると、常勤で月給で働く介護職員の平均給与は、月額およそ33.8万円(手当やボーナス分を含んだ額面)です。ここから税金や保険料が引かれるので、手取りはおよそ27万円前後になります。介護福祉士(介護でただひとつの国家資格)を持つ方は、平均で約35万円と少し高めです。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)
給料を上げる要素は共通
ショートステイでも、給料を上げる要素はほかの施設と同じです。
- 資格手当:初任者研修・実務者研修・介護福祉士などで加算されることが多い
- 夜勤手当:夜勤に入るとその分の手当がつく
- 処遇改善加算:介護職の給料を上げるため、国が事業所へお金を上乗せする仕組み。そこから手当が出る
- 役職手当:リーダーなどの役職につくと加算される
なお、22時〜翌5時の深夜の時間帯は、労働基準法で25%以上の割増賃金が決められています。夜勤に入ると、この割増もつきます。
給料の全体像をもっと知りたい方は、介護職の給料の内訳と相場もあわせてどうぞ。
ショートステイの大変な点とやりがい
いい面だけを並べても、あなたの判断材料にはなりません。大変な点も、隠さずお伝えします。
大変な点(「きつい」と言われる理由)
1. 利用者さんを覚えるのが大変
顔ぶれが数日で変わるため、「昨日覚えた方が、今日はもういない」ことも。次々と新しい方の情報を頭に入れる必要があります。
2. 事務・確認作業が多い
受け入れ・送り出し・持ち物チェック・記録など、こまごました確認作業が毎日あります。ミスが許されない場面も多いです。
3. 状態の幅が広い
来る方の介護度はさまざまです。ほとんど自立している方も、寝たきりに近い方もいます。相手に合わせて対応を変える柔軟さが要ります。
たとえば、午前は歩ける方の見守り、午後は全介助の方の入浴、という日もあります。頭の切り替えが求められる仕事です。
やりがい(この仕事ならではの魅力)
大変な分、ショートステイにしかないやりがいもあります。
- 「家に帰れる」笑顔を送り出せる。退所の日の安心した表情は、この仕事ならでは
- 家族から直接感謝される。「おかげで休めました」の一言が届きやすい
- いろんな利用者さんと関われる。多くの人と接する分、介護の引き出しが増える
- 短期間で信頼を得る力がつく。この力は、どの現場でも一生使える財産になる
「多くの人の役に立ちたい」「短い時間でも全力で寄り添いたい」という方には、大きなやりがいのある仕事です。
ショートステイに向いている人
ここまでの内容をふまえて、ショートステイに向いている人の特徴をまとめます。
- 切り替えが早い人:利用者さんが変わっても気持ちを切り替えられる
- 人と関わるのが好きな人:初対面でも臆せず話せる
- 確認作業をていねいにできる人:持ち物チェックなどをコツコツこなせる
- 臨機応変が得意な人:介護度の幅に合わせて動きを変えられる
- 家族支援にやりがいを感じる人:利用者さんの背景にある家族も大切にできる
逆に、「同じ利用者さんとじっくり長く関わりたい」という方は、ショートステイより特養のほうが合うかもしれません。どちらが良い・悪いではなく、相性の問題です。
未経験からショートステイを目指す場合も、心配しすぎなくて大丈夫です。基本の介助はどの施設でも学べます。未経験からの介護転職については、未経験から介護職への転職ガイドでくわしく解説しています。
ショートステイの夜勤について
ショートステイには、原則として夜勤があります。利用者さんが泊まっている以上、夜も誰かが見守る必要があるからです。
夜勤の基本
夜勤の仕事は、ほかの施設とおおむね同じです。
- 定期的な見回り(巡視)
- トイレやおむつの介助
- 体調の変化への対応
- 夜間の記録
特養に併設のショートステイでは、特養の利用者さんとまとめて夜勤を担当することもあります。施設によって体制はさまざまです。
夜勤で気をつけたいこと
ショートステイの夜勤では、「初めて泊まる方」がいることに注意が必要です。
