# 「介護職はやめとけ」と言われる7つの理由|それでも選ぶ価値がある人とは
「親に相談したら『介護だけはやめとけ』と言われた」「ネットで調べたら『きつい』『底辺』という言葉ばかり目に入った」——そんな経験から、このページにたどり着いた方も多いと思います。
興味を持った仕事を頭ごなしに否定されるのは、つらいものです。ただ、否定する人の多くは、現場を数字で知っているわけではありません。
先にお約束します。この記事は、介護業界の宣伝ではありません。「やめとけ」と言われる理由7つを、国の統計データと照らして1つずつ検証します。
事実は事実と正直に認めます。古い情報には「それは昔の話です」とはっきり書きます。読み終わるころには、うわさではなくデータで判断できるはずです。

「介護職はやめとけ」って言われた…。本当にやめた方がいいの?

その言葉、うのみにしなくて大丈夫です。何が事実で何が誤解か、データで正直に検証しますね。
結論:「やめとけ」は半分が事実、半分が古い情報
最初に、7つの理由を検証した結論をお伝えします。
- 給料が全産業の平均より低いのは事実。 月6〜7万円の差があります。ただし、国の政策で少しずつ改善しています
- 「将来性がない」「仕事がなくなる」はほぼ誤解。 国の推計では、介護の人手はこれから数十万人規模で足りなくなる見通しです
- 向き不向きがはっきり分かれる仕事。 全員にはすすめません。ただ、「やめとけ」の一言で捨てるにはもったいない選択肢です
「やめとけ」と言う人の多くは、介護を外から見ています。10年以上前のイメージで止まった情報も、データが示す本当の問題も混ざっています。だからこそ、1つずつ切り分けて確かめましょう。
「介護職はやめとけ」と言われる7つの理由を検証する
理由ごとに「事実の部分」と「誤解・古い情報の部分」を切り分けていきます。
理由① 給料が低い——事実。ただし改善は動き出している
事実の部分
厚生労働省の「介護従事者処遇状況等調査」によると、月給・常勤の介護職員の平均給与は月33.8万円です。これは手当やボーナス分を含んだ、税金を引く前の「額面」の金額です。
全産業の平均と比べると、月6〜7万円ほど低い水準です。月6万円の差は、1年で72万円。この差を「気にするな」と言うのは無理があります。
働く人の実感も同じです。介護労働安定センターの「介護労働実態調査」では、不満の第1位が「仕事内容のわりに賃金が低い」でした。
誤解・古い情報の部分
「ずっと安いまま」という見方は、古くなりつつあります。国は処遇改善加算(介護職員の給料を上げるため、国が事業所へお金を上乗せする仕組み)を拡充してきました。同じ調査でも、給与は年々改善傾向にあります。
また、介護福祉士(介護でただひとつの国家資格)を取ると、資格手当が付く職場が多くあります。「資格で給料を上げる道」があるのは、介護の強みです。
給料のくわしい実態と上げ方は、別の記事で解説予定です(介護職の給料はいくら。
理由② 体力的にきつい——事実。ただし職場しだいで差が大きい
事実の部分
移乗介助(ベッドから車いすへの乗り移りを手伝うこと)や入浴介助は、腰やひざに負担がかかります。体が資本の仕事であることは、ごまかしようがありません。
誤解・古い情報の部分
「介護=すべてが重労働」ではありません。体の負担は、働く場所のタイプでまったく違います。
たとえば、デイサービス(日帰りで通う施設)は、比較的元気な利用者さんが中心で、夜勤もありません。一方、特養(長く住むための介護施設)は体の介助が多めです。同じ介護職でも、中身は別の仕事と言えるほど差があります。
また、リフトなどの道具を使い、「人力だけで抱え上げない介護」を進める職場も増えています。きつさの正体と対処法は、こちらの記事でくわしく分解しています(介護職はきつい)。
理由③ 汚い仕事のイメージ——排泄介助はある。ただし仕事の一部
事実の部分
排泄介助(トイレやおむつ交換のお手伝い)は、確かに介護の仕事に含まれます。避けて通れる現場は基本的になく、最初は誰でも抵抗を感じます。
誤解・古い情報の部分
「介護=一日中おむつ交換」は大きな誤解です。実際の仕事は、もっと幅広い内容です。
- 食事や着替えのサポート
- レクリエーションや散歩の付き添い
- 記録の作成、ご家族への報告や相談
排泄介助は、この中の一部にすぎません。使い捨て手袋や衛生用品も進歩し、手順も整っているため、多くの人は数をこなすうちに慣れていきます。
