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介護の仕事で疲れた…心と体を休める方法と限界のサイン

# 介護の仕事で疲れた…心と体を休める方法と限界のサイン

「夜勤明けに何時間寝ても、疲れが抜けない」「休みの日も、体が鉛みたいに重い」——そんなふうに感じて、このページにたどり着いた方も多いと思います。

その疲れは、あなたの気合が足りないからではありません。介護は、体も心もすり減らす仕事です。疲れて当たり前なのです。

この記事では、なぜ介護でこれほど疲れるのかを、やさしい言葉で解説します。今日からできる休め方、受診を考えたい「限界のサイン」、働き方を変える選択肢までまとめました。読み終えるころには、次の一歩が見えてくるはずです。

悩む介護士

毎日クタクタで、休んでも疲れが取れない…。このまま続けて大丈夫かな。

ケアワーカーハブ編集部

その疲れは、頑張ってきた証拠です。今日からできる休め方と、見逃せない限界のサインを、いっしょに確認しましょう。

目次

まず知ってほしい:その疲れは「あなたのせい」じゃない

最初に、いちばん伝えたいことをお話しします。

介護の仕事で疲れきってしまうのは、あなたが弱いからでも、向いていないからでもありません。仕事そのものが、疲れやすい形になっているからです。

だから、まずは自分を責めるのをやめてください。そのうえで、次の3つを覚えておいてもらえたら十分です。

  • 疲れは、休み方でやわらげられる。 今日からできる小さな工夫があります
  • でも、我慢には限界がある。 眠れない・食べられないが続くなら、体からのSOSです
  • それでも回復しないなら、環境を変えていい。 働き方を変える選択肢もあります

この記事は、あなたを転職に急かすためのものではありません。休んで立て直すのも、環境を変えるのも、決めるのはあなたです。順番に見ていきましょう。

なぜ介護の仕事は、こんなに疲れるのか

「なんで自分だけこんなにしんどいんだろう」と感じるかもしれません。でも、それには、はっきりした理由が3つあります。

① 人手不足で、一人の負担が大きい

介護の現場は、全国的に人手が足りていません。国の統計でも、介護は有効求人倍率がとても高い状態が続いています。

有効求人倍率とは、働きたい人1人に対して求人が何件あるかの数字です。この数字が高いほど「人手不足」を意味します。

つまり、現場では少ない人数で多くの利用者さんをみています。一人ひとりの負担が重くなり、疲れがたまりやすいのです。

② 感情労働 — 気持ちをすり減らす仕事

介護は「感情労働」と呼ばれます。感情労働とは、自分の気持ちを抑えて、相手に合わせて働く仕事のことです。

たとえば、しんどい日でも、利用者さんの前では笑顔をつくります。理不尽なことを言われても、ぐっとこらえます。

体だけでなく、心も休みなく働いています。この「気持ちのすり減り」は、目に見えないぶん、自分でも気づきにくいのです。

人間関係の疲れも、大きな要因です。職場の人間関係でつらい方は、介護職の人間関係の悩みと対処法もあわせて読んでみてください。

③ 夜勤やシフトで、生活リズムが乱れる

介護は、夜勤や早番・遅番など、勤務時間がバラバラになりがちです。生活リズムが乱れると、体は思った以上に疲れます。

とくに夜勤は、体に負担がかかります。夜10時から翌朝5時までの深夜の時間帯は、法律で給料が上乗せされる決まりです。

具体的には、通常より25%以上多く支払われます。これは裏を返せば、「それだけ体に負担がかかる時間」と国も認めている、ということでもあります。

疲れが、次の疲れを呼んでしまう

やっかいなのは、疲れが「悪循環」を生むことです。悪循環とは、悪い状態が別の悪い状態を呼び、ぐるぐる回ってしまうことです。

たとえば、疲れて集中力が落ちると、小さなミスが増えます。ミスをすると自分を責め、気持ちが沈みます。すると、さらに疲れがたまります。

つまり、「疲れている自分」を責めるほど、疲れは深まっていきます。だからこそ、早めに手を打つことが大切なのです。この記事の後半で、その方法をお伝えします。

心と体に出る「疲れのサイン」

疲れがたまると、体と心にサインが出ます。まずは、自分のサインに気づくことが大切です。

体に出るサイン心に出るサイン
寝ても疲れが取れない何をしても楽しくない
肩こり・腰痛・頭痛が続くイライラしやすい
食欲がない/食べすぎる職場に行くのがつらい
風邪をひきやすいミスが増えた気がする