慣れない場所で不安になり、夜に眠れない方や、そわそわされる方もいます。日中のアセスメントや申し送りが、夜勤の安心につながります。
夜勤そのものの働き方が気になる方は、介護の夜勤とは?仕事内容と流れもあわせて読んでみてください。
現場のリアル:モデルケースで考える
数字だけでは実感がわきにくいので、モデルケースで見てみましょう。(あくまで一例です)
モデルケース:特養併設のショートステイで働くBさん(30歳・介護福祉士)。月給の内訳は、基本給に資格手当と処遇改善の手当が加わり、額面でおよそ33〜35万円。ここに夜勤を月4回入れて、夜勤手当が加わります。手取りはおよそ26〜28万円ほど。
Bさんいわく、「毎日いろんな方が来るので飽きない。退所の日に『また来るね』と言ってもらえると、この仕事を選んでよかったと思う」とのこと。
なお、介護の仕事は有効求人倍率(働きたい人1人に対して求人が何件あるかの数字。高いほど人手不足)が全産業平均より大幅に高い、いわゆる「売り手市場」です。ショートステイの求人も各地で見つけやすい状況にあります。
自分に合う職場を選ぶコツは、介護の求人の選び方にまとめています。見学のポイントなども載せているので、応募前に読んでおくと安心です。
よくある質問
まとめ:ショートステイは「短い時間で人を支える」仕事
最後に、この記事の要点をまとめます。
- ショートステイ(短期入所生活介護)は、数日だけ泊まる利用者さんを支える仕事
- 基本の介助は共通だが、アセスメントと申し送りがとても多いのが特徴
- 特養との最大の違いは泊まる期間と、利用者さんの入れ替わり
- 給料は介護職の平均と大きく変わらず、資格・夜勤・処遇改善で上げられる
- 切り替えが早く、人と関わるのが好きな人に向いている
利用者さんの出入りが多い分、大変さもありますが、「家に帰る笑顔を送り出せる」やりがいはこの仕事ならではです。多くの人と関わる中で、介護の力もぐんと伸びます。
自分に合う職場かどうかは、見学して直接確かめるのがいちばんです。気になる求人があれば、まずは一歩、情報を集めるところから始めてみてください。
- ショートステイの仕事は未経験でもできますか?
-
はい、未経験からでも始められます。基本の介助はどの施設でも共通なので、研修や先輩のサポートを受けながら覚えていけます。ただし、覚えることが多い環境なので、メモを取る習慣があると安心です。まずは資格(初任者研修など)を取っておくと、応募先の選択肢が広がります。
- ショートステイと特養、どちらが働きやすいですか?
-
人によります。同じ利用者さんとじっくり関わりたいなら特養、いろんな人と関わりたい・切り替えが得意ならショートステイが向いています。ショートステイは併設の特養と体制を共有していることも多く、両方を経験できる職場もあります。相性で選ぶのがおすすめです。
- ショートステイの給料は特養より安いですか?
-
大きな差はないと考えて大丈夫です。ショートステイは特養に併設され、同じ法人の給料基準を共有していることが多いためです。資格手当・夜勤手当・処遇改善の手当などで上がる仕組みも共通です。給料を上げたいなら、介護福祉士などの資格取得が近道になります。
- ショートステイはきついと聞きましたが本当ですか?
-
「利用者さんの出入りが多く、覚えることや確認作業が多い」という意味で大変さはあります。一方で、多くの人と関われる楽しさや、家族から感謝されるやりがいもあります。きつさの感じ方は人それぞれです。切り替えが得意な方なら、むしろ楽しく働けることも多いです。
- ショートステイに夜勤はありますか?
-
原則あります。利用者さんが泊まっているため、夜間も見守りが必要だからです。夜勤の内容は見回り・排泄介助・記録などで、ほかの施設と大きくは変わりません。深夜帯(22時〜翌5時)は割増賃金がつくため、夜勤手当で収入を増やしたい方には向いています。
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