なお、ネットには「介護職は底辺」という乱暴な言葉もあります。これは「無資格でも入れる=誰でもできる」と、入口の広さを価値の低さと混同した見方です。入口の広さの意味は、理由⑦でお話しします。
理由④ 人間関係が大変——業界ではなく「職場ごと」の問題
事実の部分
介護労働安定センターの調査では、介護の仕事を辞めた理由の上位に「職場の人間関係」が入っています。少人数のチームで密に働くため、合わない人がいると逃げ場を作りにくいのは事実です。
誤解・古い情報の部分
ただし、これは「業界全体の人間関係が悪い」という意味ではありません。裏を返せば、「どの職場を選ぶか」で働きやすさが大きく変わるということです。
たとえば、同じ町の同じような施設でも、毎年人が辞める所と、10年選手がそろう所があります。差を生むのは業界ではなく、運営の方針や人員の余裕です。後半の見極めチェックリストは、このためにあります。
理由⑤ 将来性がない——ほぼ誤解。需要はむしろ増え続ける
誤解・古い情報の部分
7つの中で、もっとも事実から遠いのがこれです。厚生労働省の推計では、2040年に向けて介護職員はさらに数十万人規模で必要になります。
介護職の有効求人倍率(働きたい人1人に対して求人が何件あるかの数字)は、全産業の平均より大幅に高い状態が続いています。失業のリスクは、世の中の仕事の中でもかなり低い部類です。
「AIやロボットに奪われる」という声もあります。しかし実態は、見守りセンサーや記録アプリが「職員の負担を減らす道具」として広がっている段階です。人の体にふれるケアを機械が置き換える見通しは立っていません。
事実の部分
正直に言うと、「業界に需要がある」ことと「あなたの給料が上がる」ことは別問題です。仕事が絶えない安心感は本物ですが、収入を伸ばすには資格取得などの行動が必要です。
理由⑥ 夜勤・シフトで生活が不規則——事実。ただし夜勤ゼロも選べる
事実の部分
施設の正社員は、早番・遅番・夜勤を組み合わせたシフト制が中心です。生活リズムが乱れやすく、土日祝も交代で出勤します。友人と予定を合わせにくい、という声が出るのは本当です。
誤解・古い情報の部分
「介護職=全員夜勤あり」ではありません。働く場所を選べば、夜勤ゼロの介護職はごく普通にあります。
- デイサービス: 日帰り型なので夜勤なし。日曜が定休の事業所も多い
- 訪問介護: 利用者さんの自宅を訪ねる仕事。日中が中心で、時間の融通が利きやすい
- 「日勤のみ」の施設求人: 正社員・パートとも、探せば見つかります
逆に夜型の人には、夜勤手当で収入を底上げする道もあります。不規則さは業界の宿命ではなく、働き方の選択の問題です。
理由⑦ 社会的評価が低い——イメージの遅れは事実。中身は専門職
事実の部分
「誰でもできる仕事でしょ」という心ない言葉を向けられる場面は、残念ながらあります。世間のイメージがまだ追いついていないことは、否定しません。
誤解・古い情報の部分
中身を知れば、「誰でもできる」が誤解だとわかります。認知症の方への声かけひとつにも根拠と技術があり、人の命と生活を預かる仕事です。
キャリアの階段も、国の制度として整っています。入口は初任者研修(介護の入門資格。130時間の講座で取れる)です。その先の実務者研修(次のステップの資格)を経て、国家資格の介護福祉士まで積み上がります。
そもそも国は、税金を使ってまで介護職の処遇改善を続けています。これは「社会に不可欠な仕事」だと国が認めている証拠です。評価は、実態に遅れて追いついてくるはずです。
7つの理由の検証結果を1枚の表で
| 「やめとけ」の理由 | 検証結果 | ひとことで |
|---|---|---|
| ① 給料が低い | 事実 | 全産業平均より月6〜7万円低い。改善は進行中 |
| ② 体力的にきつい | ほぼ事実 | 職場のタイプしだいで負担は大きく変わる |
| ③ 汚い仕事 | 一部事実 | 排泄介助はあるが仕事の一部。道具は進歩 |
| ④ 人間関係が大変 | 一部事実 | 業界ではなく職場ごとの差。見極めで避けられる |
| ⑤ 将来性がない | ほぼ誤解 | 需要は増え続け、失業リスクはかなり低い |
| ⑥ 勤務が不規則 | 一部事実 | 夜勤ゼロの働き方も選べる |
| ⑦ 社会的評価が低い | 一部事実 | イメージは古いまま。中身は国家資格のある専門職 |
正直に言うと、「やめとけ」が当てはまる人もいる