これらは、体からの「休んで」という合図です。「まだ大丈夫」と無視し続けると、あとで一気に崩れてしまうことがあります。

「もう限界かも」と感じる方は、介護職がきついと感じる理由と乗り越え方も参考になります。

今日からできる、心と体の休め方

ここからは、疲れをやわらげる具体的な方法を紹介します。どれも今日から始められる小さなことです。全部やろうとせず、できそうなものを1つだけ選んでください。

1. 睡眠を、何よりも優先する

疲れを取る土台は、やはり睡眠です。まずは眠る環境を整えましょう。

  • 寝る1時間前は、スマホの画面を見ないようにする
  • 部屋を暗くして、静かにする
  • 夜勤明けは、無理に一日中寝ようとしない

夜勤明けにぐっすり眠るのは難しいものです。「昼間に少しまとまって眠り、夜も早めに寝る」など、自分に合う形を探してみてください。

2. 休みの日は「何もしない」を許す

休日に「予定を詰めなきゃ」と思っていませんか。でも、疲れているときは、何もしないのが立派な休養です。

  • 好きな飲み物を用意して、ソファでぼーっとする
  • 見たかった動画を、罪悪感なしに見る
  • 昼寝をする

「サボっている」と感じる必要はありません。体を休めることは、次の仕事のための大切な準備です。

3. 体を軽く動かして、気分を切りかえる

意外に思うかもしれませんが、軽い運動は疲れを取るのに役立ちます。激しい運動ではなく、気持ちいい程度で十分です。

たとえば、ひと駅ぶん歩く、湯船にゆっくりつかる、軽くストレッチをする。それだけで、頭のもやもやが少し晴れます。

4. 食べること・お風呂を、おろそかにしない

疲れていると、食事がついつい適当になりがちです。でも、体を動かす燃料は食事です。ここが崩れると、疲れはもっと抜けにくくなります。

  • 忙しい日でも、温かい汁物を1品だけ足す
  • 甘い物やカフェインだけで、無理に乗りきらない
  • シャワーで済まさず、湯船につかって体を温める

とくにお風呂は、疲れを取る味方です。5分でも湯船につかると、体の芯があたたまり、寝つきが変わってきます。

5. 一人で抱えず、誰かに話す

つらい気持ちは、口に出すだけで少し軽くなります。信頼できる同僚や友人、家族に話してみてください。

職場に相談窓口がある場合もあります。一定の規模の職場では、「ストレスチェック制度」という仕組みがあります。

これは、働く人のストレスの状態を年に1回チェックする制度です。結果に応じて、専門家に相談できる場合もあります。使えるものは、遠慮なく使ってください。

6. 仕事とプライベートの間に、区切りをつける

感情労働の疲れは、家に帰っても仕事のことを考え続けてしまうことで、より重くなります。頭のなかで、ずっと働き続けている状態です。

そこで、仕事と自分の時間に「区切り」をつける工夫をしてみてください。小さな習慣で十分です。

  • 帰り道に、好きな音楽を1曲だけ聴く
  • 職場を出たら「今日はここまで」と心のなかで言う
  • 仕事の連絡は、休みの日は見ない時間を決める

たとえば「玄関で靴を脱いだら仕事モードを終わりにする」と決めるだけでも、気持ちの切りかえがしやすくなります。

見逃してはいけない「限界のサイン」

休んでも回復しないときは、無理をしないでください。次のようなサインが続くときは、心と体が「もう限界」と言っています。

  • 布団に入っても、なかなか眠れない日が続く
  • 朝、どうしても起きられない
  • 理由もなく涙が出る
  • 食欲がない、または食べられない
  • 何をしても楽しいと感じない

これらが2週間以上続くようなら、我慢は禁物です。心療内科や精神科など、医療機関に相談してください。

心療内科とは、ストレスから来る心と体の不調をみてくれる病院です。「病院に行くほどじゃない」と思いがちですが、早めに相談するほど、回復も早くなります。

強い落ち込みや、消えてしまいたい気持ちが出てきたときは、一刻も早く専門家を頼ってください。がんばりすぎて心がすり切れてしまう状態は、介護職の燃え尽き症候群(バーンアウト)でくわしく解説しています。

大切なこと: 疲れの原因が病気かどうかは、自分では判断できません。ここで挙げたサインは、あくまで「受診を考える目安」です。診断や治療は、必ず医師にゆだねてください。

それでも回復しないなら、働き方を変える選択肢

しっかり休んでも、医療機関にかかっても、「この職場では立て直せない」と感じることもあります。そんなときは、環境を変えるのも、立派な選択です。

逃げではありません。自分の心と体を守るための、前向きな決断です。

選択肢① 夜勤を減らす・なくす

生活リズムの乱れがつらいなら、夜勤のない働き方を選ぶ方法があります。デイサービス(日帰りの通所施設)などは、日勤だけの職場が多いです。

まずは、今の職場の上司に「日勤中心に変えられないか」を相談してみるのも一つの手です。

選択肢② パートや時短で、負担を軽くする

「フルタイムはしんどいけれど、介護は続けたい」という方には、パートや時短勤務という選択肢があります。

働く時間を減らせば、体の負担も、心の余裕も変わります。くわしくは介護のパートという働き方を読んでみてください。

選択肢③ 職場そのものを変える(転職)

「この職場が原因でしんどい」なら、思いきって職場を変える方法もあります。ここで、安心してほしいことがあります。

前にお伝えしたとおり、介護は人手不足で、有効求人倍率がとても高い業界です。つまり、あなたを必要としている職場は、たくさんあります。

同じ介護でも、施設によって忙しさや雰囲気は大きく違います。「辞めたい」と感じている方は、介護を辞めたいと思ったときの対処法も参考にしてください。

一人で求人を探すのが大変なときは、介護に強い転職エージェント(無料で相談や求人紹介をしてくれる窓口)を使う方法もあります。夜勤の有無や勤務時間の希望を伝えて、条件に合う職場を一緒に探してもらえます。

辞める前に、試せることもある

「もう無理」と思っても、いきなり辞める前にできることもあります。今の職場のまま、負担を軽くできる場合があるからです。

  • 上司や相談窓口に、今のつらい状態を正直に伝える
  • 担当のフロアや部署を変えてもらえないか相談する
  • 「休職」という制度が使えないか確認する

休職とは、会社に籍を残したまま、一定の期間だけ仕事を休む制度のことです。就業規則(職場のルールブック)に定められていることが多いので、一度確認してみてください。

これらを試したうえで、それでも変わらないなら、転職を考えても遅くはありません。順番はあなたが決めていいのです。

現場のリアル:働き方を変えたモデルケース

数字で少しだけ、現実を見てみましょう。国の調査では、常勤で月給制の介護職員の平均給与は、月およそ33.8万円(手当や賞与を含む額面)です。手取りにすると、およそ27万円前後になります。(出典:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」)

モデルケース: 特養(長く暮らす介護施設)で夜勤つきで働くBさん(34歳)は、慢性的な寝不足で疲れがピークに。思いきって、日勤中心の職場へ転職しました。給料は少し下がりましたが、夜勤がなくなって睡眠が安定。「また介護を続けたいと思えるようになった」と話します。

もちろん、給料を優先して夜勤を続ける選択もあります。どちらが正解ということはありません。大切なのは、あなた自身が納得できる働き方を選ぶことです。

まとめ:休むことも、逃げないことのうち

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 介護で疲れきるのは、あなたのせいではなく、仕事の構造のせい
  • 睡眠・休養・軽い運動・人に話す。できることから一つだけ始める
  • 眠れない・食べられない・涙が出るが2週間続いたら、医療機関へ
  • 休んでも回復しないなら、夜勤を減らす・パート・転職という選択肢がある

疲れているとき、人は「がんばること」しか思いつかなくなります。でも、いちばん必要なのは、立ち止まって休むことかもしれません。

休むのは、逃げることではありません。あなたが、明日もあなたらしくいるための、大切な時間です。どうか、自分をいちばん大事にしてあげてください。

よくある質問

介護で疲れて「辞めたい」と思うのは、甘えでしょうか?

甘えではありません。介護は人手不足や感情労働、生活リズムの乱れが重なる、疲れやすい仕事です。「辞めたい」と感じるのは、心と体が休みを求めているサインです。まずは休んで、それでもつらいなら、働き方を変える選択肢を考えてみてください。

疲れが取れないとき、まず何から始めればいいですか?

まずは睡眠を整えることから始めてください。寝る前のスマホを控える、部屋を暗くするなど、小さな工夫で十分です。全部を一度にやろうとせず、できそうなことを1つだけ選ぶのがコツです。休みの日に「何もしない」のも、立派な休養です。

どんな状態になったら、病院に行くべきですか?

眠れない・食べられない・理由もなく涙が出る・朝起きられない。こうしたサインが2週間以上続くなら、心療内科や精神科への相談をおすすめします。疲れが病気かどうかは、自分では判断できません。早めの受診ほど、回復も早くなります。

夜勤がつらいのですが、続けるしかないですか?

続けるしかない、ということはありません。夜勤は体への負担が大きく、深夜の時間帯は法律でも割増賃金の対象になっています。上司に日勤中心を相談する、夜勤のないデイサービスに移る、パートに切り替えるなど、負担を減らす方法はいくつもあります。

職場を変えたいけれど、また同じように疲れないか不安です。

その不安は自然なものです。ただ、同じ介護でも、施設によって忙しさや人間関係は大きく違います。介護は人手不足で求人が多く、職場を選べる立場にあります。夜勤の有無や残業の量など、譲れない条件を決めてから探すと、ミスマッチを防ぎやすくなります。

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出典

厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」

– 厚生労働省・都道府県労働局「ストレスチェック制度」(労働安全衛生法)

– 厚生労働省「労働基準法(深夜割増賃金)」

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