ここまでで「思ったより誤解が多い」と感じた方もいるはずです。それでも、介護職をおすすめしないほうが誠実な人はいます。
- 腰痛や持病があり、体を壊しやすい人: 介護は体が資本です。体を犠牲にしてまで無理をする仕事ではありません
- 収入の高さが仕事選びの最優先という人: 全産業平均との差は事実です。「とにかく稼ぎたい」が一番の動機なら、他の業界が近道です
- 気持ちの切り替えが極端に苦手な人: 利用者さんとの別れや、理不尽な言動に接する場面もあります。心の負担が小さい仕事ではありません
- 不規則な勤務で体調を崩した経験がある人: 日勤のみの職場なら働けますが、選べる求人は狭まります
これは「あなたには無理」という話ではなく、相性の問題です。合わない仕事を根性で続ける必要は、どこにもありません。
「人を支える仕事」自体に興味があるなら、介護事務や福祉用具の販売・レンタルなど、体の負担が少ない関わり方もあります。
それでも介護職を選ぶ価値がある人・4つのケース
一方で、次に当てはまる人にとって、介護職は「やめとけ」どころか合理的な選択になります。
① 安定して長く働きたい人
有効求人倍率が示すとおり、介護は人手を求め続けている仕事です。景気が悪くなっても需要が減らず、失業におびえずにすみます。
施設は全国どこにでもあります。たとえば配偶者の転勤で引っ越しても、地元にUターンしても、働き口に困りません。「場所を選ばない手に職」は、強い武器です。
② 学歴に関係なくキャリアを積み上げたい人
介護は「学歴より資格と経験」の世界です。無資格で入職して、働きながら初任者研修→実務者研修→介護福祉士へ進めます。
国家資格の介護福祉士も、合格率は近年7〜8割(第37回・2025年は78.3%)(第37回・2025年は78.3%)(第37回・2025年は78.3%)程度。しっかり準備すれば手が届く試験です。その先には、ケアマネ(利用者さんの介護の計画を立てる専門職)や施設長という道もあります。
モデルケース: 高校卒業後にフリーターだったBさん。無資格で特養に入職し、職場の費用補助で初任者研修を取りました。実務3年と実務者研修を経て介護福祉士に合格し、資格手当が付きました。学歴を一度も問われずに、国家資格者まで進めるルートです。
③ 「給料が上がる仕組み」に乗りたい人
処遇改善の政策は2026年度時点も続いており、国の調査でも給与は改善傾向にあります。資格手当・夜勤手当・役職手当と、「何をすれば収入が増えるか」の道筋が見えやすい業界です。
④ 人と直接関わる実感がほしい人
「ありがとう」を面と向かって言われる仕事は、実はそう多くありません。数字やモノではなく、人を相手に働きたい人には、他では得にくい手応えがあります。
自分が当てはまるか客観的に確かめたい方は、向いている人の特徴をまとめた記事もどうぞ(介護職に向いてる人・向いてない人の特徴)。
後悔しない入り方①:職場の見極めチェックリスト
理由④を思い出してください。辞めた理由の上位は「職場の人間関係」でした。つまり多くの人は、「介護」ではなく「職場」が原因で辞めています。だからこそ、求人票と見学で次のポイントを確かめてください。
求人票では、ここを見る
- 給与の内訳が書いてあるか: 「月給◯万円(処遇改善手当・夜勤手当◯回分を含む)」と内訳まで書く求人は誠実です。総額だけを大きく見せる求人は要注意
- 年間休日数が明記されているか: 数字がない求人は、面接で必ず確認します。他の求人と比べて極端に少なくないかも見ます
- 夜勤の回数と手当の額: 「月に何回か」「1回いくらか」が書かれているか
- 資格取得支援の有無: 初任者研修などの費用を負担する職場は、人を育てて長く雇う気がある職場です
- 条件がふわっとした求人に注意: 「アットホームな職場です」だけで数字がない求人は、見送ってOKです
見学では、ここを見る
求人票より、見学のほうが何倍も情報があります。見学を歓迎してくれるかどうか自体も、判断材料です。
1. 職員があいさつをするか: 見学者に目を合わせる余裕もない職場は、人手が限界のサイン
2. 施設のにおい: 清掃と排泄ケアが行き届いているかは、においに正直に出ます
3. 利用者さんの表情と身だしなみ: 髪や爪が整っているか。放置された雰囲気がないか
4. 職員の年齢層のバランス: 若手と中堅がそろう職場は、人が定着している証拠です
5. 「昨年は何人くらい辞めましたか」と聞く: 答え方の誠実さが、そのまま職場の体質です
後悔しない入り方②:いきなり正社員で入らず「試す」
「データはわかった。それでも現場でやれるか自信がない」——その慎重さは健全です。介護には、正社員で飛び込む前に試す方法があります。
- 単発バイトで1日だけ体験する: アプリで「この日だけ」を選んで働く単発バイトには、無資格OKの求人もあります。たとえば土曜に1回、デイサービスの補助に入るだけでも、現場の空気は肌でわかります
- 週2〜3日のパートから始める: 今の生活や収入を保ちながら、体力的に続けられるかを確かめられます
- 初任者研修を先に受けてみる: 講座には実技の演習があります。「学んでみて違うと気づく」のも立派な成果です
数か月試して「合わない」と分かったら、やめていいのです。自分で試したうえでの「やめとけ」は、ネットの匿名の「やめとけ」より100倍あてになります。
よくある質問
まとめ:ネットの「やめとけ」より、自分で確かめた答えを
最後に、この記事の要点です。
- 7つの理由のうち、完全に事実なのは「給料が全産業平均より低い」。ただし処遇改善で少しずつ縮まっている
- 「将来性がない」はほぼ誤解。2040年に向けて需要は増え、失業リスクはかなり低い
- 無理してまでやる仕事ではないのも本当。体と心の相性は正直に見極めてほしい
- 後悔を分けるのは、「介護を選ぶか」より「どの職場を選ぶか」
「やめとけ」と言った人は、あなたの人生に責任を取ってくれません。データで確かめ、見学で確かめ、できれば単発やパートで試して、自分の答えを出してください。
そして始めると決めたら、最初の職場だけは妥協しないでください。条件の良い職場を見極めてから入ることが、「やめとけばよかった」を防ぐ最大の対策です。介護専門の転職エージェント(無料で求人紹介や条件交渉を代行するサービス)を使えば、夜勤回数など求人票に出ない情報も確認できます。
- 資格なし・未経験でも本当に働けますか?
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働けます。人手を求めている業界のため、無資格・未経験OKの求人は多くあります。ただし、訪問介護の一部の仕事には初任者研修以上の資格が必要です。費用を補助してくれる職場を選べば、負担なく資格を取れます。
- 30代・40代からでは遅くないですか?
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遅くありません。介護は年齢より人柄と体力を見る業界で、40代から未経験で始める人も珍しくありません。子育てや家族のお世話の経験が、そのまま仕事の土台になる点も特徴です。
- 「介護職は底辺」という書き込みを見て落ち込みました。
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匿名の悪口に、データの裏づけはありません。実際の介護職は、国家資格まで整備された専門職です。国が税金を投じて処遇改善を続けるほど、社会に必要とされています。匿名の書き込みより、公的な数字を判断材料にしてください。
- 家族に反対されています。どう話せばいいですか?
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感情で言い返すより、データを見せるのが近道です。「求人倍率が高く失業リスクが低い」「国家資格でキャリアを積める」「国の政策で給料は改善傾向」の3点を伝えてみてください。それでも心配する家族には、「まず単発やパートで試す」と段階を踏む案を示すと、安心されやすいです。
- 介護職に向いてる人の特徴
- 介護職がきついと言われる理由と対処法
- 介護職の給料のリアルと上げ方(/kaigoshoku-kyuryo/
- 厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」
- 厚生労働省「介護職員の必要数について(2040年度推計)」
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(有効求人倍率)」
- 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 結果情報」
- 介護労働安定センター「介護労働実態調査」
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